73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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[心の中で薔薇に謝りながら、けれど薔薇のおかげか、そのキスは今までしたのとは違い深い陶酔をもたらす。唇が深く交われば胸の痛みは薄れていき]
…ん、もっと
[呼吸すらもどかしくて全てとかしたくて。いつしか瞳は閉じられ、周りなんて気にならなくなった**]
(42) 2012/01/02(Mon) 17時半頃
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[こんなに深いキスをしたのは初めてで、お互いにきっと下手だったけれど 熱くて、熱くて もう、何もわからないくらいとろけていた。 此処が自分の部屋だということも、すぐ隣でサイラスが眠っていることも、頭の中から薄れていって]
俺、は フィリップの もの、だよ
[言い聞かせるように、ただ繰り返した]
(55) 2012/01/03(Tue) 00時半頃
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嬉しい、の?
[花開くごとに息はあがり、香りもより強くなる。痛いとか、痛くないとか、後のことなんて考えていられなかった。これが本当に自分自身の望みなのか―― ロバートと交わした会話が頭をよぎる]
俺も、んっ 嬉し…っ
[嬉しいのは、本当。これだけは確かに けれどその先は――?迷う気持ちのせいか、未だ棘は少年の中にあり、けれど答えを出せばすぐに精気を吸おうと移動するのだろう]
(62) 2012/01/03(Tue) 01時頃
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ねえ、もう移りそう
[胸の奥で棘がざわめいてるのを感じる。棘と一緒に気持ちも、勿論落ち着かないけれど]
やっぱり、ごめんね
俺…我慢、できなくて
[カルヴィンの言葉に、やや悲しげに眉が下がるけれど、
自分がセレストから貰いたいと同様に、
カルヴィンにだって思いがあるのだと思えば]
…別に……君の自由に…
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え…
[一瞬固まって薄く目を開いた。フィリップの瞳がいつもと違って、少し怖かった、けど]
いい、よ
[自由にしていいって言われたから。それは責任の押し付けとかそんなのではなく、本当に 本当の意味でフィリップのものになろう、って決めたから]
俺も、もう どうにかなりそ…っ
[再び目を閉じて、押し当てられた熱に手を伸ばした]
(68) 2012/01/03(Tue) 01時頃
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ごめん、ね
フィリップにお願いするよ
セレスト先輩に渡して、って
[それは、フィリップの想いを裏切る言葉かもしれない。もうその考えすら棘に侵されてるのかもしれない。
でも]
咲かせて、あげたいんだ
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…ぁ、こわ
[言葉と一緒に唾を飲み込んだ。大丈夫、きっと大丈夫。自分の気持ちは信じられなくても、フィリップの想いは信じられるから]
ん、い…たく、ない…っ
[勿論、嘘だった。直に触れた熱は熱くて怖くて、固く閉じた眦から涙が零れたけれど 胸に感じていた甘い痛みが溶かしてくれた。それも棘の魔法なのか、痛みはすぐに快感に変わって]
あつ…い
[篭る熱すら蜜のようだった]
(75) 2012/01/03(Tue) 01時半頃
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フィリ ップ、 んっ、ごめ ん
[涙と一緒に謝るのは、枷がなくなって移り始めた棘のことか。それとも、口にはできない願いのことか]
ずっと、一緒…だよっ
[熱が放たれれば、棘が抜ければきっと眠りにつくのだろう。サイラスと、同じように。 今、フィリップに穿たれている時でさえ、甘い声をあげていてもなお、心の何処かはフィリップのものにはならなくて
愛したいと思うのに。 好きになりたいと願うのに。
口には出せない。ただ、一緒にいる。いて欲しい。 そして放たれた熱は甘い痺れと共にどうしようもない想いまで夢へと連れて行く*]
(79) 2012/01/03(Tue) 02時頃
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ごめんね
渡すなら、セレスト先輩に…
[最後に囁いた声は彼に届いただろうか]
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