75 サプリカント王国の双子
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民の願いすら問うことのできぬような狭量な者に 王女……いいえ、女王など務まりませんよ。
[髪を撫でられ、目を細める。花飾りに触れないのすら、優しさのように思えて。ほんの少しだけ切なく、嬉しかった]
…………。
[跪くエリアスを見て、自分もベッドから降りる]
(110) 2012/01/18(Wed) 01時頃
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…………本当は、王"女"ではないこと。 もう貴方はお気づきになられているのでしょうけれども。
それを承知の上で私に手を差し伸べてくださるのなら。 私も、貴方を想い愛することを誓います。
[エリアスの心に、手に、揺らぎがないか。 それを見定めるように数秒、待って。
それでも彼の視線、彼の表情、彼の全てが自分に向いていてくれたなら、その手を取った]
(111) 2012/01/18(Wed) 01時頃
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[雨に紛れて、涙がぽろり。
己も気づかぬ雫がこぼれた。]
[はじめにほんのかけらでも伝えられたら、よかったのだろうか。]
――愛していました。
[けれど、もう遅い。
呟きは雨にかき消されて、涙は雨粒に溶ける。]
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[重ねた手に口付けが落ちれば、ふわりと花のように笑う]
――貴方の願いは、今この瞬間から私の願いでもあります。
共に在りましょう。 ……物語は此処で終わりではありません、これからなのですから。
[正面に向かい合った彼の身長は、自分よりも少し高い。 ほんの僅か、見上げる形になって]
(120) 2012/01/18(Wed) 01時半頃
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ええ、貴方がそう仰るのならばきっと助かるでしょう。 私も信じたいと思います。
[未だ、病のことは知らない。 だが知ったとしても、手を取った今、揺らぐことはないだろう。 残された時間が短いのならば、その短い間で懸命に生きればいい。 彼が先に逝ってしまえば、きっと自分は悲しむだろう。 だけど、最後のその瞬間まで共にあることができれば、きっと、彼を主役にした物語は"ハッピーエンド"になるはずだ。
――ならば、後悔は無い]
(121) 2012/01/18(Wed) 01時半頃
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サイラスは、エリアスを見つめていた視線が、ふと、扉のほうへとそれる。
2012/01/18(Wed) 01時半頃
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[王女の部屋もそれなりに防音が効いている。 だが、壁では遮り切れない慌ただしさが廊下を満たしていた。
――シメオンは何処だ、ミッシェル様がお一人で向こうに、 そんな声が聞こえても来るだろう]
……シメオン……。
…………ハンスと同様、シメオンとも長い付き合いです。 疑いたくはないのですが、でも、それでも。 リリィが彼を傷つけたという点が、どうしても腑に落ちないのです。
――エリアスさんも。 リリィのことは、よくご存知でしょう。 あの子が人を傷つけたなどという話を、聞いたことがありますか?
(122) 2012/01/18(Wed) 01時半頃
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[彼が血の香を消すために行った工作が、結果としてリリィをよく知る者に疑いを招く結果になったのは皮肉だろう。 工作とすら、この時点では気づいていなかったが。
そして今回のハンスの件だ。こんな状況で、ハンスがよく知らぬ者を部屋に入れる訳がないのは解っている。顔見知りの犯行の可能性が一層高まった。 女王の部屋への入室が許され、庭に出ていても怪しまれず、警戒していたであろうハンスの部屋にすら出入りができる。 そんな人物はもう……彼しかいない]
ミッシェルには申し訳ないですけども。 シメオンには一度、詳しく話を聞く必要があるでしょうね。
(123) 2012/01/18(Wed) 01時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/18(Wed) 01時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/18(Wed) 02時頃
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