249 Digital Devil Survivor
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うん、 …… まあ、そうだな。
[雨だれ、雨滴、夕滴。] [雨樋から毀れ落ちる一粒のようなものが、 ぱらぱらと認められたのなら、それを掬うように、 (猫を撫でた時のように、)愛玩犬を撫でるような。
おもむろに近付いて、そのためらいごと。 伸びた手がわしゃわしゃと撫でようとする。]
……、 それでも、君は。
人間を恨んでだとか、嫌いではないのだろう? 信仰心をきちんと抱いた人間もいれば、 大多数は、現金な者たちが多い。
だからこそ、神様に頼りたがるひとたちも多いはずだ。 寂しいなんて、言っている暇もないくらいに……ね。
(88) 雨京 2016/06/27(Mon) 19時半頃
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[ぽんぽん、と、] ["人間の、"だけではなく、 頭を叩きながら絡めた"僕の"エゴは、 そうだなあ 少しくらいは、妥協してあげようか。 無茶というものは、叶える範囲で言ってみるものだ。
(叶えられなくて消えてしまわれたら、 やっぱり。 "寝覚めも悪い"ものだろう?)]
何年後かは、分からないけれど、……ま、 このあたりが復興したと聞けばすぐにでも 戻ってきてあげるから、
―――― 頑張っておくれよ、 "神様"。
[人の子故の傲慢さで、目下のままに、 朽ちるを知らないものは、上から"神"にものを言う。]
(最後に微笑み直せば、手触りのいい黒原から手を離した。)*
(89) 雨京 2016/06/27(Mon) 20時頃
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[それから。] [憙。無情。] [儚くドライアイスのように煙に撒かれ、 融けて往くは氷菓の夢————と言ったところか。 これ、若しかして、『悪』認定されるんじゃないかって 思ってしまったことも、忘れてしまうとしよう。うん。]
いやあ、君達みたいに若くはないからなあ。 最近すっかり、ここのところが……、
( ゆらりと伸びた人差し指で 頭をこつ、こつ、叩き、 )
[巫山戯ているのか、本気なのか、 まったくもってわからないような調子で目を瞑れば 悩ましげに眉が八の字も描こうというもの。]
(>>83…彼には『見透かされていた』だろうけれどね!)
(93) 雨京 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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… 。
偶然なのか、必然なのか、 どちらなのかは、 僕には"見通せない"けれども、
[>>84友人 と。 はっきり、明瞭、明晰に。 ゆられる、鼓膜にひびくおと。 菫が、心なしか咲った。 ]
うん、 嬉しいねえ。 『友人』 ——— いい響きだ。
[こくこく、と、何時もと同じ緩慢の首肯も、 そこに或る感情のように、力が籠っていたことを感じられるものはいるのか、居ないのか、分からないが、間延びした響きにも喜色のひとつは、間違いなく宿っていたのだった。] [ ———— そして、腕を擡げる。 ]
(94) 雨京 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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( それを望むのであれば、"友人"のために ひとはだ脱ごうじゃあないか、と。 )
[同時に、彼は何を選ぶのか。] [同時に、彼はどの道を選択するのか。] [>>85見定めようと覗きこまれようものならば、 鏡のように磨かれた菫青石が反射をし返すことだろう。]
それでも。 どれだけ人が生き残っているかはしれないけれど、 そのままなら、今居る友人、知人、 ……、
それから、これから訪れるかも知れない、 本来君が戻れたかもしれない、そして、 "泥方ナツメ"として享受されるべきだった 「人間として」の平穏な生を喪わずに済むかもしれない。
逆に言えば、 ……これから君がそのままで居るなら、 棄てなければならないことも、あるかもしれない。
(95) 雨京 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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( その覚悟は、"本当の意味で"出来ているのか。 )
[人間と、悪魔。
元々の生まれのその違いこそあっても……、 魂が何れだけ変容しようとも、 "しがない人間“だったころの魂にしがみついている、 所謂、「先輩」からの忠告、というところだろうか。
彼には、その顔が、その笑顔が。
( 『それって、“俺を殺すってこと”、かな?』 )
その問いににこり、と、嗤ったままの仕草が。 その天秤に、どう映るのかはわからない、けれども、だ。]
(96) 雨京 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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何事にも、 等価交換の法則は付き纏うものだ。 何方にしても、ノーリスクとは行かないよ。 方法だけは、幾らでもあっても ――――、 …… なんせ、やったことも、見た事も無いからねえ。
