170 白峯異聞
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…そう、なん?
ならええんやけど……
[噎せ返ったのだろう、咳き込む声が聞こえて思わず目を見開いた。
煩くしていなかったなら、それでいいのだが。
短く返された言葉には苦笑を浮かべる。]
う……それは、自分でも分かっとるよ…。
…先輩、呆れた?
[我儘だと言われ、言い返しようのない表現にうっと言葉を詰まらせて。もしや呆れられたかと、先ほどとはまた別種の不安が胸に積もった。]
――……っ、…先輩…。
………ありがとう。もしそうなったら、頼りにしてる。
[宥めるような優しい声。それを聞いた途端、胸に安堵が広がって行く。
不覚にも涙腺が緩みかけたが、何とか耐えた。
少し声が震えたのはバレてしまったかもしれないが。]
呆れた。
―――……って、言ったらどうするの?
[ 不安げに問う彼女に小さな意地悪を。 ]
…『 大切 』が難しいんだろ
[ 「 俺にはわからないけど 」と
無線が拾えない程の小さな声で呟く。
自分にはわからない感情を彼女は抱いていて。
自分できるのは話を聞くぐらい。 ]
…あとで飯食うぞ
[ 震える声に気づいていたけれど、
何故だか触れない方がいい気がして。
初めて見る弱気な櫻子に戸惑いは隠せないまま。 ]
……どない、するやろ。
でも今、一瞬すごい怖かったから。不安でオロオロするかもしれんね。
[呆れたと聞いて>>+26、本当に心臓が跳ねた。
信頼していい仲間だと分かった彼に失望されるのが怖いのか、理由は分からないけれど。
"大切が難しい"。
その言葉には、彼に見えないと分かっていても頷かざるを得なかった]
……おん? ご飯?
…はいな、後でそっち向かうな。
[今までの会話とは一転したご飯という単語に少し呆けるも、クスクス笑いながら肯定の返事を。]
…怖い?
[ 思いもよらぬ回答に目を丸くする。
どういう意味で言ったのか全く検討もつかないが、
「 ごめん 」と小さく漏らし。 ]
俺が行くからそっちが落ち着いたら連絡して
[ 笑っているような声に、一瞬、眉間に皺が寄るも、
笑い声につられたのかすぐに穏やかになり、
微笑んでいるようにも見えた。 ]
…あ、別に謝らんでええよ?
先輩なんも悪ないし。
[小さな謝罪に、慌ててそう付け加える。
首をぶんぶんと横に振ったせいか、隣にいた三下がぎょっとしたようにこちらを見て来た。]
ん、分かった。
ほなまた後で、連絡するな。
[そういうと、何もなければ一度無線機の電源を落としただろう。]
|
…………。 そういう時は、申し訳ないっすね。 そういう手段しか執れないことが。
[やられる側の言い分には、ただそれだけ応えて。>>34 無線機に呼びかけようとした瞬間、向こう側から声が聞こえた>>32]
こちらリーっす。3階にいます。 放送、聞こえました。屋上、できれば行きたいっすけど……、
[ぼんやりとした、まだショックが抜けきらない声を返す。 応答の途中で紗枝の姿が見えると、少し頭を下げた。 彼女と合流した事も無線機で伝えると、心ここにあらずといった体で、二人が話すさまをただ見ていた]
(49) 2014/03/20(Thu) 18時頃
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……うちっすか?
[不意に話を向けられると、顔を上げる。二、三瞬いて]
うちの力だと、飛び道具としては使えないっすよ。 何かちゃんとした可燃物か、異能をとどめ置ける魔道具みたいなものがないと、炎にならないっす。
[煙草は前者に当たり、棍は後者に当たる。 もう少し強い力があれば、遺体を火葬する事も出来たのだが]
(50) 2014/03/20(Thu) 18時頃
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[返答を聞くのが先か後か。 黒い、餓鬼のようなものが窓を突き破る]
こいつ……、
[闇が溶けたような外見に、櫻子の力を想起して唇を噛んだ。 不快な水音が、耳に響く]
援護は……必要なさそう、っすね!
[背後を警戒しながら紗枝の元へと一歩、踏み出した直後。 闇の影が数体、彼女へと飛びかかる]
(51) 2014/03/20(Thu) 18時半頃
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りょっかい、っす!
[二つに溶けた闇の影の一撃を、棍で受け止める。予想以上に早い。>>56 棍に纏う炎が、黒に浸食されるような感覚を受ける。床に叩きつけるように振り下ろした。 伊那の援護はあったか。彼の射線を出来るだけ遮らぬように、打撃を続けていく]
この……っ!
