30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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ロビンは、ドアノブに手を掛け――
2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋― [カチャリ、とドアノブの回る音がした。]
(377) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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―何処か―
[蒼薔薇に精気を注ぎ続けてきた躯は、かなり呪いを進行させつつある
既に肩の茨の棘は赤から紫に、紫から蒼へと色を変えて
呪いを移さねば、持ちそうもない―――……]
セシルは、ドアの音にはっと顔をあげる。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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[中庭にある、とある時期にしか咲かないといわれる蒼薔薇の木。 ゆえに、咲いたことも知られず、花は散ることのほうが多かった。
だけど、蒼薔薇は、それでも咲き続けた。
そう、咲き続けた蒼薔薇はやがて魔精の木となり、 いつからか、その薔薇園で淫らな行為をする生徒の精気を吸い取る者となっていた。 だが、それは同時に、それほどまでの恍惚としたその香りを生徒たちに与えて……。
それは均衡を保っていたのだけど……。
でも、そんな蒼薔薇にも滅びの時がきたとき… 蒼薔薇は、それでも咲き続けたいと願った。]
(378) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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フィリップは、医務室に辿り着いたのはドナルドが先か、それともフィリップが先か。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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だから、人のように、食うことにしたんだよ。
でも、いいでしょ。 気持ちよくなって、僕も咲き続けられる。 僕は貴重な蒼薔薇だから、
人を何人か吸い尽くしても、問題はないよね?
[青薔薇は笑うように告げただろう。*]
(379) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋― [開いた扉の向こうには、着替えの衣類を持ったロビンが立っていた。 薄明かりに浮かび上がる、アンティークドールに似た白い貌、 少女のように紅い唇の端がうっそりと吊り上がり、淡い笑みを形作る。]
(380) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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―医務室― [入った医務室は夜の淫靡な乱交を知らない 翡翠にとっては何時もと変わらない光景で。 強い香がもしかしれば残っていたのかもしれず、 けれどもとうに麻痺してしまった身体にはわからない。
運悪く血がよく出る場所に当たってしまったらしい、 医務室に来るまでの間にも掌から血は滴って。 床に零すわけにもいかず、また赤い舌覗かせ舐め取り。
消毒薬はどこにあるのだろう。 掌を口許に引き寄せて、少し不自然な姿勢のまま 目的のものを探す。]
(381) 2010/09/07(Tue) 21時頃
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―屋根裏部屋― [セシルの唇を借りて、蒼薔薇が語る事のあらまし。 セシル自身へと為される説明を、顔色ひとつ変えずに聞き、喉奥に笑いを溜めて呟く。]
――そう。そうだったんだ。
[それは実に楽しげに。 彼は、きつく薔薇の香る物置部屋に足を踏み入れた。]
(382) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時半頃
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[二階の部屋からだったせいか、少し遅れてその部屋へつく。 深夜の宴の痕跡は無く、まるであれは夢ではなかったかと思うほどに。
部屋を任されているはずの人の姿はなく…]
…あー…いいっすよ先輩、俺が捜すから。 休んでて…。
ベネさん、戻ってきてないんかなぁ… [高い視線であれば他の者よりは棚を捜すのも容易。 消毒薬と脱脂綿、ガーゼと…
床に落ちていた、細く紐のように撚った包帯。 ぬるりと粘液のついたそれをみてギョッとし、慌ててくずかごへと捨てた。]
(383) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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…どうしたんすか、こんな……
[深く刺さったような傷を、ガーゼで上からしっかりおさえて。 多少簡単な応急手当は、以前いた所で教わっていたから。
赤く汚れた手と、翡翠の目の彼の口許。 その鮮やかさと部屋に染みた薔薇の香に、ぼうと頭の芯が痺れて。
隻眼の視線は、血濡れた唇から離せない。]
(384) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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―浴場― [自室から着替えを持ってきて浴場へ 服は脱ぎ捨てこびり付いた全ての饗宴の名残を洗い落とす。 それでも薔薇の匂いは纏わりつき]
……移さねば、もう、持たねぇな…
[大きな姿見に映る裸体。肩の茨の棘は紫から蒼へと変化しつつあり 胸へ、背中へとその棘は広がりつつあった
それでも、この思いは …――遂げられるかどうかも分からない身勝手なもの。]
[何もなかったようにタオルで水滴を落として洗い立てのくしゃくしゃの プラチナブロンドを震った。 ラフなシャツにカーゴを着込むと。棘は未だ外見からみえねど、 そうなるのも時間の問題かも知れない…]
あいつ、未だあそこにいるのかな――…?
