22 共犯者
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――…『御使い』様の意思が見えないと 如何して良いのか分からないね。
[ほう、と息を吐いて頬に手を宛がい思案げな面持ち。 ミッシェルの考え>>87に同意するように頷きを向け]
オスカーは、違っていて欲しい。 オスカーがそうならホリーが殺されたりはしない、と……
[ふ、と一人でない可能性を思い出し厭な想像をしてしまう。 誰もそうであって欲しくないと思いながら 見つけて話さなければという思いがあり]
でも……、次はオスカーに力を使ってみる。 違うなら、安心出来るし……
[彼女が反対するなら別の誰かへと対象を変える心算で 今の考えを伝えてみる]
(93) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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ニールさんがそうなら…… 体格的に敵わないかもしれない。
[困ったように呟く娘は 他の者になら敵うかもしれないと思っている節がある]
悪い人には見えないけど…… ううん、それを言うと誰もそうは見えないし。
[ぶつぶつと思考を口にして。 安全を一番に、とミッシェル>>88に言われれば 我に返ったかのようにはたと瞬きした]
――…ありがとう。 私も、死にたいわけじゃないから無茶はしないよ。 ミッシェルも……、安全を第一に、ね?
[仄かな笑みを向けて二人はホリーの許から離れ 村へと戻ってゆく]
(94) 2010/08/04(Wed) 20時頃
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― 回想・夜の森 ―
[視線を向けていただけの相手―― 記者>>90が突然語りだせば娘は驚いたように瞬きした]
……如何したの? いきなり難しいお話ね。
[不思議そうに首を傾げる]
私は、何も言ってないのに。 ねぇ、あなたは何か罪悪感でも抱いているの?
[涙声のまま問い掛けて]
何かを為したいのなら傍観者を気取らなければ良いと思う。 記者の全てが傍観者でなくてはいけないの? 人としてテッドを案じ声を掛けて呉れたなら それは感謝すべきこと……、ありがとう、イアン。
[緩く頭を下げるのは一人の人として幼友達としての行為**]
(96) 2010/08/04(Wed) 20時半頃
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[ミッシェルの言葉>>95に驚く素振りは無く]
もしオスカーから異質を感じ取ったら…… ヘクターの時と同じように話してみる。 話さなければ何も見えてこないと思うから。
[オスカーが向かったらしい森の奥へと眼差しを向けた]
――…嗚呼。 騙されていると思うと哀しいね。 生贄なんて求めずにいれば…… 変わらずにあれたかもしれないのに……。
[生贄を求めた理由は知れないながらも そうしなければならない何かがあったのだろう。 そう思わなければやりきれない]
………う、ん。もうあんな姿みたくない……。 でも、死んだ方が楽、なんて言わないで。 もしそうなったら、絶対、哀しいもの。
(99) 2010/08/04(Wed) 20時半頃
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――…今の所は夜だけね。 昼間も安全とは言い切れないけれど…… ……ありがとう、ミッシェル。
[怖くないといえば嘘になる。 守って欲しいといえぬのは 彼女を含めて失いたくないと思える者が多いから。 だから――、護る力を有するミッシェル>>103に全てを委ねる]
……ん。 悪い夢でもみてるんじゃないかって思う事がある。 けど、夢じゃないから向き合うしかない。 『御使い』様は、何を思っているんだろうね。
話を聞いてくれてありがとう。 私、おばあさまの様子が気になるから一度家に戻るね。 また、あとで。
[ひらと手を振って娘は帰路についた]
(106) 2010/08/04(Wed) 21時半頃
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― ラトル家 ―
[玄関先で娘は戻った事を祖母に告げた。 血の染みこんだスカートを気にして 真っ直ぐ奥の間には行かず浴室へと向かう。 湯浴みをして丹念に身体を清めていった。 石鹸の匂いを纏い新しい服を着て漸く祖母の許へ行く]
今日も無事、帰れました。 けれどまた二人、帰らぬものとなりました。 ピッパもホリーももういないの……。
[掠れ頼りない声は泣くのを堪えてのもの。 祖母の枕元には菓子入れの籠があり ホリーの為に用意していたのが窺えた]
おばあさま…… 『御使い』様は如何して生贄を求めたの……?
