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[ミッシェルに顔を向ける兄の姿それに何かを察したか男は呟いた]
外でオルガンを弾くよりも、か。ふん。
[ふたりを見て、あっさりと鼻で笑う]
分かった。好きにしろよ。 願わなきゃ。動かなきゃ? 分かり切っているさ。そうとも。 いい。乗ってやる。
[調子を戻したか、いつものように不遜な態度で言葉を吐き捨てて]
兄貴も愚図ってると――死ぬぞ。
[訳がわからない、そんな顔をしているミッシェルに言い捨て、男は踵を返す]
ただ、腐ったんじゃなくて、よかった。
[そんな呟きが、聞こえたかどうか]
(259) 2010/07/03(Sat) 23時半頃
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セシ兄は叶えたいって、思うの?
[おれも分からないというセシルに、首を傾げたままそう聞いて。
普段の調子を取り戻したらしいヴェスから言い捨てられた言葉は、胸をぎゅっと締め付けた。]
そん、なの。
[言われなくても、と言いかけて。 続く言葉は出せなかった。 出せるなら、さっきあんな醜態は晒さなかったろう。
でも。ヴェスの最後の呟きは耳に届いて。 ほんの少しだけ、表情がやわらいだ。]
(260) 2010/07/03(Sat) 23時半頃
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受付 アイリスは、酒屋 ゴドウィンの店が開いてるのを知ると、ワインを一本軒先に置いて離れた
2010/07/03(Sat) 23時半頃
ヴェス。
愚図ってても、死んじゃうんだろうけど。
私には、何もできないよ。
セシ兄は、私のこと、見てないもん。
私は、ヴェスみたいに。
まっすぐに気持ちを伝えることなんて、出来ない。
どうすればいいか、わかんないもん。
飾り職 ミッシェルは、ヴェスの背中を見送ると、小さく息をついた。
2010/07/03(Sat) 23時半頃
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此処でも弾くよ? 素晴らしいことに、この村にはオルガンもピアノもある。
好きにするし、ヴェスも好きにしたらいい。 聞き飽きたと思うけど、使えると思った時には声を掛ければ良い。
ご忠告、ありがとう。大丈夫さ、……おれはいつだって、やりたいことしかやってないから。
[皮肉げなその表情のほうが、常の彼らしいけれど。 少しだけ、残念な気分を感じつつ、踵を返す背を見送り、風に運ばれた呟きに、無言で口端を上げた]
(261) 2010/07/03(Sat) 23時半頃
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そりゃね。出来れば叶えたいと思うものなんじゃないか。
[小さく息を吐いたミッシェルの頭を、ぽんと撫で]
さて。今度こそ、ヴェンリッヒ邸を見に行くか。 誰も居ないなら居ないで、火事場泥棒宜しく、ピアノを弾かせて貰おうなんて思っては、 ……ん。
[歩き出した先、常ならば人の波に遮られ、其処に人が居ようと気にならなかっただろう場所。 支度をするでもなく、無言で其処に居る少年>>258の姿に、目を細めた]
(262) 2010/07/03(Sat) 23時半頃
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だから 諦めるのか?
だったら 厚意に あぐらでもかいてればいいさ。
言葉じゃなくても 出来ることくらいあるんじゃないのか?
モラトリアムは 長くないぜ
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― 広場 ―
[のんびりと歩く速度。 足は広場へと続く道を歩んで。]
――――ムカつく位、いい天気だな…。
[男は空を見上げて顔を顰めながら昨日と同じ台詞を呟く。 だが、その台詞に乗る想いは、昨日とはまるで違った。]
……。
[大きな溜息をついて思うのは―――。]
(263) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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─…っ
[心で呟いたことに、返事が返ってくるとは思わなかったから驚いたものの。
何故、と思わなかった自分もいて。]
…諦めたく、ない。
私のこと、見てなくても、子供扱いでも。
セシ兄に、笑ってて欲しい。
…ありがとね、ヴェス。
ヴェスも。諦めないんだね。
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そっか…うん、そうだね。 私も、出来るなら。
[叶えたい、と小さく呟いて。 撫でるその手に、嬉しいような切ないような表情を浮かべた。 リアの家に、と言われると自分も彼女やおじーちゃんたちが心配だから、うんと頷きかけて、セシルの声に同じように視線を向け。]
オスカー。
オスカーも、ここにいるの?
