147 書架の鳥籠
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本当の占い師が解った。
…、それだけでも大手柄だよ。
[相変わらず抑揚が薄い声で、]
等価交換…、か。
それは手柄じゃない!リアが先に言い出したんだ!
[どうしてまだこの人は変わらないのか、役立たずと自分を罵らないのか分からなくて泣き叫ぶ]
僕のせいできっとオズも……
[その先は、口に出来なかった]
…、だから 言っただろう。
ひとりには させないと。
[それは既に決められていた覚悟の言葉。]
肉体を奪われた我々は、
こうなった時点で一連托生なのだよ。
私がそこまで推理できていないとでも思ったかい?
……そんな
[意味を理解すれば、何も言えなくなった。
レティーシャの父親のようだった彼は、15の自分が想像出来ない程に大人だったのだ]
さて、次は私の番――だったな。
[どんな状況であれ、魔女の願いを叶えなければならない。
それはまるで、呪い、のようだと自嘲気味な思考をする。]
大切な仲間を悲しませた罪は、
大きい。
[故に、術を使う相手はグロリア嬢と決めている。
結果はどちらでも構わない。
どちらでも――結果は、 ]
オズ……
[敵じゃないと言える唯一の大人
彼が何を思っているか知った後では、人形にする相手のことを口にする声も、痛ましく申し訳なくしか感じなくて]
……うん、頑張ってね!
[無理矢理元気な声を出した
これ以上謝ってもどうしようも無いのだ――]
…、シメオン君。
もしレティ嬢に会えたら 伝えてくれ。
[ぽつりと、願いを囁く。]
君は自分が思っているよりも強い子だと。
そして、君との記憶は…
私にとってかけがえのないものだったと。
私はね、無理に自分の感情を堪えるのは
大人になってからでいいと思っている。
故に、シメオン君。
君と、レティ嬢は似ている気がした。
そして、わたしは…そういう君達を放ってはおけない。
――― 酷く汚れた大人だと、いうわけさ。
……
……オズ
[悪足掻きをしていても、この人がそう言うなら]
……分かったよ、話を聞いてくれたらね
[もう意味はないのだろう、全て]
――― 追い掛けはしないよ。
[サロンに留まったまま、聲だけを仲間へと向けて]
けれど、最期の時まで忘れないで欲しい。
シメオン君。
君は1人ではない、と。
…、抱きしめて慰めてあげられなくて すまないね。**
……あはは、はは。
オズがお父さんだったら、良かったのになあ。
[それがオズワルドに届いたシメオンの最後の声]
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