[問いに答えは返らない。祖母もそれは知る由がない]
(112) 2010/08/04(Wed) 22時頃
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―夜の森―
[ 聖餐の刻がはじまった。
神饌の乙女はすぐにおとめでなくなった。
生きながら貪り喰われ、凌辱され、無惨な肉塊に成り果てた。
狂熱に陶酔し、月の瞳は蕩けた蜜のいろとなる。]
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― ラトル家 ―
おばあさま……、『御使い』様は…… 私の声を聞いて呉れるでしょうか。
[抗うではなく話し合おうをする娘に祖母は複雑な面持ち]
――…わかってる。 おばあさまをおいていきたい訳じゃないの。 ちゃんと帰れるように頑張るから……
[何を頑張ればいいのかも分からずに 祖母を安心させようと言葉を重ねる]
……あの、ね。 お別れしたくない人が出来たの。 おばあさまもだけど、哀しませたくはないから。
[淡い笑みを浮かべて娘は祖母をそう告げた]
(115) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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― 広場 ―
[娘は祖母との話を終えると再び外に出た。 部屋で休めば良いものを広場の大樹の傍に行き腰を下ろす。 芝生の上で大樹を感じながら眠るのが娘は好きだった。 遠く人々の話し声がざわめきとなり耳朶を擽る。 そっと目を閉じれば間もなく睡魔に意識を攫われて]
――……。
[すやすやと木陰で眠る娘の姿がある]
(124) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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―回想・ヴェスパタインの工房―
[彼と肌を合わせ、確認する。
今、自分は"独り"では無いと言う事。
今、この温かさを共有できる同胞が居る事。]
ヴェスパタイン…
ヴェスパタイン…!
[何度も呼んだそれは、彼の真名ではないが。
――やがて肌を離すと、再び衣服を纏う。
そして「ありがとう」と短く告げ、工房を後にした。]
―夜の森―
[同胞がホリーに牙を立てる度に、彼女の体は跳ねあがる。
二人の白い裸体と流れる赤い血の鮮やかさと香気、そして音に目を細める。
この残酷な行為ですら、美しく見えてしまう。]
そうだ。乙女の次は女。
この娘も祝福された…。
[妖しい美しさを持つ同胞の許可を待ちながら、気を昂ぶらせているようだ。]
―夜の森―
[ 血濡れた顔を上げ、狂熱にうかされた月の瞳が同胞を誘う。
共に――と。
覆い被さっていた身体をずらし、同胞が充分にこの神饌を味わえるように招き寄せた。」
[くん、と突然濃い血の臭いが流れてくる。
同胞は「ホリー」を襲うと言った。
だがそれは、あの乙女の匂いでは無い。
人の子が、自ら人の子に手を下したか。]
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― 広場 ―
[少しだけ遠くで女の子の泣く声が聞こえた。 ピッパの名を呼び泣き続ける女の子。 それはピッパがくじを取り換え助けたゾーイの声。 今、それを知るのは小さな女の子だけ]
――…ん、…ぅ。
[眠る娘の柳眉が顰められる。 何か哀しい夢でもみているのか微かな声が零れた。 娘が優しい人だと言った彼女はもういない。 けれど彼女の優しさを知っているのは娘だけではない。 彼女の優しさは確かにゾーイの心に宿っている。 ちいさな少女はピッパの優しさを忘れはしない]
(135) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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―夜の森―
ああ、共に……。
[抑えきれない衝動と共に、この供物を愛でる様に捕食し始める。]
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― 広場 ―
[木陰で眠る娘の、膝上に置かれた指先がピクリと跳ねる。 伏せた睫毛は微かに震えて呼吸も僅かに速くなっていた]
………や、……っ…、
[ふっくらとしたくちびるから漏れる譫言。 微かに右の手が持ち上がり何かを求めるように伸ばされる 何かを掴もうとするのだけれど――]
……っ、て……、…い、かな、…で……
[いかないで。 口腔で紡がれる頼りない願い。 眠る娘の貌が泣きそうにゆがんだ]
(155) 2010/08/05(Thu) 00時半頃
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― 広場 ―
―――…っ。
[どれだけの時間眠れたのだろう。 目を覚ましたその時、太陽は高いまま。 誰の夢をみていたのか娘は覚えていなかった。 けれど酷く懐かしく愛しい気持ちが胸にある]
誰か、泣いてる。
[ポツと呟いて娘は目を擦り立ち上がる。 供物台の傍まで行くと小さな女の子が泣いていた。 ピッパの名を繰り返す彼女に娘は微かに目を細める]
あなたも、哀しいのね。
[供物台に横たわるピッパを見詰め手を伸ばす。 ヘクターは彼女を丁重に扱って呉れていたから 彼女の腰にある銀のナイフはそのままあった]
(169) 2010/08/05(Thu) 01時半頃
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――…この子にあなたのお守り、託していいかな?
