204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[しょうがないもの が 良いことに
その感覚も 心暖かく
温泉より 暖かい気さえする]
あ…………そっか 伝わる……
[気恥ずかしさは実際感じる
感じるからこそ また連鎖して]
あ ほら でも こう 良いとこも
探しやすい…………かな
[ほわりと、心が温かくなる。
それが安堵をもたらして]
うん、伝わる……
[なにもかも、全部、ではないけれど。
それでも伝わるからこそ]
そうだね。
いまのところ……伝わっても、問題ない、し。
それに――言葉にならなくても、わかる、から。
…………うん 問題ない
それどころか……心地いい
[わかる の言葉に 言語化出来ない
嬉しさが滲む 心だけは
暖かな春を思わせて]
…………こう言うの はじめて
うん。
そう、だね。
――なんか、安心する。
[保護者といるのとも違う。
そんな安心感。
嬉しさが、嬉しさを呼ぶ気がした]
俺も。
フィリップがいてくれて、よかった……
|
[>>115これまで誰にも触れることの無かった身体が、その体温で溶かされていく。 首筋に息のかかる感触を感じながら、ディーンは彼の首筋に触れていた手も、空いたままのもう片方の手も、戸惑いがちに背中に回す。指先が緊張を示すように、少しずつニコラの背中の線をなぞって、輪郭を確かめる。
このまま首筋から食い千切られて、咀嚼されて、硬い背中の中にある内臓で溶かされて――。
もう物語も、文章も、ディーンの脳裏に浮かぶものはない。 衝動の代わりになるものはもう要らない。]
……ニコラ、 僕を、食べてくれ
僕は、君に 食べられたい
[吐息に混じるのは、消えそうなほど小さな囁き。 >>113庇護すべき大切なものも、>>118唯一の幼馴染も、全てを捨てるに等しいことだと分かっていても――懇願せずには、いられなかった。]
(124) 2014/11/17(Mon) 22時半頃
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……春の森 木々の隙間 木漏れ日がさ
ちょうど ラルフみたいで
[少し前 一瞬だけ 冬を思い出す
冷たい風が吹き込んだ そんな気もしたけれど
いまは そんなことがあったことを
忘れるように 重なる思考が暖かい]
ーー俺もだよ
いなかったらーーーを 考えたくない
……俺、そんな、綺麗じゃないよ。
てれる。
[照れる。
そんな、褒められ方したことがないから、そわそわ落ち着かない]
うん。
――、おなじ、だね……
そうかな? でも そんな風に 暖かい
[照れてるらしき気配に
自然と微笑んだ気配が滲んで]
同じ 嬉しいなぁ…………
…………雪 止んで欲しくなくなっちゃう
暖かいのは、フィリップもだと思うけど……
……フィリップのは、小春日和みたい、だと思う。
[普段は冷たくても、きちんと暖かいところがある。
冬の、小春日和のあたたかさ。
微笑む気配に、ほわり、とまたひとつ、温かさを感じた]
うん……雪がやめば、また別々、だし。
――――それは、悲しい、ね
|
[>>129音が増えた。 知った名前を呼んでいる、聞き覚えのある音だ。 >>130もう一つ、これも知っている音。 >>131それから、これは――。
ディーンは、ニコラの背中に回した手に力を込める。 縋るようにシャツを握って、触れる体温を一層近くに感じようと試みる。>>126他にニコラの名を呼ぶ声があっても構いはしない。]
――……
[総ての音を遮断し、視界を塞いで、聞こえないふり、見ないふりをする。今腕の中にある熱を失うことが、一番恐ろしい。 体温の温かさを知って尚離れなければならないというなら、この願望が叶えられないというなら――死んだ方が、マシだ。]
(139) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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ーーー…………言われたことない
[きょと と驚く気配
側にラルフがいたらまじまじと 見てしまうだろう
暖かく くすぐったい 寝わらに寝返り打って]
ーーせっかく 会えたのに……ね
悲しい し きっと 寂しい だと思う
[邪魔をする男。
‘保護者’ではなくなった男。
ノックスの声にも顔をあげない。
シメオンが立ち去っても、見ようとしない。
こうして果実の樹にしがみ付き、乞うている。
誰に? ―――ニコラに。]
――俺は、そう思うよ。
[驚く気配に、微笑む気配がかえる。
胸の中、暖かいから。
視界のなか、みえたことに、まだ、耐えられる]
うん。
さびしい。
フィリップの、声、聞こえなくなったら。
寂しいし、悲しいね……
ーーーありがとう…………
[ラルフが何を見たのか 耐えているのか
寝藁でうとうとと 心の温かさに包まれ
ゆっくりしていたから知らなくて]
…………一人が 当たり前だったのにね
何も聞こえないのも…………
きっと とても辛い……耐えられる かな?
