158 雪の夜に
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……それでも、死んでしまうよりは良い、か?
[蒸し返すように口にする。]
実際、あんたが生きてた事で助かった奴がここにいる訳だしな。
[既に人が集まっている、この状況を覆すのは難しい。]
[昨晩の船乗りなら時間も場所も選ぶ事が出来ていた。
小さな子供の行きそうな場所を、例えば、
隠れ鬼などに使いそうな物陰なんかも含めて見回って、
風除けのある暗がりでその背に狙いを定めた]
[ぴしゃりと霙まじりの雪を踏む足音に振り返っても、
既に逃げおおせることは許さない間合いに入っている。
血の色が弾ける中にあって、それとは似て非なるもの、
夜闇でも光る鮮紅の瞳を男は見ただろうか。
倒れ伏す船乗りから点々と、血の色が通りへ続いていた――]
[一般論は他人事だ。
女の語る言葉は、常に自分自身を除外する。
自らがどこにも属さない者であると知っていた]
ありがとう。
[それは在ることを肯定してくれる言葉だ]
……優しいのね。
[かつて許される場所のあったことを、思い出す]
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[その時、女が向かっていたのは自警団だ。
自分の自己満足な願いごとに、 彼の穏やかな時を奪う権利などない
終わりにしてしまえばいい、 人狼が捕まって処刑されれば全ては収束する。
狩りをしばらくは止めて貰う様に伝え、 それから自分が人狼だと名乗り出てしまえばいい。 教会の司祭はもういないのだから、 人と狼の見分けがつくものなどいないだろう]
(104) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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[けれど、事態は単純ではなかった。 声の無い襲撃者の正体を女はたった今知った。
遠巻きの人々、 暴れる少女のうなり声と、 それを押さえ付ける人影と]
……、
[ゆっくりと近づきながら、 女の紅い口唇は音もなく何かを囁いて]
(106) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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俺が優しかったら世の中の奴らは8割がた優しいけどな。
[根拠は割愛した。さして愉快な話でもない。]
考えちゃいるがこの状況大分ムリあるぜ……!
私に、優しくしてくれたと思ったのだけど。
……違ったかしら?
[と、戯れのような言葉を交わす時ではなかったが]
そうね……、
人目を集めすぎている。
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それに、 あの子には、聞こえない、のでしょうね……。
[声音は酷く悲しげで、ただゆるく頭を振る]
(108) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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[あの青年はこのことを知っていて、 そして必死に留めようとしたのだろう、 雪はまた紅く染まっていた。
自分は確かに、無力な何も出来ない存在だった。
人間にも人狼にも、 心を寄せて寄せて切れずに。 そして、どちらにもなれなかった。
どうすればよかったのか。 ――あの時、どうすればよかったのか]
(112) 2013/12/27(Fri) 23時半頃
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――……っ、
[目の前の光景を瞳に写すだけの女が、 びくりと弾かれた様に顔をあげたのは、 >>109 青年の声と少女へと伸ばされた腕を見て]
(115) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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……つっても俺、何だかんだで
我が身が一番大事なタイプなんだが。
[銀鈴の声に対して、ぼやくような調子でいる。
衆目があるこの場所では、あからさまに人狼を庇えば
立場が悪くなるのは明白なのだった。
ヒューやセレストがそうするのは人間の勝手だが。]
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[――その瞬間は目を逸らしていた。
見るに耐え難い光景、 人狼とはいえ、その姿は7つのこどもだ。
一点の曇りなくその排除を喜べる人間など、 果たしてどれほどいるものか。 どよめきには戸惑いと躊躇いの混ざり]
(127) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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……いいえ、
無理を言ったのはわかっているわ。
ごめんなさいね。
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