[もう一度。] [足を、彼との一歩半の距離まで運ぶ。]
それでもやってみないと、どうなるかはわからないね。 "分離"か、"消滅"か、…君という、存在まで消えるかも。
(深淵を見るものは、常に、深淵に見詰められているのだ。その喩えで言うのならば、菫はその時、正義を見定める彼自身の、深淵の役割を担っていただろう。)
(97) 雨京 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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[それから、 もう一歩踏み出した脚は、 そのまま、すれ違おうとする。]
…… ま、今直ぐ結論は出せとは言わないよ。 ただ、僕もやりたい事が出来て、ね。 どちらにしても、君に渡したいものがあるから、 今日の夜。 店の前にでも来ておくれよ。
[いやあ、剣呑な空気も、 真面目な話も長い間していたら疲れる年になってしまった。 今度はきっちり巫山戯たウィンクでも飛ばせば、 そのまま肩を叩いて、 ―――― 、
ひとり、 湖畔から辿れる清く浄された流に沿うように。 御渡の山のほうへ、消えて往こうとした。]*
(98) 雨京 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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[ああ、人の子は忘れる。
あの惨劇を無かった事として、日常へと塗り潰していく。
振り返り、後ろを見ればほら。]
[足元に鬼火が広がる。
肉の焼ける匂い、皮膚を焼き引き攣るような痛み。
あの日からずっと囚われているから、あの日のまま慶一の時は止まっている。]
後、100年―――――――いや、1000年。
俺には時間がある。
マガツヒなんてそこら中に溢れてんじゃねぇか。
ああ、死んでから気づくなんて俺も馬鹿だね。
浄化? いくらでもすればいいよ。
ねえ、新しいカミサマ。
人間なんてのはさ、醜い生き物だから幾らでも溢れてくんだよね。
ほら、ちょっと煽ってやればこんなにも憎悪が溢れてくる。
精々頑張りなよ。
俺は見てるからさぁ、今は……うん、今はね。
[炎の中、笑えば喉が焼ける。
息を吸い込めば灰の中まで焼ける。
死んで尚、生きているかのような感覚。
焼かれていく度にナニカが壊れる音がする。
それは人間として慶一が存在する為に必要なナニカ。
それが完全に壊れるまであと――――――――*]
―御渡湖―
[あの日、炎に飲まれ消えた男がいた。
藍色の波は今は神となった付喪神が祟った通り、その男に憑いた犬神だけを地の国へと送り込み、残された人間は燃え尽きた。
けれど、多くを殺し続けたその魂は。
浄化されるには赤い石の力を持ってしても黒く染まり過ぎていた。]
[6つの内、砕けた5つ。
砕けたその時にマガツヒが残っていたかどうか。
今となっては確認する術はないだろう。]
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— 御渡湖 —
そうだねえ、 思い出に…、 過去に生き続けるのは亡霊だもの。 …… 僕は生きている「人間」だからね。
[>>90 「人らしい。」
何よりもの"褒め言葉"を前ににこりと微笑む。 (得体が知れないのも、違わないから仕方がない。)
月明かりを吸い込む宵闇が漣を打つのを、 静に見詰めていた。
彼女の語ることばを、ひとつ、ひとつ、 落ちる葉滴を一粒、一粒、 見逃さない、聞き逃さないように。]
(127) 雨京 2016/06/28(Tue) 18時頃
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妖怪も、悪魔も、 元を正せば、見方を変えれば 誰かの信じる神様にだったものだったり、 あるいは、なったりするものだよ。 紛い物かどうかは、見たものが決めることさ。
[言霊、という概念が日本には或るのだろう。 だから、そんな事を自分で言っちゃいけないよ、と。 手を伸ばせば、石よりもうんと柔らかい手触りがある。]
(どんな石片であっても、捜せば、 原始宗教が説くように、そこには魂があるものだ。 願いを掛ければ、某かは届くかもしれないでしょう。)
[>>91瞑られた瞼、震える口郭。 あやすように優しく髪を梳いてあげれば、 名残惜しさとは裏腹にさあ、っと、指は離れる。]
「神様」かどうか、もね。
(128) 雨京 2016/06/28(Tue) 18時頃
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[悪戯を、残す。]
———— 人は、大罪を背負うものだからな。
[無機物を神に祀り上げようとする強慾も、 神をも畏れざり、それよりも永くを生きる傲慢も。 今更……、今更、だ。]
( 短く、彼女の返事には、そう笑い返しておこう。 )
[ふ、と、緩い息を吐き出して、…瞬いて、 金睫があがり切らないうちに>>92伸びてくる人肌が、 指が、菫に飛び込んでくる。
丸く円を描く瞳水面は、 驚きの波紋を作ってから、それから、無邪気な童心に 決して、厭ではない苦色を浮べる大人のような顔をした。]
(129) 雨京 2016/06/28(Tue) 18時頃
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(仕方がないので、 金糸雀色の一房には甘んじて触れられよう。)
こりゃまた、一本取られたなあ……。 でも、どうだろう、最近忘れっぽいからな?