[ポツと呟いてピッパを見詰める。 返事はかえらないのだけれど 彼女なら許してくれるような気がした。 鞘に収められたままの銀のナイフを手に取り ちいさな少女へと向き直る。 しゃがんで視線を同じにして少女に其れを渡す]
これはあなたが持っていて。 ピッパが、あなたを守ってくれるわ。
[彼女の遺した其れを受け取り泣き腫らした目を擦る少女。 彼女の頭を優しく撫でて淡く微笑む。 泣かないで、とは言わなかった。 哀しい時は涙を流した方が良いと思っていたから]
(172) 2010/08/05(Thu) 01時半頃
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― 広場の供物台 ―
[少女が親に連れられて帰っていくのを見届けて ふと視線をめぐらせればニール>>171の存在に気付き]
――…何か、考え事?
[ことりと首を傾げて問う仕草を見せた。 疲れが取れぬせいで力は行使できない。 今、使えれば――そう思うのにそれは出来ず。 漆黒の眸がニールを見詰める]
………ニールは、ニール、なの?
[問い掛ける言葉を知らず口にしていた。 近くで見詰めても昔から知っている彼にしかみえない。 疑いが揺らいでいくようだった]
(174) 2010/08/05(Thu) 02時頃
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[ニールの言葉にこくと頷く]
うん……。 全員無事、とはいかなかったけれど。
[柳眉を寄せるのはピッパとホリーを思っての事。 訝しげな様子にことりと首を傾げ]
『御使い』様じゃ、ないのかな、って。 如何見てもニールに見えるけど…… 確かめたかったのかもしれない。 もう、誰を疑っていいのか、わからないの。
[儀式の事を聞かれるとじ、とニールを見詰め]
大事な儀式だと長老方は言うけれど…… 私は……生贄を必要とする儀式は…… この村に、もう、必要ないと思うの。 哀しいばかりの村であって欲しくない。
(176) 2010/08/05(Thu) 02時頃
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人の手で同じ人の子の命を消す。
彼らは我らを探す。
昔はそれでも「名誉」を求めて、
人の子は我らに挑んだ。
我らも人の子らのその気高い志を称え、
爪と牙を持って応えたものだが……。
この巡礼者達は、何か違う。
この儀式は、何か違う。
感じるのはただの「殺意」。
そして単純な「敵意」。
――我らはもはや神ではなく、
怪物として堕とされてしまった…?
何故だ?
我らは生きながら、既に殺されてしまっているのか?
