64 色取月の神隠し
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[異の世界の理は書物では解らぬと告げられれば、ある種的を射たその言葉にがっくりと肩を落として天井を見上げた。]
そう、だよなぁ…
[でもなぁ―――…]
いや、大志というか―――…まぁ、大志だが。
[どっちだ。]
母から、二人の馴れ初めを聞いて…それで、な。
[果てない何かを慈しむような顔で穏やかに笑う。] なんだ?この話も志乃君は聞きたいのかい?
(59) 2011/09/15(Thu) 22時半頃
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弁士 仁右衛門は、メモを貼った。
2011/09/15(Thu) 22時半頃
折れるばかりぞ女郎花 やろか?
奴延鳥さんに折られた花盛の娘さん
ようさんおりますんやろね。
せやけど、おおきに。
[ 別嬪さんと言われてものっすごく嬉しそうな音色がちらりと流れる]
んー……あたしって言うより、志乃にね、どうかなって。
あの子の意向は、まだ聞いちゃいないから――とんだお節介かも知れないけどね。
[目の前の相手へ囁きを向ける。
隣の娘へ気取られぬよう]
……さぁてねェ。
己を謡った物語にはどう出ていたかなぁ。
[琴古主の揶揄に、人の悪い笑顔が浮かべ、答えた]
……なぁるほど。
お志乃と沙耶が並べば、さぞかし絵になるだろうなぁ。
[芙蓉に素直に感心したように答える]
似合いだよねえ。
[藤之助の声に同意して]
藤、あんたは、誰かお目当ているのかい?
志乃の言ってた「せんせ」ってのは、どうだろうね?
[芙蓉の問いに答えて]
いや、己はまだ、見極めつかないねェ。
確かに秋月の旦那は面白いお人だが。
でもなぁ……ちょいと、色気がなぁ……。
[琴古主が耳にすれば、揶揄われそうなことを口走る]
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―――…!
[徐に頬を撫でられれば、驚いて顔が真っ赤になった。 あたふたしている間に志乃は立ち上がり、箏を奏で始める。]
ほぉ……
[その幻想的な光と調べに目を丸くしつつも耳を傾けて。 語られる言葉には微笑を浮かべる。]
おぉ?!
[突如、音色が崩れ部屋が赤く染められれば子供のように驚いて。 まじまじと奏者と部屋を交互に見回した。]
わ。
[部屋が元に戻れば。]
流石に私とは次元が違うなぁ――…
(105) 2011/09/15(Thu) 23時半頃
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[感心したように呟いた。 志乃の正体は流石にもう察しはついている。]
(106) 2011/09/15(Thu) 23時半頃
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ああ、ありが―――― …っ!
[楽しめたか、と問われれば素直に頷いて。 微笑み返そうと志乃を見遣れば、再び頬に伸びる細くしなやかな手が瞳に飛び込んできて露骨に動揺を示した。]
あああ…あの、だな、志乃君。 そ、そそ、そういう行動を女子が男にしては―――あれだぞ?
[しどろもどろに窘めるが、その意味が彼女に理解できたかどうか。]
箏が記憶した……そ、うか。 うん?この世界の扉を開く手助けをしてくれるのかい? 華をとは、私の考えていることが―――…
[志乃を見つめて、暫しの沈黙。]
(107) 2011/09/15(Thu) 23時半頃
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志乃君…
[手を離し、部屋を辞そうとする後姿に小さく呟く。
『興味があるのなら。』 『行きたいのなら。』 紡がれる言葉のその意味は。]
…志乃君の方こそ、私の存在が危険だと思うのなら、問答無用で――――…いや、すまない。
[掛けられる言葉に一瞬目を伏せる。 ふわりと笑んで、遠ざかっていく足音。]
私は出来れば――――…
[そう、出来れば私は。]
――――…
[散らかった書斎に、誰にも届かぬ声が*響いた*]
(110) 2011/09/15(Thu) 23時半頃
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[行くことは出来ても、帰って来れなければ意味がない。
それでは、今までと何も変わらない。
それでは、一方通行なのだ。
だからこそ、私は。]
あやかしである君と、皆と。
今とは別の道を探していけたら―――
[でも、それは己の勝手な願望に*他ならない*]
色気って、あんた、何する気だい。
[鵺の軽口へ、顔をしかめる]
せんせだか、じんえもんだか、あきづきのだんなだかが、どうだろうねえ、あたしらの里に来たがるのかねえ。
弁士 仁右衛門は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 00時頃
……何って、そりゃあ、なぁ。
[己の軽口に顔を顰めた芙蓉に、こりゃあ失礼、と笑った]
いくら、秋月の旦那が風変わりでも……結局人の子だしなぁ
さすがに己らの里に行きたいとは、思わないんじゃないか?