[吹き付ける風に負けぬような一撃を叩き込む。 びちゃんと音を立てて、朱に溶けるように分身は消え去った。 直後、紗枝の声に慌てて後退する]
さすが、派手にやるっすね……。
[感嘆と諦念が入り交じった声で呟く。味方にすればこれだけ心強い戦力もないだろう。 ひょっとしたら彼女も――、という考えは、心の隅に追いやって]
(63) 2014/03/20(Thu) 22時半頃
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なんとか。これ、侮れないっすね。
……何かの力の結晶、っすかね。
[振り返る紗枝に答える。 彼女が拾い上げたものに、首を傾げつつ]
ところで、さっきの話の続き、っすけど。 結界の弱点か何かを、見つけたんっすか?
[自分にも出来る事があるならば、と。 真剣な表情で、話の続きを促した]
(64) 2014/03/20(Thu) 22時半頃
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考え方は分かったっすけど……、どう隙を作るかが、難しいっすね。
[半分ふざけた提案のように思えても、表情は真剣なまま。 彼女の言葉を反芻しながら、ふと、思い至る。 真下。煙。]
伊那センパイ。 テレポートで、横じゃなくて真上にものを飛ばせるっすか? 直接攻撃以外が通じるなら……、真下から屋上の上にテレポート、できます? 運ぶのは……何があるか分からないから、人じゃなくて。 消火器とか、衝撃を与えると壊れて煙幕になるようなものを、屋上の上に飛ばして落として。 その隙に。
海音寺センパイと戦うんじゃなくて、少なくとも、屋上にいる奴らを散らす、防護壁を壊す、くらいならまだ……、だめっすかね。
[最後の方は自信なさげに、声が小さくなる**]
(78) 2014/03/21(Fri) 00時頃
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To : 櫻子
From : レイ
―――――――――――
屋上が真っ白な景色に
なるのが見えた
大事な話があるから
死なせないけど
[ 送信してから『 大事な話 』なんて表現は
大袈裟すぎたか、と小さく溜息。
休息の睡眠を取りたいがさて、
バレずにとれるだろうか。 ]
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――三階――
……それなら、よかったっす。
[ぼさぼさの頭を撫でられて、気恥ずかしそうに目をそらす>>79。 歩き出す面々に習い消火器を探すが、なかなか見当たらず]
防災用品は……確か、一階に。案内、必要っすか? いらなければ四階探してくるっすけど。
(90) 2014/03/21(Fri) 11時半頃
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[探索の途中に、無線機を取り出す]
鳳センパイ。リーっす。 こんな案があるっすけど……、
[消火器の事を報告する。用件だけ簡潔に伝えた後]
さっきは、ご心配おかけしました。 もう、だいじょうぶなんで。戦えるっす。
[先刻よりもしっかりとした声で告げる。 問題を後回しにしただけとも言えるが――覚悟はあった]
そちらに何か動きは、あるっすか?
(92) 2014/03/21(Fri) 12時頃
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……亀吉くん。 よかったっす。生きてて。
[聞き覚えのある声の方へ、振り返る。 少し安堵して、頬を緩めた]
防衛側、っすよ。 今じゃこっちがレジスタンスみたいな立場になってるっすけど。 何か証明みたいなことができればいいっすけど……、 こんな状況だと、難しいっすね。
[自嘲するように笑って。 そういえば彼は櫻子の幼なじみだったと、途中で気まずくなって言葉を濁す]
捜し物は……。
[素直に言うべきか。判断に少し迷って、二人を見た]
(93) 2014/03/21(Fri) 12時頃
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『宛先:鳳先輩
差出人:櫻子
屋上が真っ白?
よう分からんけど、了解。こっちでも気ぃ付ける。
ん、うちも死ぬつもりはあらへんよ。
大事な話はちゃんと後で聞く』
[白い景色とは一体なんだろうか。
外からの異能による攻撃は防げるはずなのだが――と、まさか消火器を使われるとは考えもしない櫻子は首を傾げるのだった。]
|
……? ああ、"見え"たんっすね。 よかった。
[それなら消火器も無事見つかるだろう、と息を吐く。>>94 レイの未来視がどの程度の確度があるかは知らないが]
考えなしに襲撃しても返り討ち、っすか。 ともあれ、鳳センパイが無事でよかったです。
[櫻子のことを聞いた時には、言いそびれていた言葉を告げて]
寝る暇、なくなっちゃったっすね。 ……この案が上手く行ったら、煙草の一本くらいは吸えるといいんっすけど。
[何回か、彼と喫煙所がかち合ったときのことを思い出して、無線機の向こうで遠い目をした]
(98) 2014/03/21(Fri) 14時半頃
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おたがい、面倒なことになったっすね。
[並ぶ自嘲に、表情が曇る。>>97 何となく、彼は信じられるのではないかと思いながら。 おずおずと、言葉を付け加える]
うちらも、屋上に戦いに行こうとしてたっす。 そのために必要なものを、今、取りに行こうと。
[ちらりと秀真の方を見て、単独での回収を視線で頼む。彼ならば、見つかればすぐだろう。 作戦は言わずに、けれど目的は同じと告げる形]
(99) 2014/03/21(Fri) 15時頃
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―――――――――――
To : 櫻子
From : レイ
―――――――――――
消火器らしい
あっちも視界が狭くなる
さりげなく応戦する
[ まるでスパイのような自分の行動を嘲笑する。
―――全ては、世界の混沌のため
鍵の在処を知っている者は見つけた。
あとは場所だけ。
楽しみで、楽しみで。
見える未来が赤に染まる日を夢見て―― ]
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――三階――
[櫻子のことが話題に出た折、ふと放送を思い出して]
……"鍵"、ってなんなんっすかね。 そんなもののために、海音寺センパイは。 誰が知ってるかも分からないまま、被害者だけ増やしてるみたいに見えて。
[視線を冬麻から外し、独り言のようにつぶやいて]
(101) 2014/03/21(Fri) 15時頃
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――三階――
……厄?
