276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[ 私の棘が刺さる。
太陽を飲み込み夜が始まった頃の、お話。 ]**
[お互いをさらけ出して、言葉を交わし、手を伸ばして。
支え合って、立ち上がって、そして。
一年後。一ヶ月後。一週間後。明日。
この人の隣でそれをするのが自分じゃなくなった時、俺は二度目の失恋を、するんだろう。
それでいい。それが、いい。
凍てつかず、燃えもせず。苦しみを知らないこの心は、もう恋とは呼べないものだ。
薔薇の香りが失せた今、俺たちは無二の友になる**]
[理屈も正しさもあるべき形も考えず
友にそうしたいと思ったことをして、
求められるままに受け入れていた。
香りなど無くとも、二人は関係に名前を付けて
傷ませる思いをそれぞれに持ったまま、隣にいられる。]*
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