20 Junky in the Paradise
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コレをアタシに?
[スティーブンに贈られた花束を抱えて不思議そうに、
或いは鞄や服の包みを贈られた時は、
クリスマスプレゼントを前にする子供の様に無邪気で]
ありがと
[折々にスティーブンが覗かせていたであろう想いには、
目の前に並ぶ贈り物に夢中で気付かぬまま。
だから彼がアイを囁きだした折には眉根が寄った。
其れでも暫くは聞き流し目を瞑ってもいただろう。
スティーブンの奮ったであろう勇気も、
息衝く想いも受け流しながらも快楽を貪っていた]
[下心を擁く男が女を誘うのと其の理由は大差なく、
仮令デートに誘われたとて断りはしなかった。
貪りあう快楽に徐々に熟成されてゆくものは互いに別。
スティーブンに明確なプロポーズをされた時か、
或いは其れを何度か仄めかされた時か。
何時ものように顔を合わせると何時ものように口を開く]
別れましょ 付き合ってた気もないけど
[スティーブンにとっては誘い文句と同じく唐突だったか。
少なくとも別れのおもさは等分ではなかっただろう。
けれど着ていた服が彼の贈り物だったのは*偶然ではない*]
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[隣過ぎるマーゴから頬にくちづけを受けて 行為の最中、かぁっと顔が上気した]
う うん。 うん。
[何に対してか、こくこくと頷いて、口許が 褒美を貰ったイヌのように*だらしなく笑う*。]
(168) 2010/07/07(Wed) 20時半頃
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『もっと』
[柔らかいくちづけに心が躍り上がるよう
優しく与えられるものはその先を予感させるから。]
もっと…
[それが──けして、確約なわけではないのだと
けれど、男は気づかない。]
もっと……
[もっと。と、褒美に歓びを覚えて先を強請る
「愛情」と、綺麗な大義名分を被せられた慾は
底なし沼のようにより多くを求めて縛ろうとする。]
[ノーリーンに与える手で褒美を得られるなら、
その手を休める事はなく──ただ、]
… … …
[ホリーとの様相を気にしていた耳に、
紛れ込む言葉にぴくりと肩が揺すられた。
ノーリーンに与える言葉が途切れるのは
肌へのくちづけで誤魔化しても、
挟まれるのは、聴こえた──"特別待遇"への長い沈黙。]
[硝子の奥の目は、目の前だけを見詰める。
眼鏡のフレームの中に覗く世界だけに、
視野が狭められてしまったかの様に。]
………、こわ、こわさ…
壊さ 、さな さなきゃ。
[沈黙の以後。口内で繰り返されていた篭る声が
外に出されたのは、
与えられた"使命"をなぞる言葉]
こわ 壊さ、さなきゃ……
せ 世界、全部。
とく…"特別"は、
ひと
ひとりで い、いいんだよ。
[他の特別は要らない、と、男の目は、
目の前にはいない──*サイモンを網膜に描く*]
─ 回想 ─
[スティーブンが付き合いはじめたは、
彼女よりもサイモンが先。
大学の講義の一部が同じであったとか、
その程度の縁からはじまり気まぐれに付き合いに呼ばれ
なし崩しに悪友たちの集いの末席に座るも、
いつもは壁際によって中心には寄らない。]
あ、う、うん。
は はじ、はじめまし、て……
[だから、サイモンの従兄妹であるマーゴを見たことはあって挨拶をしたことがそれより以前にあっても。最初に誘いを声を掛けられたときには抗議をするでもなく、愛想笑いで挨拶を繰り返し]
えっ
[マーゴにしてみれば、誰でも構わないからの対応であれど、女性から男として扱われる事の殆ど無かったスティーブンにしてみれば、寄せられるマーゴの身体はやわらかくて熱く。きっと、それは、なによりの誘惑だった。]
[知らなかった女の身体の味を教えられて、
貪ることを恐れる臆病な性質は、けれど、
白く上質なやわらかい女の身体を与えられたことで、
欲しがる事を赦されたように──錯覚したのだろう。]
う、うん。
マーゴに、も…貰って…ほ、欲しい、な
[花よりも、服や鞄。そういうものの方が、
贈ったときに喜んでくれるように感じれば、
そう学習をして
次はより彼女が喜ぶものを、と貢物を買い漁れば
そのうちに財布も空になる。]
[それでも。
そのうちに、財産や学業や自分の身を崩し出しても、
己の払った代償が、彼女を繋ぎとめてくれる、と、
そう信じていられる間は、
男は、きっと、とても幸せそうだった。]
[幾度目の誘いか、白くやわらかな肌に顔を埋めて]
── あ、愛してる。
[欲しいものは教えれば覚えるけれど
自分の欲ばかりに曇る目は、
彼女が──嫌がることには鈍感で
同じ想いをのせた言葉が返らない意味に気づかない。]
マーゴ。
き きみに、
わた …渡したいものがあるんだ。
[だから。]
[個人的に会いたいと誘いをかけて、
その日。
男が懐に忍ばせていたのは、
オーダーメイドの、揃いの指輪。
贈り物の服を着てきた彼女が、
いつもどおりに口を開いて]
…う、え。
[彼女を繋ぎとめてくれると信じていた贈り物を着て、
別れの言葉にぽかんと間抜け面を晒すことになる。]
["どうして"、"なぜ?"──"わからない。"と、
その顔にわかりやすく書いて]
[そうして、
今日こそ受け取ってもらおう、と
意気揚々と取り出した、
小さな箱だけが、
──急落下した心地の *男の掌の上に、取り残される*。]
|
[女王陛下からの言葉は滲む拒絶も弱く 彼女の主人であるサイモンへ薬を渡したときのような 嫌悪と非難の色は、男には感じ取れない]
う ん…
[どれに対しての肯定なのか、 鼻から呼吸を逃がす頷き 口の周りや鼻先も、 汗や唾液や粘り気を帯びた液で濡れる。
>>173 上目遣いの視線と誘う声がかち合う。]
堕ち…て……、 き、きた…ら、いい…、よ。
[もっと、と、言う言葉に、自分のモノを擦る。ベルトをはずして前を開け、半立ちのそれを取り出す]
(174) 2010/07/07(Wed) 23時半頃
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い、今の、ノーリーンさんの、ほ 方が、 こわくなく、って、か、かわいい、し。
[手を引いて座った姿勢のまま、 女王陛下の身体を起こして、 手を引いて、自分の上に乗せる。
のせられる体重でより深く繋がれるから、と、 それは悪友の男に、モノを「可愛い」と称された男なりの 手管。]
ほ、ほら。き、気持ち、いい…方が…いいでしょ?
[無理に突き上げる事はせず、入り口を先で擦り、 下乳に頬を軽く押し付け肌を吸いながら、 ──彼女が、自分の意思で、堕ちてくるを誘う。]
(175) 2010/07/07(Wed) 23時半頃
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[ こっちに ]
[ 堕ちて ]
[ おいでよ ]
[良識ある女中が快楽に堕ちて
屋敷の良識が壊れてしまえば、
罪悪感を刺激されることも無く楽になれる]
こわ…こわし、
… 壊し、ちゃえば
ほ 他の、もの、
ものが
… な なけ、れば……。
[繰り返し繰り返し繰り返して、繰り返すたびに視野の端から黒く塗りつぶされて──見えるものが、狭まっていく。]
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