[其処に座ったままの少年に声をかけた。]
(264) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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― 回想・家族会議 ―
[それはハートレイ家の居間での事。
話し合われるのは、これからの事。 冷静に現実を見詰める度に、様々な感情が押し寄せてくる。]
…俺は……。
[妹からの問い>>135に詰まる。 初めて酒場で話を聞いた時から今に至るまで、自分がどうしたいかなんて抜け落ちていたから。 俯いて、真剣に考える。]
(265) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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さて――
[聞こえるということ、伝わるということ。一呼吸の間にどうでも良くなって]
どうだかな。
願っても動いても叶わないことは あるからな。
要は 自己満足出来るかどうか それだけだ。
だから――礼を言われる筋合いはない。
[いつものようにざくりと切り捨てて]
まぁ――脈はなくもないんじゃないか?
[皮肉るように言って話を打ち切った]
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[ふと、掛けられた声に顔を向けると、そこにはセシルとミッシェルの姿が。]
ん? ああ、まあ、な。 どうせこの村を出ても、俺には行く場所なんて無いしな。 『それだけだ。』
[ミッシェルの問いに淡々と答える。]
オスカーも、ということは、あんたたちも行かないのか?
[ついでのように尋ねる。]
(266) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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[街へ着くまでは一週間程。 死に至る病の潜伏期間は僅か一週間。 既に病に感染しているなら、街までは持たない。 最悪、明日。死ぬかもしれない。
一体、どうしたい? 今、何をしたい?
もし、明日が人生の終わりなら。]
――――…俺は、行きたくねえ。
知らねえ土地で死ぬのなんざヤだね。 ……俺はこの村を出る気はねえよ。 今までも、これからもな。
[静かに、固めた意思を告げる。 冷静になればなるほど、先程妹へと向けた身勝手な想いを後悔した。 お前だけでも助かれ。なんて残酷な話だろう。 それで救われるのは相手ではなく、自分の心。]
(267) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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………。
[父の膝に座る妹>>177へ視線を向ける。 目は合えど、それはすぐに逸らされて。 微かに苦い顔をした。]
どうせ親父も、行きたくねえんだろ。
[父の性格をよく知る男は言う。 一度こう、と決めたら曲げない父。 「俺は死んだらこの地に埋まる」と口癖のように言っていた父がこの村を離れたがるはずがない、と男は思っていた。 妹の意見>>177も聞き、小さく溜息をついた後に話をまとめる。]
…なら、決まりだな。
[何年ぶりかの家族会議は穏やかに。 各々の心に小さな冷たい影を残して、幕を閉じたのだった。]
― 回想・了 ―
(268) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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薬屋 サイラスは、飾り職 ミッシェル達の姿に気付いていないようだ。
2010/07/04(Sun) 00時頃
奏者 セシルは、飾り職 ミッシェルが声を掛けるのに任せ、ひらりと手を振ってから。
2010/07/04(Sun) 00時頃
うん、それでも。
ありがとう、ヴェス。
脈?
─…ないよ、絶対。
セシ兄があのひとのこと、忘れるわけないじゃない。
[もう話す気はないだろうヴェスに、それでも礼を言って。
儚い笑みをたたえたまま、彼の言葉を否定した。]
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そっか。
[オスカーの言葉には、嘘も混じってはいるのだろうけれど。 いつものように人をからかう類の嘘ではなかったから、触れなかった。 あんたたちもと聞かれると、うんと頷き]
私も、ここでないとダメだから。
(269) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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[行くところが無い、という答えは多分、珍しくないのだろうけど。 口にしたのが少年だからか、些か痛ましいいろを浮かべそうになって、軽く目を伏せ]
ええ。オスカー君は……此処で何を?
[問いには頷き、ふ、と広場を見回せば、別の姿>>263がやって来るのが見え。 ぼうっとしていると危ないですよ、と空を見上げるひとへ声を掛けた]
(270) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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飾り職 ミッシェルは、奏者 セシルの声を聞いて、サイラスがいることに気付いた。
2010/07/04(Sun) 00時頃
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ラス兄まで。
じゃあ、イリスと小父さんも、ここで?
[疑問は最後まで言い切ることはなかったけれど。 おそらくもう、村中に広まっているから、それだけで伝わったろう。
彼が残るなら、イリスも彼の父も残るだろうことは想像に難くなかった。]
(271) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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[ミッシェルの、ここでないとダメ、という言葉に首をかしげたが、深くは訊かずに。 セシルの言葉を聞き、少し考えてから。]
いやね、この広場に人がこんなに少ないなんて珍しいこともあるもんだな、と。 それとまあ、考え事も。
[率直に答える。 その後、サイラスの姿に気づくと、軽く片手を上げた。]
(272) 2010/07/04(Sun) 00時頃
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[茶を淹れて、店先に出ようと戸を開ける。 開ききった所で何かに当たった鈍い音がした。]
ん…? こいつは……?
