3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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−補習室−
兄さん。何を言ってるの? 出られないって、鬼を連れていくって…。
[スティーブンの顔を見つめる。]
一緒に帰ろうよ。送ってくれるって約束したよね?
(520) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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[居た世界は綺麗だった。
けれど、もう。 戻れない だろうし。
身体も 心も 闇へ飲み込まれ始めて。]
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[従兄の告白をぼんやりとした表情できいた。]
母さんを…。
(ああ、それで…。) [色々と腑に落ちた。幼い頃の思い出。 決して好きとは言ってくれなかったー、 いつも何処か遠くをみるようなー。] 私は、お兄ちゃんが大好きだった。 お兄ちゃんのお嫁さんになりたかった。
[今だって大事な従兄にかわりなく。]
やだっ、一緒に帰る!意地悪言わないで!
[透けた肌を見せられて、一瞬息を止まったけれど、 涙があふれて止まらなくなって、いやいやと首を振る。]
(538) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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『闇 がまた濃くなってきたね。』
『そろそろ、また 誰か 送 らないと。』
『それとも、呼ぶんだっけ?』
ミシェ、ごめん…。
これが、最後。
靴に、ビー玉隠したのと、僕のそばにあるナイフ。
有効に、使って?
[きっとそれを最後に、通信は途絶える。]
――……、
誰を?
[鬼さん。こちら。鬼が。鬼が。
ひとりひとり。捕まえたら。――]
『強い希望は呼ぶんだっけ? 彼女。』
君と絆が『あるって言う。』
メアリーを呼んでくる。
あの馬鹿はひとりで勝手に死ねばいいんだ。
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[従兄の頑固さはよくわかっている。こんな状況でさえ。 涙を拭われながら、目を閉じて弱々しく笑う。]
…私は、意地悪な人が好きなのかしら。 どっちに似たんだろう、ね。
…さよなら、エミール兄さん。 今まで、ありがとう。
[一歩下がってから、くるりと振り向いて補習室を出ていった。 1度も振り返ることなく。]
(550) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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『あらら、辛辣。』
『…… そう、じゃあ任せたよ。』
[闇色は 愉快そうに 嗤 った。]
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[最後の最後に嘘をついた。]
(私の好きになる人は、とっても優しい…。)
[補習室を出て、そのまま廊下を駆けていった。 渡り廊下の辺りでつまづいて、その場で崩れ落ちて、 手放しで泣いた。声が響いても構わずにー。]
(555) 2010/03/04(Thu) 01時頃
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待って、今何所!?
嫌だ、勝手に一人で消えないで!
[声が、届く事はもう……]
ねえ、それでどうすればいいの?
ねえったら!!
ああ、俺は前に言ったとおりだ。
呼びたい奴を呼べばいい。
『お願い。』
『私でも良いけど……。』
[場所が近すぎるから、迂闊に、声と行動で推測されてしまわないように。 知らないかのように 振舞った方が良いと。]
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