17 吸血鬼の城
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良家の娘 グロリアは、長老の孫 マーゴの顔に見覚えがあったかなかったかと、少し首を傾げた。
2010/06/20(Sun) 17時半頃
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ミサ? あれが、ですか。
[ヘクターの答え(>>288)に遥か御堂から音だけが耳の届くパイプオルガンの音色(>>273)には関心を改めて示さず、従ってそちらへは表情を一切動かす事も無く、ただ目の前の事象――扉と二人の男女の姿を若干愉快げに眺めていた]
キャンベル家……ああ、麓町のキャンベル様ですね。 マーゴット様と言えば確か。
[箱入り娘と聞いていた。その本当の意味を知ることは無かったが、人前に余り出てくることはなかったのではないかと思い当たる]
初めまして。グロリア・バイルシュミットと申します。
[恭しく一礼]
(290) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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……意地悪な私は、嫌いか?
[からかうように吐息混ざる笑みを送る。
彼女が己に逆らうなど、考えぬ風]
私に、見せてくれ。
お前に懸想した
哀れな男が壊れ朽ち行くさまを。
[彼女の沈む様子とは裏腹、愉しげな聲が囁き響く。
先に待つ仄暗い悦びを思い、ひとりほくそ笑む*]
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旅していたら霧が濃くて… 御者さんが道を迷ってしまったみたい。
[恭しさも何処へやら。途端に砕けた口調でマーゴに問われた事(>>286)に答える]
朝は四本。 昼は二本、夜は三本―――じゃあ、今は?
[そしてそのままヘクターの隣に歩み寄ると、開かずの扉を開ける呪い文を、錠前の番犬を追い払う言葉を紡ぐ]
いまのあなたは、なぁに。
(292) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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子供の頃聴いたうたとは違いましたもの。 ふふ、流れるのは同じ"うた"なのに、おかしな話よね。
[>>294で聞かれれば、耳に届くも何も響かずとかの演奏を切り捨てた。茶目っ気たっぷりにそう言って口元を抑えた手には何も無く]
ええ、そうなのよ。 これだけ霧が強いせいなのか、 日の光も月夜の煌きも遠くくすんだ空の向こう――
今の私達はいつを過ごしているのかしら?
ふふ、サイラスさん……おはようございます。 押しかけちゃってごめんなさいね。
[惚けた事を言いながら、ドアが開けばその向こうの相手には朝の挨拶をしてみせた]
(298) 2010/06/20(Sun) 18時頃
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御用があるのは、こちらのマーゴットさん。 マーゴさんでいいかしら?
[そうベールの向こうの顔に対して軽い調子で尋ねると、]
私は少し、休みますわ。 背中が少し、重いので。
[無論、ロビンのつけた影(>>241)に気付く事も無く、そう言って]
それでは皆様、御機嫌よう。
[自分の部屋へと*戻っていった*]
(300) 2010/06/20(Sun) 18時半頃
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――…嫌いになどなれません。
知っていてそんなことを聞くなんて……
[恥じ入る聲はまるで乙女の如く]
お兄様の望みとあらば……
[静々と了承の意を兄に告げる]
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― 自室 ―
[設えられた鏡台の前で着替えと、装飾品を付け替えていた]
『流れるのか時か、血か』 くろぉい、くろぉい、やみ♪ 『闇は人を溶かし、』 あかぁい、あかぁい、ち♪
『紅は人を溢していく。』
[化粧箱の奥に無骨な銀の指輪が鈍く光っていたが、特に目を向けることも無い]
『人は毀れ、人は消えていく』 あなたは、だぁれ? わたしは、だぁれ?
[支度を終えて立ち上がる。そこでふと鏡に映る自分を見、そこから首を曲げて背中越しに尋ねてから部屋の外へと出た]
(325) 2010/06/20(Sun) 21時頃
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良家の娘 グロリアは、本屋 ベネットの背中を見つければ、意味もなく後をつける。
2010/06/20(Sun) 21時半頃
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あら、見つかってしまいましたわ。
[樽から酒をくすねる片目の男により早く見つけられれば苦笑して姿を見せる]
うふふ、御機嫌よう。お二人さん。
(335) 2010/06/20(Sun) 21時半頃
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――…違う。
私は……人間のものになんてならない。
貴方のものなんかじゃ、ない。
止めて……
私をそんな風に呼ばないで。
[想いが震える聲となり密やかに響く。
否定の言葉は無論兄に向けられたものではなく
ただ過去に縋る憐れな男へのもの]
私をそう呼んで良いのは……
お兄様だけ――…
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Et sa chaude poitrine est une douce tombe Où je me plais bien mieux que dans mes froids caveaux.