[もし秋月の事情を知っていれば、判断もまた違ったものとなるだろう]
おや、おや。
[藤之助と目を合わせた沙耶の、動揺した様子に苦笑して]
色気が欲しいんなら、さやにするかい?
さやとじんえもん、二人送っても大丈夫だろうけどね。
ねえ、志乃――?
[同胞の意思を探る気配は、琴古主へ届くだろうか]
[ちょっと眠そうな気が帰ってきた]
んーセンセなぁ半妖みたいなんよぅ?
誘ってみたんやけどなぁ……
センセ龍っつぁん時と違って、うちにはやけにしおらしいいうんか歯切れ悪ぅてねぇ。
行きたいとははっきり言うてくれんかったんよぅ
誘った言うくらいやから、センセにはうちの姿見せてもうたからなぁ。
ああ、別に嫌やとは思ってないみたいやし、連れてくんはええ思うんよぅ?
あのヒトも半妖やって見せてくれたから、ばらしたりはせん思うけど……
沙耶にはなぁ、うちちゃんと話してあげたい思うんやけど、あの子今どこにおるんやろ?
半妖……へえ。
人と、あやかしの間の、ね。
[この狐には珍しく、気配が堅くなった。が、すぐにいつもの調子に戻り]
いいじゃないか、面白そうだよ。
……沙耶?沙耶なら、あたしと藤と一緒にいるよ。
手妻師のとこ。
あらぁ…一緒やったんやね。
ねえ芙蓉さん
どないしたらええ思う?
センセと沙耶ちゃん送るんはええんやけど
道に迷わんやろか?
危ないなら、うちがどちらか連れて行こう
思うてもおるんやけど、
沙耶にはまだ話せてないし、
センセはよぅわからんしなぁ。
そうだねえ、「せんせ」は迷いやしない、と思うよ。
半分持った妖の血が、隠世の里に導くだろうさ。
志乃が一緒に行きたいんなら、それでもいいけど……
何にしても、沙耶とは話した方がいいだろうねえ。
秋月の旦那が半妖ねェ……。
[志乃の言葉を耳にして、芙蓉と同じ呟きを零す]
なら、旦那は己らの里に連れて行っても良いかも知れないが
沙耶はお志乃の御手付きなんだろ?
まぁ、ちょっぴりお裾分けを貰えたら、嬉しいけど
彼女はお志乃の好きにすると良いさ。
また誰か連れて行くの?
[囁きにいきなり混じってみる。]
ねー。誰か神社に居た?
いるけどいないんだよ。
雷門さんじゃないよ、だれかいるんだよ。
ああ、あきのしん、今ね……
いるけどいない?
何だい、そりゃあ。
――志乃?
[こちらへ近づいてはいるらしい彼女の気配が、乱れている。
不安げな囁きを、向けた]
神社かい?
己には心当たりはないが、雷門さん以外の誰かなぁ……。
[明之進の問いに答えかけて、
芙蓉の不安げな様子に、志乃に異変が起きたことを知る**]
せやなぁ…
奴延鳥さんや芙蓉さんもそう言ってくれるんやったら大丈夫やろか?
お、お手付……
そない言われるとなんか恥ずかしぅなってきますんよぅ?
そうやねぇ。話さんといやいや連れて行くんは、うちを貰ってくれんでも悲しいしねぇ。
お裾分け言うて…沙耶が決めることやからなぁ。
でも別嬪さんですやろ?
うちが男衆やったら放っておかん思いますんよぅ?
んー? どないしたん?
神社で誰かに逢うたん?
危ないことしたらあかんよぅ?
ちゃんとおしろい食べて
元気にしとかなあかんよず?
んー? 大丈夫やよぅ?
逢魔時の力があるおかげでなぁ…
心配せんでも、うちの足でそっち行くからね。
[全然大丈夫そうでもない声だったけれど、元気そうに気を送りかえしてみた]
[芙蓉の不安げな囁きを聞いて]
志乃、ぐあいわるいの?
おなか 減った?
[そう志乃に問いかけて]
神社はね、なにかいるけど
たまことゆりしかいなかったんだ ふしぎだねぇ
だいじょうぶ きのうにげきったから
もう捕まらないよ 元気だから。
大丈夫、には聞こえないねえ。
[ため息まじり、といった囁きを返し]
あたしがそっちに行くよ。
今、どの辺だい?
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