[冬麻の何かを知っているような口ぶりに、思わず聞き返す。 答えが返って来ずとも、深追いはしないけれど]
[やがて消火器と共に秀真が現れると、頭を下げて]
ありがとうございます。 じゃあ、ここで分かれて、5分後に……で、いいっすか?
[作戦を確認次第、すぐにでも屋上に向かう心算*]
(108) 2014/03/21(Fri) 19時半頃
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――三階・無線――>>100
そっすね。 後でゆっくり、させてもらうっすよ。
[きっと今は眠れない。何かしていないと落ち着かない。 レイの余裕は知らぬまま、なるべく元気そうな声を出して]
……じゃあ、一旦、切るっす。 また、後で。
[告げて、無線を切ると小さく息を吐いた。 ポケットの上から煙草の箱に触れて、すぐに離した*]
(110) 2014/03/21(Fri) 19時半頃
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『宛先:鳳先輩
差出人:櫻子
了解や。
一応、風を使える部下は置いといたけど…正直使い物にならんやろうし、頼りにしてる』
[それにしても消火器を選ぶとは。
大方煙で屋上から出すつもりなのだろう。やすやすとハマってやるものかと独り言ち。]
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――三階・少し前――
…………。 つまり亀吉くんは、解放側の人達に狙われうるひと、ってことっすか。
[それ以上は、詳しくは聞かぬまま。>>111 ただ彼がこの状況において重要な人物であることだけを留めおいた。 同行は止めない。止める権利などないからだ]
[言葉を濁した案を、紗枝があっさり説明すると]
何か……上倉センパイが余裕だと、安心するっすね。
[苦笑をこぼして、頬を緩めた]
(116) 2014/03/21(Fri) 22時頃
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――四階踊り場 →屋上――
[そのまま、四階に向かう。 途中の階段にひしめく遺体に顔を歪めつつ、足を止める事はない。 レイと合流して、ゆっくりと、屋上への扉を開ける。 そこには何が見えたか。櫻子の姿を認めれば、唇を噛みしめて]
ほんとに……そっち側なんすね。
[ぽつり呟いて、棍を強く握りしめると前に出た]
(117) 2014/03/21(Fri) 22時頃
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[明るい挨拶に、答える事は出来なかった。 こぼれた笑みに、表情は硬いまま]
……そっ、すか。 そうなんですか。最初から。 ずっと、騙されていたんっすね。
[黒い翼。瞳にちらりと見える赤い色。 自嘲するような、泣くような笑みを浮かべ。 ちらりと腕時計を確認しつつ、棍を構える。自分の力で突撃はできない。 後、十秒]
(121) 2014/03/21(Fri) 23時頃
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……え?
[小さな声を、辛うじて耳に捉えた瞬間。 七つの赤い筒が、宙に舞う。感傷は消え、現実に引き戻される。 落ちる瞬間、既に駆け出す。 あらかじめ記憶した、敵の位置に向かって突っ込んだ]
[傍らで立ち尽くす部下らしき人影に腹部に一撃。腰を折った所に頭を打つ。結界を考慮して炎は出さない。 風が、吹いた。誰かが跳ぶ影を尻目に、櫻子の側面に潜り込む。 翼を穿とうと、棍を突く]
(130) 2014/03/21(Fri) 23時半頃
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[粒子に代わり、棍は空を切る。 そのまま粒子を薙ぐと、今度は脚へと踏み込んだ]
そんなの、 みんなっ、死にたくないから、っすよ……!
[しかし捉えるよりも先に、黒き剣が落ちるのが見えた。 横に転がるも、刃が肩口を裂いた。 浅くない。口の端から小さく悲鳴が漏れる]
(136) 2014/03/21(Fri) 23時半頃
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