(385) 2010/09/07(Tue) 21時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時半頃
セシルは、>>380 白く浮かび上がる、人形のようなロビンに眉を寄せる。
2010/09/07(Tue) 22時頃
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─屋根裏部屋─ [悠然と部屋を横切って、セシルの側、窓を覗く。 丁度薔薇園が良く見下ろせる位置。]
……ああ。ここからだと、薔薇園が良く見えるね。 さっき水遣りしてたの、フィル先輩だったのかな。
[さり気ないふうを装う声は、朗らかな響きなのにかすかな揶揄の色を帯びる。]
(386) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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―医務室― [ドナルドの声が聴こえたのなら振り返って。 笑む翡翠は室内では普通の色にも映る。]
そう?じゃあ、お願い… あんま来ないからわかんなくってさ。
[近くの椅子に座って、ドナルドが包帯を捨てる姿には 不思議そうに首を傾げたけれども落ちた包帯なんて 手当てには使えないからその行動も特に気にせず]
ああ…ベネット、あの後手当てにきたんだ。 大丈夫そうだった?
[ドナルドの考えているベネットの姿と翡翠が思い描くベネットの姿。 そこに時間のずれがあることも気付かずに シャワー室の後は医務室に向かったのかと、勝手に解釈して。]
(387) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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……ぃ、 …
[手当てが始まり、他人から上から押されると 自分で抑えるよりも痛くて掠れた声が零れる。 緩く眉を寄せて、棘の刺さった場所を見つめて]
…真似して潰してみてたんだ。 壊れたら…どうなるのかなって…。
――…綺麗、だったよ…
[あの時の血の色の硝子球を思い出すと、 手当てをされることが少し勿体無い気もして。 隻眼が此方を見つめていることに気付くと視線をあげて。 翡翠と隻眼がかち合うと、翡翠が、赤い口許が笑みを描く。]
……嫌い、なんだっけ…?……あか、 それとも、薔薇の方…?
(388) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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─ 自室 ─
[朝日の差し込む窓辺から外を覗くと、薔薇の木々が見える。]
フィリップ先輩、相変わらずマメだなあ。
[薔薇の手入れをする上級生への悪意や嘲弄の念など全くない笑いが浮かぶ。]
[窓ガラスに映ったその表情は、亡き人の笑顔を写し取ったかのようで。]
(389) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時頃
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[笑みの形へと歪む赤から目を離せぬまま。 傷口を押さえている格好は、手をとっているようなもので。]
…あぁ、嫌いだ。 綺麗すぎて、目立ちすぎて…
無くなっちまえ、って…思う。
[握った手は離さぬまま、背を屈めて近づける顔。 その唇を彩る赤を拭い去ろうとするのは熱に浮かされた舌。]
(390) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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[ところで廊下でのディーンの心裡をサイラス自身が知ったら 普段ならよほど俺は信用ないんだなとしょげるところだろう。 尤も。茨に囚われ始めている、今なら。否、ディーンの火遊びを 知っていたら――…。
俺とお前、求められたものに返しただけだ。お互い同じだろう? そう返すに違いない。お互いある意味では特別な相手なのだろうか。 奥底の恋慕を自覚し始めた今。少なくともサイラスには ただ一人の、願いを叶えて欲しい相手。もっとも身勝手すぎて 既に拒絶された今ではどうなるかわからない。 狂おしく相手を壊して、相手に壊して欲しい――…。
その願望は、薔薇の呪いを深めるのには十分すぎた――…]
(391) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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― 屋根裏部屋 ― >>386 [いきなり入ってきたロビンに眉を寄せたあと、カツリカツリと入って、セシルが座った上の窓を覗き込む。]
――…フィル、先輩……。
[揶揄られた声でも、そこに出た名前に視線をあげ、声が漏れた。 そうか、水遣りしてたのか、と。 さっき、気づけなかったのが、せつない…なんて。
蒼薔薇の話で、それどころじゃないのに。]
(392) 2010/09/07(Tue) 22時頃
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サイラスは、ラルフの部屋へ向かう足取りは随分ゆっくりと。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
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─屋根裏部屋─
──そう言えば。
昨夜はありがとう? お陰でとっても気持ち好かったよ。
[視線を上げたセシルの青灰の眸、真っ向から覗き込んで嫣然と嗤った。*]
(393) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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― ランドリールーム ― [ベネットの唇に唇を寄せた直後のこと。 ガタリと背後で扉の開く音が響く。 流石に、はっと身を翻せば、そこに在るのはセシルの姿で。 驚きに眼を見張るものの、相手が《友達》となった少年であればこそ、あえて後は追わなかった。]
……、……―――。
[さりとて、そのまま続けれるほど図太くもなく。 そして、我に返ったというところもある。 そう、此処では何時誰に見られるか、判らないのだと。]
とりあえず……どうするか……―――
[改めて、洗濯機のスイッチを押すと、珍しく歯切れの悪い言葉を落とし。]
一先ず、洗濯機の回っている間に、シャワーに行ってくる。 ベネットはどうする?