きっと とても会いたくなる 会えないのに
[力が入っているせいで、肩の骨が服の上からでも見て取れた。
腰に下げたナイフに手が伸びそうになった。
背骨を抜いて、肉と肋骨を削ぎ落として。
ベッドの脚にするのはどうか。
3階にある安物のベッドも、少しはマシになるだろう。髪は束ねて飾りにして――…]
……
[黒く昏く、冷えていくのは瞳と……]
[気づかれなくて悲しいのも、見ていて辛いのも。
いまはまだ、暖かさのおかげで、それほどつらくはない]
……うん。
なにも聞こえなくて、……それが当たり前だった。
耐えられるかな、耐えられないかもしれない。
だって、こんなにあたたかいのに。
それがなくなる、とか、つらいよ……
凍えてしまうね……きっと凍えてしまう
身体が寒いのは……慣れてるつもり……なんだけど
…………ラルフと 一緒にいたい……ーー
許して もらえないかな ……5人で旅する とかさ?
[ラルフの同行者と自分の せんもないこと思う]
(早く、その毒のような熱を遠ざけてくれ)
[プリシラから――、否、俺たちから。]
……今までは知らなかったから……
凍えてることにすら気づいてなかったのかもしれない……
――――俺も、フィリップと一緒にいたいよ。
5人で、旅をできたらいいね……
でも、ゆるして、くれるかな……
[心配性な、保護者。
それを思えば、難しいかもしれないと、思う]
旅をしたい理由をいったら……反対に、引き離されそうだ……
あゝ…………
知ってしまったら 気づいてしまったら
ーーーー…………戻れない
駄目 かな…………
…………?
どうして…………?
ただ 一緒にいたい だけだよ??
うん……
知らなかったころに、戻れない。
フランシス、心配性だから……
俺が先祖がえりだって伝えたりしたら、きっと、……
フィリップと。
仲良くなったから一緒に旅したいって、そう、いって。
許してくれる、かな……
[守ると、言ったのに。
僕は、愛しい子を―――…]
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[>>150ディーンは、望んだもの以外の体温を拒絶する。 両手を離したくはないから、触れる感触があれば緩く首を振るのみだが。
>>152彼の指が髪を撫でる。 それから保護者を呼ぶ声がして、ディーンは微かに息を吐いた。 願いを告げた時、ニコラは確かに頷いたのだ。 不安に思うことは何もないはずなのに、それでも不安は拭い去れない。取り除けるのは、彼だけだ。]
――……ニコラ。
[いかないで、と、要点を言外に置く癖はそのまま。
>>161強い声に、びくりと背を震わせた。]
(170) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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…………心配性……
けど 優しそうな人だから
一緒じゃないと 辛いって……
説得出来ない かな?
だって……仲がいいだけ……なのに
[と そこまで考えた時だった
ちょうど 実際に ラルフとしっかり目があったのは
とん と心臓が 一つ脈を打つ
彼は その脈動に 目をまたたかせる]
うん、優しいよ。
優しいけど……決めたことには頑固だから……
説得、できたらいいな。
辛い理由を、聞かれるかもしれないけど……
はなれたく、ないし……
[フィリップと視線が合った。
ほっとしたような、安心感を感じて。
それは、三階で、目が合ったときにも感じたもの、だった]
|
[>>168本能との心中。 まさしく、正しい表現だ。 他者の迷惑も顧みず、守らねばならないはずの大事なものを捨て、他人の大事なものに縋りついて、獣に堕とそうとしている。 褒められるべきことは、何一つしていない。
しかし、ディーンはずっと一つの疑問を抱いていた。 果たして、本能を押さえ続けるのは正しい事なのか。 苦しみ、もがきながら生きていくのは正しい事なのか。
何が正しく何が間違っているのか、ディーンには分からない。 『大人』でありながら、罪を犯したことは理解している。 ――それでも、飲み込むことが出来ない言葉がある。]
――……ニコラ。 君が、好きだ。
[その呟きに、常の平坦さはない。 そこにあるのは、押し殺すことの出来ない確かな感情だった。**]
(180) 2014/11/18(Tue) 00時半頃
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[それは予感では無く、確信だった。
ニコラの掌に炎を見たとき、
それは長らく冷えたままの氷を溶かす火だと確信をした。
だからこそベネットに――信頼できる友人に、
一番大事なものを託したのだ。
炎に触れた氷は溶け、元の形を失う。
大人であったディーンは、もう何処にもいない。]
――…………すまない。
[悲痛な声に返す囁きは小さく、口の中で消えた。**]
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