8 DOREI品評会
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ふたりが買わないなら、そのつもりだけど。
――ふふ。どうする?
[男の「検分」は、買わなければ他の品物にも存分に発揮されることは、きっとわかっただろう。
これ以上されたくない品物があるなら、買った方が、という、男なりの優しさの、つもり。]
― 現在軸/客席 ―
さて、どうしましょうか……―――。
姉さんは、今回のターンは、
競りに参加する気は…どうでしょうね?
[お愉しみの最中であれば、それどころではないのだろうかと、
下世話なことを思い、道化に呟いた。
その後、かかってきたヴェスパタインの電話を受けると、志乃には聴こえない声音、少なくとも聴きとり難い流暢な英語で、相手に応える。]
私のカンバスとしての興味は、既にお伝えしたものと変わりません。
[No.4を今回に限らずの話で、出来たら落としたいが、我を通したい訳でないと。そこは相手と志乃次第である。]
点数が余れば、今回は少し実験的にもう1人くらいは買ってみても良いと、少し心境は変化しましたけれどね。
[1人落とすことができたなら、帰っても良いと云っていた男は、本気か冗談かそのような言の葉を織る。心境が変わったのは、舞台からの視線を感じてか、それとも、どこまでヴェスパタインの責めのアイディアが続くものか見たいと思ってのことか。
点数が余れば――と示す通り、今回は賭けに出る気は今のところないようだ。]
奥様はご都合がよろしくないのでしょうかね。
ぎりぎりまで焦らすのもいいと思いますけれど。
そこにあるのは、奴隷にとっては死の恐怖ですから。
[彼女が受話器を手にすることは、今はない。
買いたい奴隷はまだいたけれど。
黒髪の男が買う様子でもあったからか、今回は見送るつもりだった]
[グロリアの消えた部屋へと通じる電話は、何度鳴らしても取られる様子がない。
客席の二人に向けて、道化は軽く肩を竦めて両手をあげた。]
このまま誰にも買い手がつかなければ、お開きですネ。
[実質、彼が問いかけているのは、ヴェスパタインのみ。]
― 回想軸/道化の部屋 ―
『嗚呼、やはり少し腫れているね……―――』
[女の股の間に顔を寄せたルーカスは、頭上で時折鳴るカチリとした音を聴きながら、その灰青で秘所を見遣る。
白絹の手袋の先を唇で引き、素手になると、指先で花弁を割り、裡を晒す。]
―――くちゅり
[くぐもった水音が響く。それはルーカスの舌が女の裡へ潜った音。
その後直ぐに部屋に木霊するのは、>>+27女の悲鳴。]
『咥えたもの落としたら、承知しないよ?
汚れたものを、裡に入れたくないのならね。』
[一度顔をあげると、忠告を告げてから、女口からローターが落ちそうであれば、指先で押し戻し、口淫を続ける。
時折、裡だけでなく、2枚の花弁に何時もは守られている肉芽を舌先で突き、上唇と下唇の間に挟み、軽く歯をあてる。それは反抗すれば、噛み落とされるような恐怖も女に与えることだろう。
心寄せない男の愛撫でも女のそこは濡れるのだろうか。濡れずとも、男の唾液によって受け入れの準備は整うことになるが……。]
『口に入れたものを、だしなさい。』
[顔をあげたルーカスの口の周囲は、まるで獲物を喰らった後の肉食獣のように血がこびりついていた。それは女の破瓜の血。
女の口からローターを取りだすと、それをぐっと女性器の奥へと詰める。二枚の花弁を合わせて指先でつまみ、それを押しとどめながら、男が手にするのは太めの針とラバー状のものだった。]
んー…。
じゃぁ、No,1に、2pt。
[酷く低いポイントをいれるのは、
彼女にもそのポイントが知れると、判って居るから。]
イイ度胸ですねー。
みんなが遠慮しあってる間に、最低限で掻っ攫っていく。
買い物上手ですね、お客様。
太っ腹とは正反対ですけれども。
……奥様は帰られたわけではないと思うのですがね。
さて、こんなにお安く競られて、
お客様はお黙りになったままで?
[くつり、ルーカスに挑発するような口ぶり。]
そりゃぁね。
ポイントは大事につかわないと?
[くすくすわらい、呟く。]
[道化の言葉に肩を竦める。]
まぁ、例えば、ヴェスパタイン殿が、No.4を欲しいと思われたとしたら、この状況だと私は確実に負けるでしょうね。
[この言葉は、志乃にも判りやすいよう、ゆっくりとした英語で紡ぐ。まるで、志乃が願わないといけないのは、ルーカスだけでなく、ヴェスパタインにもなるだろうと、謂わんばかりに。
どのような状況も、愉しもうと思えば愉しめるもの。
むしろ、愉しみを見いだすのが客なのだろう。
故に、今のところ無駄に競り合うようなことはしない。
面白いと思えば、点数を捨てる気でかけることもあるかもしれないが、さて時間的にいかがであろうか。]
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[白い貌を染める赤い色。 舌に残る痛みと血の味は、あの色をそっと舐め取る妄想。
戯れにでも、点数が入った事に胸は高鳴る。 少なくとも他のものよりは、間違って手に入っても構わないのだろうから。 きっと、いま本当に手に入れたいのは違う者なのだろうと思うけれど。 茶番でも構わない、ほんの僅かそう思ったのは否めない。]
(132) 2010/04/09(Fri) 23時半頃
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[鳴り響く電話。それは彼女以外がとることを許されず、けれど彼女がとる意志も持たず、なり続けている。
いつかそれは止まって、扉を隔てた寝室にも、かすかに届いていた音が止んだ]
ん、……。
[差し入れた舌は彼のそれを求め、絡みつく。唇を数回合わせ直して、やがて吐息と共に離れた。
伝う糸を舐めとり、イアンの唇を啄ばんだ]
ねえ。もう、ずいぶんと熱いのね。
……服を通してても、わかるわ。
[視線はイアンの眼を見つめたまま、右手で背骨を下って腰を撫でる]
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[そのまま決まってしまったことに、きょとんと意外そうな顔をした。
けれどもきっと、それ以上に愕然としているのは買われようと必死になっていた少女の方か。]
…ワタクシで、よろしいのですか? [未だ必死で耐え続ける娘を責めていた杖を、屈強な半裸の下男へと受け渡し、戸惑った様子で道化の方を見た。]
(137) 2010/04/09(Fri) 23時半頃
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― 現在軸/客席 ―
[願いは、一先ずは、タイミングがあっていれば、水責めを遠まわしに止めるという形で叶えられたか。
――逆らわない、女のその言葉はしかと男の耳に届く。
女の枷は、道化の部屋の一件で外されている。
襟元を握る手に、灰青の視線を落とし、何か声をかけようとするも、その後のゴタゴタで彼女への遠まわしの答えはに。
云い終えた後、舌先で涙の痕を舐めとって、女の耳元に無理難題を囁く。]
『君が逆らわないという約束を代償に
彼を私が買い取るという【努力】はしよう。
でも、知っての通り、私の手持ちは2000ptしかないからね。
私に願っているばかりでは、どうにもならないかもしれない。
私の機嫌を損ねないように、ヴェスパタイン殿の機嫌も取る努力はしなさい。』
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