いつからこの様な事に―――。**
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[儀式についての考えを口にすれば 長老の一人が物言いたげに見つめてくるけれど ラトル家の孫娘とあってか咎める言葉は未だ無く]
――…いっそ私が宣言してしまえば良いのかもしれない。 そうすれば間違って人が人を手に掛けるなんて事が 起きずに済むのかもしれない。
[思い詰めるような表情が浮かぶ。 ニールの言葉は祖母の思いと同じで 悲しみを堪えるように柳眉を寄せた]
疑うのは、つらい。 でも、私は『御使い』様を探さなきゃいけないの。 オスカーが言ったのも知ってる。 儀式を止める事で不幸が起きないように…… 『御使い』様と話して、契約を変えてもらいたい。 怒られたら……、私が、全て負うから……。
(179) 2010/08/05(Thu) 02時頃
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[ニールに無茶と言われれば、う、と小さく唸り]
分かってる……。 けれど、ヘクターは、わかってくれたから。 いきなり引き金を引くなんてことはないと思う。
[パピヨンに反発したのはヘクターだけと記憶していた。 だから彼が動かなければ後は御使い様の事を気にするだけ。 探している、と言う言葉に娘は目を細めた。 それが本当なら彼は違うのだろうか。 話した相手を信用してしまう傾向にあるから 娘の中の疑いは徐々に薄れてしまっていて]
死にたくなどないけれど 其れが咎というなら受け入れるしかない。 『御使い』様と己は決して対等ではないから……。 私、この村を優しい村にしたいの。 だから、何かを変える為にはそれなりの覚悟が必要、でしょ?
(181) 2010/08/05(Thu) 02時半頃
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[冷たい色が消えてニールの微笑みが見えれば 綻ぶような笑みが浮かぶ]
ヴァンルナール家の事も色々教えて貰ったの。 ヘクター、引き金を引いた事、とても後悔していたわ。
[真摯な眼差しを向けて。 優しいと言われれば瞬きするのだけれど 同じ事を言ったピッパの貌が過り一瞬泣きそうな顔をする]
私は優しくなんてないから、優しくありたいと思ってる。 でも、ありがとう。嬉しかった……。 巡礼に志願したのは『御使い』様をみつける為…… ずっと、それから何が自分に出来るのか考えてみつけた答え。
ニールも、優しい。 ……生きて村を変えていきたい。 ニールは見届けて、呉れる……?
[ゆる、と首を傾げ問うのは信じたいという思いから**]
(183) 2010/08/05(Thu) 03時頃
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― 昼・広場の供物台 ―
[ニールと話していると誰を疑っていいのか分からなくなる。 誰も嘘を吐いているようには見えなくて 誰もソフィアやノックス、ホリーに惨い仕打ちをしたようには 見えなくて、巡礼者の中に御使い様なんていないんじゃないか と、そんな風に思えてきてしまう。 なのに、ラトル家の血はそうではないと訴える。 巡礼者の中にいるのだと奥底でざわめいている。
ラトルの者はある種の興味がある者に力を使う傾向にある。 誰しも興味を抱かねば其れを知りたいと思わない。
ピッパとの接点はあの夜まで殆ど無かった。 けれど井戸で輪の中心となる彼女に娘は興味を持った。 ある種の羨望があったのだろう。故に、識る事を望んだ。 ヘクターとテッドに関しては元々関心があった。 ――では今、関心があるのは誰か。]
(191) 2010/08/05(Thu) 15時半頃
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[ミッシェルにはオスカーに力を使おうという意思をみせた。 それはあの時、ニールよりもオスカーへの興味の方があったから。 けれど今、ニールと話した事で其れは真逆になっていた]
――……。
[暫し思案するような間があった。 疑う事に不慣れな娘はじ、とニールを見詰め]
私はあなたを識りたいと思う。 あなたなら私の声に耳を傾けて 親身に考えて呉れそうだから。
[今の思いを口にする。 返されるは許諾か拒絶か]
ニールが探す理由、いつか知れると嬉しい。
[『アレを探している』>>180 そう言った彼に淡い笑みを向けいつかの話をした**]
(192) 2010/08/05(Thu) 15時半頃
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――決心はついたか。
[ 昨日、ラトルの娘――マーゴを生贄に捧げることに躊躇いを見せた同胞に、彼は一日の猶予を認めた。
その決意が出来たか、と同胞に問うているのだ。]
お前がどうしても殺せぬと言うのならば、俺がやってもよい。
だが、もう待てぬ。
[ 声の底に冷たい刃を秘めて、同胞に選択を迫った。]
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