人狼議事


43 朱隠し

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 何を持って半端と言うのか、俺には判らぬ。

[ふるり、首を振って応える。

 このアヤカシ似の中に在るのは、孤独と退屈を癒すものへの欲求のみで。
 斯様な悩みにはトンと縁がなかった]


[それぞれの答えを聞けば、複雑な表情の中にも笑みを浮かべて]

俺は、アヤカシでありながら、人のようだ。

半端なんだ。

藤乃助のように、人の子でありながらもアヤカシとなれるのならば。
俺も、人の子であれば、そうして貰えたのだろうか。

[そして半端である男も、同じようにアヤカシのようになれるのか、可能なのだろうか。

 誰か、知っているか。男は、知らない]


 ……お前さんは、お前さんで。
 
 ええと思っとるんだが、の。
 
 
[先刻とは違って。
 柔らかく、笑み掛けるように。
 
 どこか少し、寂しげでもあったろうか。]


俺は――… 俺、で?

[思わず鸚鵡返しに問いかけて。
 柔らかな微笑みに混じる寂しげな表情に、
 浮かぶのは僅かな困惑]


[アヤカシに近づけないなら、せめて人に]

[夢幻でも、近付いていたかったのに]



そんなに欲しいなら、攫ってしまえばいいのに。


――… はは、俺が欲しいのは。

"俺"自身の価値だというのに。

[それを呉れるものだと、いうのに]



人の子を攫っても、"俺"は変わらない。

そうだろう、なあ――…?

[ならばいっそ、全てを忘れられればいいのに]


[物悲しげな鈴の音。

りん、りん。

頭の中で、何かを思い出せというように響く。

りん。

きっとそれは、大切なことなのに。

――まだ、思い出せない]


人になりたいなんてなあ。

[人間からアヤカシに転じた自分には到底わからない話]


正しくは――… 人になりたい、わけじゃあないがな。

どちらかに、成りたいんだ。

[独りきりは、嫌だ]

成れないなら。

[独りきりだと感じないように、成りたい]


   ――  ああ、寂しい  ――   


[ ――寂しい、 と 。

 意識  をすれば  するほどに

                孤独は   深く    なっていく]


            その穴を埋めたいから

             人の子を攫うんだ。
 

           何故それがいけないのだ。


 ―― 穴 を 、 埋める ――

[藤乃助の言葉に、赤褐色の眸が、揺れる]


[男は、人の子を攫う事を、肯定も否定もしていなかった。

 "神隠し"は、自分以外のアヤカシにとって必要な事のようだと薄ら感じていたし、
 そも、"神隠し"事態に、男には興味を惹かれなかったのだ]

[人の子を連れ去る事に興味を持てなかったのは、男のアヤカシらしくない部分で、
 興味が無い事には一切無頓着、それはアヤカシらしい男の一面だったのかもしれない]

[けれど]



[りん――…]
 


[風は言葉を運ぶ。
 人の子らの言葉も。藤之助や華月斎の言葉も]

 ……会って話をしたら、触れたくなる。
 俺たちが持ちえない温もりを持つそれらを、知りたくなる。


[鳥居の上。
 面を外したアヤカシはくるくるまわる風車を、冷たく見降ろしながら]

 触れたいと思えば、欲しくなる。
 人の子を己が手で、花の様に咲かせたくなるものだ。

[くるりくるり。
 回る風車へ、そっと口接けを落として。

 まるで憐れむように、
 その赫い眸を縁取る長い睫毛を震わせた]


触れたい…………相手に触れたい?

[今までそう思って人を攫っただろうか。

――否、ただ隙間が埋まればとそれだけで]


[寂しさは、いつしか消えていた]

[目の前の相手が友でいてくれると、
 人のように扱ってくれると、
 それだけを喜んでいた]


[   溝は 残った 儘なのに   **]


ウトは とても優しいな


 俺はああいう捨てられた子犬のようなものに弱いのだ。

 ……それに藤のしりぬぐいは俺の役目だろう?
 俺は藤の親みたいなものだからな。


俺も、子犬のように拾われたのか?

[くすぐったそうに返事をする、あれから随分時は過ぎたかもしれないが今でもまだ子供のまま]

親、の……そうだな。俺もウトは親だと思っているよ。
そのウトへ、もう一つ頼みたい。


俺はどうしても朧を気に入ってしまったから

“一緒に里に行きたい”んだ。


[擽ったそうな声に、ふ…と笑う。
 傍に居れば、その頭を撫でていただろうか]

 ……頼み?

[告げられた言葉に、訝しげに次の言葉を待って]

 ――それが藤の望みなら。
 今宵の門は、お前と其の人の子のために開こう。


[拾われた子犬は懐いて喉を鳴らし、擦り寄るだろう]

ありがとう、ウト。
俺が人間を攫うために祭りに降りるのはこれで最後になるだろう。

[不思議と確信する、胸に手を当て誓うようにそう告げる]


 ――見つけたのだな。
 永遠の小鳥。隙間を埋める存在を。

[面の下に浮かぶは、寂しげな笑み。
 だけど、それは声には出さず、然も祝福するように呟いて]

 大事にしてやれ。


/*
中発言失礼。
一応、▼藤▲朧で合わせているが構わぬか?
メモで伝えた方が良いだろうか。


/*

▼藤▲朧でお願いする。
一応、メモに転載も……自分で言うと恥ずか死しそうだ。

あ、でもじじから飴を受け取らないとな。


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