[問いを向けた後、廊下へと出た。]
(394) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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…綺麗な色なのに。
[そう呟くのは硝子球の赤と青を思い浮かべて、 中庭の赤を思い浮かべて、 手の中に残る傷の赤を思い浮かべて、 目の前の赤い髪を見つめて。]
――…っ ド ナ…
[見つめれば近づいてくる隻眼、避けることはなく…できず、 痛む手を捕らわれてしまっている、引こうとすれば じんと響く痛みに硝子に似た翡翠が細まり閉ざされる。]
……ぁ、
[熱い舌に、触れられると目を閉ざした瞳の先に映るのは 隻眼の後輩とは異なる、古い、新しい、甘い交換の記憶。 意図せず、陶酔するような熱の篭る吐息が零れた。]
(395) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
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―ラルフの部屋前― [扉を叩く音は随分と緩慢。確実に呪いは身体をじわりじわりと弱らせつつある。 返事は返ってきただろうか]
…おーい。ラルフ、いるかー? すまん、そこにディーンもいるのかー?
[出てこないようならと、微かに扉を覗き込む。薔薇の呪いと、もともと 匂いには強い性質が災いして。微かな情事の残り火を嗅ぎ取ってしまう。 ラルフがすぐに起きてこなかったのもそれを裏付けるようで。
しかりと、下唇を噛む。微かに熱が上がり、また知らぬところで棘が蒼く 広がろうとしている]
(396) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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[窓に映った笑顔は、しかし直に曇った。]
トニーたち、もう起きてるかな。
[出来れば朝食前にでも、二人の手当をしないと。
──もしも、ユーリーが未だ目覚めていなかったなら、運び手も必要だろう。]
行かなくちゃ、な。
[クローゼットに歩み寄りながら、パジャマのボタンを外し始める。]
─ 自室→トニーの部屋 ─
(397) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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ラルフは、サイラスの呼びかけに、再び閉じていた目蓋をあげてゆっくりと瞬きをした。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
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[悲鳴がごとく漏れる声と、陶酔の熱を孕んだ吐息。 それがどうしようもなく劣情を煽り、頭の芯を痺れさせる。
口づけの甘い悦楽は未だぎこちない覚えたての… 舐めとった鮮やかな赤を味わい、もっと欲しいと唇を塞ぐ。]
(398) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
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>>393
[とても気持ちよかったよ、と昨晩のことを語るロビンに、それを夢としか認識してなかったセシルは戸惑う。
そして、裡で、蒼薔薇はくつりと嗤った。 蒼薔薇で出て、ロビンと会話するのは今のセシルの状態ならば容易い。 だけど、あえて蒼薔薇は出ない。
出ずに、セシルにそのまま、ありのままを裡で聞かせはじめる。 昨晩ロビンを陵辱した時に彼を視姦したこと、彼だけじゃなく、ユーリィやドナルドの欲望の場面も事実なこと。]
――………ぁ
[みるみるセシルの表情が青ざめたものに変わる。 それは、魔精に己が取り憑かれているだけではなく、もう他人に……。]
――………ゃ
[顔は怯えたものに変わってから、伏せられる。 たまらなく出た汗が一つ、髪の毛に流れた。]
(399) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
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─ ラルフの部屋 ─