[そう言い乍らも、 ちらり、と、泥方君の方を見る。
二千年前に逢った悪魔の名前まで 律儀に覚えているくらいには、物覚えが良い事は 内緒の話だ。]
[一本を巻き返すように、その気なげの狂言で戯けて、肩を揺らす。出逢った「神」の名は忘れる気も、忘れられる気もしないのだから、意趣返しくらいは赦して貰おうか。]
( 視線を戻せば、晴れやかなる、澄水の声。>>92 )
(130) 雨京 2016/06/28(Tue) 18時頃
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…… 人間は、なんだかんだ。 植物のように柔く摘み取られもすれば、 植物のように強く根を張りをするものだから、
案外、神の手から土地を"盗んで"、 すぐに復興をも、するのかもしれないねえ。
[まあ、それは。 君の、―――― 君達次第だ、と。
「 楽しみにしているよ。 」
観察者は他人事ぶって、 広がる湖畔に再び訪れる日のことを遠く、 馳せるように、 …… また、水上に、月を、引いた。]*
(131) 雨京 2016/06/28(Tue) 18時半頃
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(睨みつける蛇の視線を、むしろ光栄とばかり、 蛙にはなれそうもない僕はにこりと流した。)
[ >>100善処しておくよ、と、告げて。 ]
…… そう、君の返事を楽しみにしておくよ。
(132) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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[のち。 御渡の山山のほうへと緩やかに坂を昇り始める。 この豊かな自然に触れるのも暫くは最後だろう。
これだけの事件が起きたということは、恐らく、 天津神の結界が解かれた後はきっと烏の目でも 光ることになるはずだ。
生憎、縛られることは、好きでは無い。 足跡を見つけられて、追い掛け回されることも、 同じく。(羽音が煩いのも、煩わしいだろう?) 暫くは、祖国へ帰るのも、悪くない。]
( だけれども、その前に。 )
(133) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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― 渡背山 ―
[渡背山の、廃れているのだろう参道を 久方に辿ってゆけばやがて見える、廃墟の名残。
燃え落ちた本殿の跡と、記憶を照らし合わせる。 そこは、古い、も、朽ちた、でもなく、 ただしく、原型もなにも、無かったのだ。
水と土の薫りを、寂寞の風が運んで過ぎ去って往く。]
(134) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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(近付けば、出迎えられたのは二体の石像。 神社の狛犬というものは、狛犬とは名ばかりで 正確には獅子と狛犬で成されているものだけれども、
時代に忘られたように、 そこには、>>108首なし騎士のように頭部の欠けた像。 それから、罅割れた犬の石像が、ひとつ。
ところどころ火の手から逃れた場所が苔むしている、 時代に置いていかれたような澄んだ気配に近付いて、 さっきそうしたように、狛犬の頭を撫でた。)
(135) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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うん、 これくらいなら、 摂理には反しないだろう?
[その、罅割れた表面は何も、変わらない。 何時か、この場所がそうであったように風化しそうな像の見目は何も変わらなかったけれど、僅かに掌に灯した紫光を細く、薄膜として、石像全体を包んでやれば、――――、……致命的な罅くらいは、直ったことだろう。]
( まあ、ちょっとした工作だ。 )
[ぽんぽん、と。] [狛犬の頭を撫でてやってから、もう、手遅れの、 抜け殻になっている片割れのほうを、緩慢に見遣る。 そちらには手折ってきた菫の一本を供えてやってから、 日本式に、手でも合わせておいた。]
(136) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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……… じゃあ、 "またね"。
(137) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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[それから。二体の石像と、 開けた空間を一周を見渡したのなら、 もう、用は無い。
余韻も、名残も、なく。 ただ、立つ鳥は、何れ枯れる軌跡だけを残して、 誰も居ない世界にひらり、悠然と手を振るう。]
[さて、それでは。 この街でのエピローグを終えに、 "店仕舞した"店へと、降りてゆこう。]*
(138) 雨京 2016/06/28(Tue) 22時半頃
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