153 unblest blood
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[ジュースを手に取るために立ち上がり、すれ違った一瞬。
唯一の同族である彼だけに聞こえるように囁く]
……俺から始めてもいい?
[何を、とは言わない。ダンピールがいて、吸血鬼がいる。
ならばお互い目的はひとつの筈。
とはいえ、現状自分で手を下したい相手はいない。
彼が先陣を切ると言うなら、第一の獲物は彼に譲るだろう]
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―リビング―
[案の定、グラスを握らされた>>129。 積極的に呑む心算が無かった所為で、サイラスの誘いには即座には頷かなかった。 それでも、口角を上げてみせた。]
ああ、頂くさ。 グロリアさんの処のなら、きっと上質な、良い味だろうな――。
っと、注いでくれるかい。
[手に持ったグラスを前に差し出した。 その歳で酒など……という咎めも国によってはあるのだろうが、人ならぬ年月を過ごす身ということもあり、そういったことは然程気にしていなかった。]
(143) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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グロリアさん、な。 会えたは会えたんだが……思ってた以上に、キツそうなんだ。
[シーシャ>>130からの尋ねにそう答え、それから、目を伏せた。]
あのひとのあんな不安な顔見たの、初めてっつか。 なのに、何もできなかったっつか……、
[小さく唸って、表情を隠すように顔を背け―― 再び顔を上げた頃にはもうポーカーフェイスを形作っていた。]
とにかく、今は酒だ、酒。 遅ればせながら、俺も参席させて頂きますよっと。
(144) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[リビングの中に運ばれていたワゴンへと視線が行った時。 丁度クラリッサ>>132がおつまみに手を付けている様も目に映れば、腹の虫こそ鳴らないものの、自然と関心はそちらに向いた。]
マドカさんかな、作ってくれたの。 じゃあ、こちらも有難く頂いておくさ。
[ここで彼女の名を出したのは、キッチンに向かっていた姿を思いだしての推測から。 一度ワゴンの方まで足を伸ばし、カナッペを一つ手に取った。]
(145) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[フィリップ>>142が手を伸ばしていたボトルはジュースのようにも見える。 その選択が嗜好故か、体質故か、それとも別の理由か。そこまでは知れなかったが――]
…………見かけによらず、ガキなんだな。
[何処となくそうした印象を抱いてしまったことには変わりなく。 不躾な感想を零しながら、己の席に着いた。]
(146) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[己の舌で味を知れないなりに、口に含んだものの感触や香りを確かめ、喉に通していく。
こうして幾らかグラスを傾けた頃に席を立ち、座っていた椅子を入口扉の方へ引き寄せた。 それからギターケースの許に戻り、持ち上げた。]
――なあ、サイラスさん。 此処でも良かったら、聴いていってくれるかい。
[指先や喉に都合の良い温かい部屋に留まったまま。 扉側に椅子を移したのは、歌曲で周囲の会話を妨げぬ為。 そして少しでも、グロリアの部屋に音が届きやすくしようとした故。 先ずは誘いの言葉だけを、時計屋の男に向けて投げかける。**]
(147) 2013/12/04(Wed) 21時頃
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[すれ違いざま囁かれたのには、]
あぁ、……どーぞどーぞ。
[すっと身を翻して、
飲み物を取りに来た「オナカマ」に道を譲るようにしながら
言葉短かに返した。
血の気の多そうと印象は、
あながち間違っていなかったようだ。
今は口元が緩んでも不自然ではないだろうから、
ふっと笑みを向ける。
最初くらい秩序立てて事を運ぶのも悪くない。
――そのうち、
どうせ互いに理性など飛んでしまうだろうから。]
[手短に返された言葉には感謝を示して微笑んで。
もしも譲ってもらえるなら。もう。
誰にするかは決めている]
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[おつまみを勧めてきた時のクラリッサ>>157の笑顔は屈託なくも見えた気がした。 けれどグロリアの様子について、彼女の耳にも届いていただろうかと思えば、慰めやら何やらの言葉が頭の中を過り、けれど言葉に迷い――。 ふっと「もし」の可能性が過り、口を閉ざした。]
………………
[確かめねば。その心は全ての者に向けるべきものであれど。 この時、その思いは、グロリアと親しい男言葉の女へと少し強く向いていた。]
本当に、良い風味だな。
[先ずはそう、小さな笑みを作ってカナッペの感想を残してから。 パッチワークの頭巾を、その下の豊かな髪を。 さらにその下のしろい肌を、黒い瞳の視線だけで追った。]
(166) 2013/12/04(Wed) 23時頃
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言われなくても解ってるさ、――。
[クラリッサに視線を向けながら、冷やかすような言葉>>160にしれっと答えた。 彼女が首を振る姿もちらと捉えられたが、この時胸に留まったのは微かな違和感だけで。 特に何を問うでもないまま、今一度飲み下した酒の量を思い返した。]
それよりもさ。フィリップこそ、大丈夫か?
[ギターケースを持ったままの男は、口許に手を当てる彼>>162に、直接助けの手は差し伸べずに疑問符を向けた。 先程の悪口が彼に届いていたか否かは、とりあえず、考えずに。]
(168) 2013/12/04(Wed) 23時半頃
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サミュエルは、>>168あまりにも大丈夫そうに見え無かった所為か、つい敬称を飛ばしていた。
2013/12/04(Wed) 23時半頃
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[笑みのないシーシャ>>163からの言葉に、すぐに返す言葉は無かった。 見舞いして、という指摘にだって、素直には顔を上げられなかった。 そんなサミュエルは、シーシャの一瞬の目線の変化には気づかなかった。]
…………シーシャさん。 何というか、その。ありがとう、な。
[ぽつりと礼を零したのは大分間が空いてからのこと。 掛けた言葉が、努めて明るくした声色だったのだろうとは感じられたから。 そのことについてだけは、と思っての返答だった。]
あんな噂が無かったら。 嘘だって言い切れるなら、いいんだが――…
(179) 2013/12/04(Wed) 23時半頃
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―リビング―
[流石、とクラリッサが言うのを聞きながら>>170、 後でそのマドカに礼を述べておこうと胸の内に留める。 後で――というのは、いま、違うことに意識が寄っていた為に。]
……いや、別に。
[首を傾げて微笑んでみせたクラリッサは、何処かそれまでの彼女と違って見えた。 深い付き合いがある訳でなくとも、なんとなく、そう感じられた。 そのことが、それまでギターケースを持ったままその場から動かなかった青年の脚を、漸く動かすこととなる。]
あの、さ。
[そうして、また何時もの笑みに戻った彼女>>176へと、距離を詰め]
(183) 2013/12/05(Thu) 00時頃
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悪い。さっきの、嘘。
ちと、呑みすぎてた。
[身を屈める。黒い瞳は半ば伏せられる。 そうして、水のグラスを手にしたクラリッサへと顔を寄せ。 彼女の左目の上の肌に、くちびるを近づけた。]
(185) 2013/12/05(Thu) 00時頃
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