[茶を店先のテーブルに置いて、地に転がしてしまったボトルを拾う。 椅子に座って吟味する。]
誰が置いて行ったのやら。 飲めって事か、返品って事か…。
[そのままテーブルに置いて、茶をすする。]
性質の悪い嘘なら良かったんだがなァ。 こんなに良い天気じゃあないか。
(273) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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そうですね……。 此処と大通りは、村の中でも大抵、賑わっていましたから。
[視線を巡らしても、すぐに人影を誰なのか判別出来てしまう今。 小さいなりに、自給自足で活気を保ってきた姿を、鮮明に思い起こすのは容易いことで、その落差に軽く胸元を押さえた]
考え事、ですか。
[静かになった今は、むしろそれに相応しいかもしれないが。 良い考えは纏まりましたか、と考えを巡らせていたんだろう少年の頭をぽんと撫で、訊いてみる]
(274) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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― 現在・広場 ―
[昨夜の出来事を思い返し、空を見上げたまま、ポケットに手を突っ込んで歩く。 右手に触れるのは、メモとペン。 微かに感じる程度のその感触が、ちり、と心を焦がす。 ―――いつかは、右腕だけでなく。]
………。
[嫌な思考が過ぎった所に、声>>270が掛かって我に返る。 声の方を見れば、馴染みのある姿が三つ。]
お前ら…。
[近くまで寄るとミッシェルの問いには静かに頷いて。]
―――ああ。 俺ん家は全員残る事になった。
[物好きだろ、と珍しく笑って見せた。]
(275) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 00時半頃
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[オスカーが首を傾げる様子には、にこっと笑うだけで。 広場に人がいないのが珍しいと言われればそうだね、と頷いた。]
夜になっても結構人歩いてたりしたからね。
[そう話しているところに、サイラスから返答があって。]
そうなんだ。
あ、そうだ。 ラス兄、イリスとはちゃんと仲直りした?
[昨日のことを思い出し、そんなことを聞いて。 彼の笑顔には、そんなことないよ?と笑顔を返した。]
(276) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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― ヴェンリッヒ邸 ― [スカートにつけたエプロンにがちゃがちゃと騒がしいワインを抱えて、ふらりとやってきたのは村で一番の豪邸]
…相変わらずでけぇ屋敷。
[執事が彼女のようなはすっぱな言葉を使う娘を、主に近づけるのを極端に嫌がるし、その態度が非常にムカつくので、ここにはめったに立ち寄らないが。 気がつくと屋敷にある薔薇園にたどり着いていた]
薔薇も相変わらずだな。 アイツ、トロいけど仕事はしっかりしてんじゃねぇか。
[整えられた園に思わず微笑む]
(277) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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あれ、さり気なくおれ達も物好きにされている気がします。
[ミッシェルとサイラスの遣り取りに、きょんとした声で呟くものの、表情は真面目なようで笑みを含み。 彼の顔を見れば、その妹が昨日、ギリアンの家で見せた不調が過ぎって、そのせいもあるのかななんて考えたりもするけれど]
ああ、サイラス君と喧嘩なさってたのですか。 それで……
[なるほど、と昨夜の言動をひとり納得する様子で、うんうん頷くだけだった]
(278) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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ああ、まあ少しはね。
[と、短く答える。 サイラスが会話の輪に入ってくるのを見れば、そうか、と頷き。]
はは、じゃあ、俺らも物好きだな。
[と笑う。 ミッシェルの言葉を聞き、納得したように頷くと、]
ああ、それで昨日、アイリスのやつ何か変だったのか。
(279) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 00時半頃
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[仲直りの言葉>>276に、一度瞬きをし。]
………いや。
[この男、それどころではなくてすっかり忘れていたようだ。 もしかすると、昨夜の自室での一件で余計に怒らせているかもしれない。 そういえば家族会議の後も言葉を交わしていないなと思い返した。]
まあ、適当にやんよ。
[喧嘩したまま死ぬなんて御免だ、とは思っても口には出さない。]
(280) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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[セシルとオスカーがそれぞれ納得してるのには不思議そうにしたものの、サイラスからの返答を聞けばむーと怒ったように見上げて。]
もー、ダメだよラス兄。 ごめんなさいは早く言わないと、どんどん言いにくくなっちゃうんだからね?
せっかく私がリアのとこのおじーちゃんからもらったお菓子まであげたのに。
[あれ本当に美味しいんだよ、と怒る様子はやっぱり子供っぽいかもしれない。]
(281) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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ま、そうなるな。 …この状況で此処に残る奴なんざ、物好きか馬鹿かのどっちかだろ。 物好きで馬鹿かもしれねえけど。
[物好き、への反応にはそう返し、声を揃えて昨日の妹の様子について述べられると。]
あー………。
…、……巻き込んで悪いな。
[ばつが悪そうに口を曲げた。]
(282) 2010/07/04(Sun) 00時半頃
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