[緩慢なノックの後にサイラスの声が響いてくる。 二度寝のシーツの中、何時もの気怠さと異なる仕草でゆっくりと首を傾けた。 呼び掛けの後、答えるまでに時間はどれだけかかっただろうか。 扉の前で佇んで伺うような気配に、ようやく身を起こし、素肌にシャツを羽織り、ズボンだけを身に付けて扉の方へ進んだ。]
──……、 ディーンは、居ない、よ。
[眠っていた所為か、何処かとろんとした話し方。 実際に部屋に居ないと言う事を示すように、扉を小さく開いて、唇を噛んでいるサイラスにおっとりと首を傾けた。]
(400) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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[記憶のどれとも違う技巧があるわけではない口付け、 ふわりと薔薇の匂いが香った気がした。 それは先程まで居た中庭のものか、それとも蒼の花か]
…っ ……ふ、
[互いに技巧ないまま欲しがられると息継ぎが上手くできず、 酸素を欲しがって零れた吐息は笑っているようにも、 泣いているようにも聴こえる掠れたもの。 ぼうと、頭の中が白に、甘く染まっていく。 次第に力抜けて捕らえていた手を緩く掴む指先は縋るようで、]
(401) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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ルーカスは、トニーの部屋のドアをノックした。
2010/09/07(Tue) 23時頃
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─屋根裏部屋─
どうしたの? セシル『先輩』。 顔色悪いよ。
[気遣うふり──しかし怯えを浮かべて俯いたセシルを下から覗き込む顔は満面に笑みを浮かべていた。 いかにも無邪気な、その癖たっぷりと甘い毒を含んだ赤い唇が、セシルのそれに近付く。]
ねえ。 僕はあなたにとても感謝してるんだよ?
(402) 2010/09/07(Tue) 23時頃
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―ラルフの部屋― [現れるのに時間が掛かり、羽織ったシャツとズボンだけ それは、直前まで眠っていたことが丸分かりだ。 とろんとした話し方とおっとりと首をかしげる様子]
…ああ、そうか、起こしてすまなかったな? 何処へ行ったかなんて分からないよな?
[背を向けて立ち去ろうとする、しかし――…。小さく立ちくらみが 起こる。脳髄の痺れも走って――…。 それは甘い薔薇でなくて。苦い嫉妬か。顔を見ていられなくて やっと踵を返すとそこから離れようとした。
その動きはラルフの眼にはずいぶんと鈍く緩慢に見えただろう]
(403) 2010/09/07(Tue) 23時頃
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― 廊下よりラルフ部屋へ ―
おや、しまったな……―――
[浴室へと向かおうとした矢先、己の荷物を確かめると、着替えの中、肝心なシャツを忘れてしまったことに気が付く。どうにもぼけていたらしい。
どの道、一度ラルフの部屋に戻らないとならぬことをベネットに告げれば、彼はどのような表情をしただろうか。]
また、よければ、夜にでも逢おう。
[くしゃり、その黒髪を撫でて周囲を確認すると、拒まれなければ掠めるように頬に接吻けを落とした。ベネットと別れると、その脚は足早にラルフの部屋へと向かう。]
(404) 2010/09/07(Tue) 23時頃
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ディーンは、ラルフの部屋の前に、サイラスの姿が見えれば、ひょいっと片方の眉をあげる。
2010/09/07(Tue) 23時頃
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[ただ心地良くて、もっと欲しくて。 そこにあるのは子どもじみた我侭な欲望だけ。]
…はふ……ん、ちゅ…… [貪欲な舌が口腔を犯し、くぐもった水音を立てる。 縋るような指先を胸元へと導き…
躊躇なく奪えるのは何故だろう。
…一番大切では、ないから?]
……っ! [はっと何かに気づいたように離れて、愕然とした表情のままうなだれる。]
…すんません、…やっぱり、俺……どうかしてる。
(405) 2010/09/07(Tue) 23時頃
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