[ワインを飲み続けるドナルドに、ニコニコとそんな詩の一節を送りつつ、彼の質問(>>337)に対しては]
あら、貴方はお城は初めて? 貴族趣味というよりはお城に牢獄は付き物ではないかしら。 ましては、こんな古いお城では、ね。
[歴史を紐解けば城主とその城の役割は…などという意味の無い講釈は垂れず、軽くはぐらかし、すぐ傍のベネットとドナルドを見比べて]
お友達、かしら?
[ベネットへの返答(>>342)代わりに、楽しげに尋ねた]
(343) 2010/06/20(Sun) 21時半頃
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[城主には届いている。
彼女に縋る哀れな男の声も、
痛みに揺らぐ彼女の聲も]
私のローズ
[重ねるように
男の声音を掻き消すように、囁く]
お前は私のモノ。
私の為に在る。
そうだろう?
良家の娘 グロリアは、小悪党 ドナルドの笑いに、自分も口元を抑えてくすくすと笑いを重ねた。
2010/06/20(Sun) 21時半頃
[城主の聲にはっとする。
紡がれた綴りは同じだというのに
城主からの囁きには安堵さえ覚えた]
お兄様。
[切なく響く聲]
私はお兄様のモノ。
お兄様の為に――…
[そう繰り返しながらも
胸の痛みはなかなか消えてはくれなかった]
良家の娘 グロリアは、記者 イアンとはまだ話していなかったわね、と唐突に思った。
2010/06/20(Sun) 22時頃
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あら、ありがとう。
[ドナルドの世辞(>>348)には笑顔で礼を言い、ベネットの様子(>>353)に仲良さげな空気を感じ取れば、静かに頷いた]
人様の物に手を出すいけない子を閉じ込めて反省させる為、牢が必要なのは今も昔も変わりませんよ。 ねぇ、城主様。
[闇から唐突に現れたヴェスパタイン(>>346)を見てそう声を掛けた]
(354) 2010/06/20(Sun) 22時頃
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そう、お前は私のモノ。
……私のローズ
人間に惑わされては、ならんぞ?
[囁きながらも、何処か其れすら愉しむ風に]
わかっています。
人間に惑わされなどしません。
[人間の囁きに心乱されながらも
惑わされてはいないと強く言う]
――…私を意のままに出来るのはお兄様だけ。
良家の娘 グロリアは、緊張感の欠片もなく、男達を見つめる。
2010/06/20(Sun) 22時半頃
そう、可愛い私の薔薇。
……食事を終えたら、私の元へ来るが良い。
口直しをやろう。
[己の血を分け与える行為を仄めかす柔かな声音。
吸血鬼の本能を強める為
己の下へ縛り付けておく為
今一度、あの極上の悦楽を共にと誘った]
――…嗚呼。
[仄めかされたその行為は女の望むもの。
込み上げる歓喜が女の聲を切なく震わせる]
記者と黒薔薇が傍におりますが……
滞りなく成し遂げてみせましょう。
愛しいお兄様のために。
黒薔薇か……あれは、
我等の食事を見る時
なんとも言えぬ顔をする。
[愉しげに笑い、何の問題も無いと囁く]
記者が居たとして、従者は何の為に居るのか
上手く使うと良い
愛しい――…私のローズ。
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あら、お知り合いでしたの?
[...はヴェスパタインの呟き(>>370)を聞けば、そんな感想を漏らす]
(377) 2010/06/20(Sun) 22時半頃
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折角だから黒薔薇にも見せてあげましょうか。
私の食事を――…
本当に気のまわる従者ね。
命じる必要がないくらいに……
嗚呼、少しだけ憎らしいこと。
[憎らしいといいながら
それは愉しそうに呟かれて]
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住み慣れた御本人にとっては詰まらぬものでも、 他所から来た人にとっては違ったように見えるものですよ。
[一人異なる空気を纏う自覚も見せず、ベネットやドナルドの様子も気にせず問いに対して(>>384)ただ単なる感想を述べる。その割には]
これだけ古い城ですもの。 どこだって、物珍しく、面白いですわ。
[自分が単にベネットをつけて来たなどということは言わない。それすら忘れているだけかも知れず]
(400) 2010/06/20(Sun) 23時頃
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嗚呼
其れは……良い、な。
[食事を見せ付ける
提案にくすくすと哂った]
憎らしいなら
存分に見せ付けてやるが良い。
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