3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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『違ウ』
『違ウヨ』
『ダッテ、ソウシナイト――ガ――サレチャウヨ。』
『ダカラ、コレハ罪ジャナイ』
『かるねあですノ舟板』
どこ
――何処、 って
[此処 では ない 何処か それは]
おにの、 いる ところ…?
[大体の事を聞ければ、聞いて。
何かを押し殺しているような声と、周りの状況説明に]
……わかった。
気をつけて。
[何があったのかまでは分からない。
けれど少女の声と、
恐らくビー玉で繋がったクラスメイトの言葉で
何かがあったと、推測した。]
だいじょう ぶ
み んな いっしょに
つ れて いって あげれ ば
――……寂しくはないから
[しん、しんと。静かに。
雪が降り積もっていくように。
精神が侵蝕されていく。]
…… 送って?
[どこに。それはおにのいるところ?]
あげる。
そこにはあの子が居る から。
きっと寂しく なんて
[ない。]
板。
――振り落としても
罪では
な い?
[帰りたい 帰れない 帰りたく]
――……、…さみしく
な、 ――ぁ、
こい に やぶれた こ
かわいそ う
うらぎられる な ら
夢なん て いらな い のに
ね
いら、
な… ぁ、
――いらな、い…?
……
[だれだ、ろう。]
こ い ?
[ふ、と、意識が向く。
向いた意識は、少し沈んだようにも。]
……、…… 期待なんて持たなければ。
裏切られも、しない さ。
|
[ピッパはどんな反応をしていたろうか。 ただ、徐々にしたたり落ちていた血液が彼女の服に触れそうで。それを許せば、あの痛い声の主にピッパが攫われてしまうように思えて、生理的に嫌だった]
……悪いピッパ、後で俺を殴れ!
[それが彼女を汚す刹那、無理矢理彼女の腕に触れた。 鉛筆やコンテばかり握っているため、タコの出来たふしくれた手指。重い荷物は担ぎなれている]
[彼女を引き寄せ、身を翻してくるりとひざまづく様に。 そのまま背中に担ぎ上げ、右手は彼女の腕を、左手は彼女の太ももを支える]
お願いだ。後でいくらでも受けるから、今は暴れないでくれ
[懇願するような口調で言った。 周囲が煩い。何を言っているか分からない異形の言葉。 それでもガンガンと頭の中を叩くそれらの声に引きずられて、集中力が端からこそげ落とされている。そこで足元をちらつく黒い影や、次々生まれる死者の幻影に蹴躓かずに階段を降りられる自信が無かったから]
[どこが安全なのか、さっぱり分からない。 それでも無意識に教師を頼る。 先ほど抜け出した集団がいるだろう職員室へ、ピッパ担いで一心不乱に駆けてった]
(74) 2010/02/27(Sat) 02時頃
|
……。
[恋も、夢も綺麗だと。]
……綺麗だって
思いこみたいだけ なんじゃ ない?
[きっとさ。
呟くように、して。]
―― ……ッ。
[訊ねられて、詰まる。
逡巡の後、静かに。]
そんな もの
[ほしい。
ほしい。 ほしいの? ほしいの。
わからない。――混濁する。
ほしかったのは、
なんだったか]
――ばか、げ て る
[悪態は 小さく、むなしく響く。]
…… うる さいよ。
[悪態を、自分に向けてだと勘違いをした。]
|
― 南棟西階段下 ―
[道中死体を飛び越え、ふらふらになりながら駆け下りる。 直視はしない。できない。でも、段を降りるうちに慣れる自分がいた]
…………はぁ
[一番下まで降りれば、気が抜けたのか踏鞴を踏んで足がほんの少し空を切り、ぎりぎりで膝をつく。ピッパが降りたいならきっとその時に離れられるだろう]
無茶してごめん。嘘ついてごめん。本当ごめん。 でももう少しだから、頑張って。
[頭が痛い。いつもより息を切らせてそう言った**]
(86) 2010/02/27(Sat) 02時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/02/27(Sat) 02時半頃
――、…
[声が]
…、は…、……――
[小さく、自嘲じみて 笑った。]
…… ん。
[自嘲の笑みに、窘める様な口振りに。短い声の後。]
――
[意識が揺れて。
暫く、してから。]
…… そう だね?
[ほんの幽かに笑った。]**
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/02/27(Sat) 07時半頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2010/02/27(Sat) 07時半頃
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―― 回想 南棟西階段下 ⇒ 階段脇倉庫 ――
[背後から追われている気がする。 それは本当に追われていたのか、死体からしたたり落ちる血液の流れがそんな幻想を抱かせたのか、分からない]
[必死で逃げる途中、耳元でピッパの声が何かを言っているのが聞こえた。でも、それは周囲の雑音と、この異様な情況に頭の中にストックされただけでまだ意味をなしていなかった]
……いや、平気。ピッパは軽いから、無理はしてないよ。 それにこうも急に五月蝿くなっちゃ、ああなるのも仕方ない。
[自分に聞こえているものが、彼女にも聞こえていると思っての言葉。背後をうかがう彼女に合わせて、薄闇に溶ける上階を見上げた。気配がまだ追ってくるのか、判断がつかない]
………誰?
[喧騒の中、1Fの廊下からフィリップが自分達を呼ぶ声が聞こえた気がして、ゆっくり向き直ろうとして]
へ? あ、お、おう。
[急にピッパに階段脇倉庫に引っ張り込まれた。 彼の声が含んでいたピッパへの想いも気づかないまま]
(108) 2010/02/27(Sat) 07時半頃
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―― 階段脇倉庫 ――
[ピッパが倉庫の扉に背を当てて、外の様子を伺っている。 とりあえず、ここに影や死体がないのを手探りで確かめて]
ピッパ、今、そこで……
[フィリップの声がしたことを伝えようとして、止められた。 小声で彼女が話を続ける。 高い位置にある廊下の小窓から差し込む幽かな光。 大分目が慣れてきて彼女の動作や輪郭はぼんやり見える]
……言ったな。殴っていいよ。屈む?
[彼女の隣、扉の横の壁にもたれるようにして息をついた。 言葉どおり、覚悟を決めて彼女を見下ろした]
(109) 2010/02/27(Sat) 08時頃
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…………は?
[ところが、軽く身をかがめた自分に触れたのは擽る様な手つき。 そして熱をもった囁き]
え? ピッパ、おちつけ。おちつ……
[情況が読めなくて、出遅れた。 困惑したまま、彼女の肩に触れる 彼女のくすくす笑いが、急に異界のもののように聞こえた]
(110) 2010/02/27(Sat) 08時頃
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ごめん待ってピッパ。どうして今そうなるのか分かんねぇ!
[小声で、でも切実な悲鳴を上げて彼女の肩に触れた手にぐっと力をこめた。動揺と恐怖であまり上手く力が入った気はしないが]
(112) 2010/02/27(Sat) 08時頃
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