3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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『いなくなっちゃった のは』
『ピッパだ』
[もう 居ない。]
ああ、あの子
サイモンくんに 希望の色を教えて
そして 絶望させた あの子
『い た い?』
[問われて これは いたいの か わからない。
未練 も 後悔 も あったけれど。
わからない。]
『そうなのかな。』
『わからないや、ただ。』
『送りたい子 居なくなっちゃった。』
[もう 最後の 望みも ―― 。]
――そう、それは さみしい ね……
[ 背後の影より白い腕が ]
[ 闇色の少年の肩をそっと抱いて ]
(いない)
(いない) (もう、いない)
――…、 いない?
[届く声に、ぽつりと呟く。
ジェレミーは、ピッパと一緒に行ってしまったという。
分かる。
分かってしまう。
賑やかな声がいない。
気難しげな声がいない。
――が、 いない。]
…、―― ……何処へ。
[少しだけ遠い声で*呟く*]
『…… ん。』
あり がと。
[それは 小さな もう微かに残った 自身の*声*]
[ 囁きは あえかに ] [ 腕と共に とけ消えた]
バーナバスさん。
このビー玉、あなたが持っていてください。
もし誰かにビー玉を見せろ、といわれたら。
代わりにこれを――…
[手をとって、握らせる。
その毛深さには少し驚いたかもしれない。]
――忘れないで、下さいね。
大事なこと、ですから。
うう
[しばらくぼんやりしていた。
急に頭がやっぱり鉛のようになってた。
手にもらったビー玉はポケットにいれる。
元あったのとかちん、とそれはぶつかった。**]
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―伝説の木―
[いつの間にか木に寄りかかり、ぼんやりしていた。 なるべく、意識しないようにはしていた、けれど。 焔が、熱を帯びるようになってから、疲労が一気に深くなった]
……実はこれ、命が燃料だったりして?
[軽口のように口にするものの、冗談になっていない気がした]
……やっべぇなぁ……。 そう簡単に、燃え尽きてなんかいらんねぇのに……。
[独りごちて目を閉じる。 そこに響く、チャイムの音]
(56) 2010/03/05(Fri) 09時半頃
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……ぇ?
[戸惑いながら目を開き、頭上を見る]
なん、これ……。
[目に入ったのは、柔らかな木漏れ日と、淡い青の空]
……戻って、きた?
(57) 2010/03/05(Fri) 09時半頃
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[聞こえてくるざわめきは、『いつも通り』で。 今までの事が、夢のような心地がした]
……でも、なんで……。
[こんな唐突に、と。 思って立ち尽くす所に、駆け寄ってくる、生徒が一人]
……っ!
[とっさに異形の左腕を隠そうとするが、その生徒は異常に気づいた様子もなく、口を開く]
『こんなとこで何やってんだよ、授業、始まるよ!』
え、あ、うん。 ……えっと……。
[親しげに話しかけてくる生徒。でも、名前が出てこない。 知らない。明らかに]
(58) 2010/03/05(Fri) 09時半頃
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『何? あ、数学のノートなら貸してもいいけど、3限始まる前までには返してよ?』
[誰だっけ、と問うより先に、その生徒は矢継ぎ早に言って、駆けて行く。 制服の袖には、白いラインが一本]
……どう……なってんだ?
[零れ落ちるのは、戸惑いを帯びた声]
(59) 2010/03/05(Fri) 09時半頃
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演劇部 オスカーは、再び呼ぶ声に、戸惑いをながらも着いていく**
2010/03/05(Fri) 09時半頃
ケイトが
いる。
いきてる。
[それは、適切な表現ではないかもしれないが]
ケイトが?
って生きてる?
[うまく飲み込めない。]
……――此処は… 多分、
ケイトが 居た「過去」 だ
[受け入れられる、受け入れようとするのは。
侵食されて、在った筈の常識が蝕まれているせいか。]
…外、でたら 分かる。
制服が…違う。
過去 だと?
[窓から外の風景を見る。制服が
違う。]
『あれ、空。』
『ああ、 そうなの。』
[過去。納得する。
戻れたわけじゃない、この身体が 闇 に変わって居るのは変わらない。]
『北棟 二階建てだったんだ。』
[図書室に居た筈なのに いつの間にか 外 の 畑。]
[体の変化は 浸食は そのまま]
――… 3-Cの教室も、ない。
…、二階建て…
…全然、違うな…
…俺、…ケイトとクラスメイト、みたいだ。
…「せんせ」見つかる、だろうか。
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