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本屋 ベネット! 今日がお前の命日だ!
[彼女は記憶を取り戻してしまったのか
あれほどに血を幾度も交わしたのに
あれほどに魅了し縛り付けておいたのに
今度こそ
全てを忘れるほどに、血を交えねば――
毀れる心理が
永遠を生きる純血たる城主の孤独と絶望の深い闇が
甘美な甘さを伴い、目前の青年へと流れ込む。
ヘクターが見た片鱗よりも、濃密に
伝えるのは
この世の果てにある光景]
【人】 執事見習い ロビン[城主がベネットの首筋を噛むのを、ただ黙って見つめている。 (15) 2010/06/24(Thu) 23時半頃 |
――旦那様、
そちらの方のご友人達が……
「お友達に会いたい」
と、そのように仰っていられるのですが、
如何なさいましょう?
名を……
呼んではいけなかった……?
[闇の帳が下りる白薔薇の庭園でその名を教えられながらも
この城に来てからは呼ぶことの無かった名を紡いだ女は
城の主に微かな聲で問う]
――…嗚呼、件の二人か
構わぬぞ?
あれは黒薔薇が部屋へ連れて行った。
[未だ目覚めの聲は聞こえて居ない]
……お前は、最早私の手を離れたのだな。
[妹として傍に置いた娘が
己の名を呼び、対等に聞こえる位置から問いかけてくる。
其れがどういうことなのか
終末を感じ、聲を投げた]
好きに呼ぶが良い。
お前を咎めるものは、最早此処には居らぬ。
【人】 執事見習い ロビン−墓場− (33) 2010/06/25(Fri) 00時頃 |
【人】 執事見習い ロビン[眼鏡を外し、ネクタイを緩め、ぼんやりと空を眺める。 (36) 2010/06/25(Fri) 00時頃 |
――…私のローズ、とは
もう呼んでは呉れないの?
[妹であった頃よりも柔らかな聲で城主に問う]
嗚呼……、尋ねてばかりね。
子供みたいだと呆れられてしまうかしら。
[別段対等を望んだわけではなく
ただ名を呼びたかっただけ]
貴方はこれまでも咎めなどしなかったじゃない。
お前は、ローズマリー
私のローズは、もう居らぬ。
[低く冷たく突き放す]
……そうか?
嗚呼……そうだったかもしれぬ。
咎めるようなことなど、しなかっただろう
ただ一度を除いて。
[薔薇は2人のこえを聞きながら]
[あらたな眷属の気配に、そっと囁く]
おはようございます。
ご気分は如何?
[耳元を羽でくすぐるような囁く]
ああ、あなたのお友達が
あなたのことを心配なさって、
お部屋へと向かわれたことか、と。
――――喉は 渇いては おられませんか?
[傍にいるわけでもないのに聞こえた囁きにはっとする。]
……僕は……
[今の気分など……こんな気持ちをなんと言い表せば良いのだろう。]
――…私は、もう必要ないの?
[十二年の記憶も確かにあるというのに
居ないといわれた女は途惑う]
お兄様、と呼ぶべきだったの……?
ずっと、思い出さずにいるべきだったの…?
[縋るような聲が城主に向けられる
ただ一度を除いて、その言葉の意味が分からず
女は柳眉を寄せた]
お前に紡いだ夢は消えたのだろう?
思い出したのならば何処へなりと
お前の望む場所へ行けばいい。
日の下に出ることは叶わぬが
もうお前を縛るものは何も無い
[柳眉を寄せるローズマリーの姿が目前にありながら
城主は彼女を見ようとしない]
――…嗚呼、目覚めたのか……ベネット?
[新たな聲。彼に対する白薔薇の語りかけに薄く笑みを零した]
2人が、ここへ……?
[起きたばかりで混乱していたのと、強烈な喉の痛みでいままで気がつかずに居られたのに、指摘されて気がついた喉の渇きが襲ってくる]
……っ。
[今は、不味い。2人を、部屋に入れないようにしなくては――]
夢は消えていないの。
お兄様と呼んだことも
此処で暮らした日々も覚えているのに。
失くしてなどないのに……。
私が望んでいるのは貴方の傍なのに。
他の場所など望んでないのに。
[震える頼りない聲が城主へと向けられ]
【人】 執事見習い ロビン−墓場− (58) 2010/06/25(Fri) 01時頃 |
――ええ、お二人も。
よろしかったですね、
どちらから先にいただかれるのです?
ああ、殺してしまうのがお嫌でしたら、
すこしだけいただけばよろしいのですよ。
――ご友人なのでしょう?
きっと喜んでご提供くださいますでしょう。
もっとも、加減を損なうと――
命までいただいてしまうことになるやも、しれませんが。
[白薔薇の囁きは渇望を煽るように、
ねっとりとその耳元に、響く]
……可笑しな事を言う。
ローズマリー
[溜息と共に囁きが落ちる]
縛り付けられる生活に未練があるのか
未だ私の傍を望むのは
此処ならば途切れぬ贄が届くからか?
ならば今まで通り宴を開くが良い
お前を城主とし、この城を任せてやっても……
いた、だく……?
[ぎり、と唇を噛む。少しだけいただけばいいと、その言葉が余計に渇きを酷くする。けど、加減の仕方なんて分からない。忘れようとしても白の薔薇の言葉はどろりと耳に絡みついたように耳に残っていて]
……嫌だ、血なんて飲むもんか……!
あの二人は咬みたくない……!
[確かに城主の甘い囁きは女を縛っていた。
けれど女はふるふると首を振るい]
縛り付けられる生活だなんて思ってなかった。
贄が欲しくて傍にいたいんじゃない。
違う、違うの……。
ヴェスパタイン、貴方が居るから……
貴方と一緒に、居たいだけ、なのに……
[如何すれば伝わるだろう。
頑なな心に向き合う聲には切なるものが混じり]
[咬みたくないと頑なに拒む新たな眷族の聲
其れを心地良いと感じる事で幾らかの余裕が生まれる]
失った記憶を取り戻してなお
私の傍に居たいとは酔狂な事だ。
其れが望みなら
傍らで咲き続けるが良い
――…白の薔薇と共に
[切なる聲に、城主は顔を歪めそう告げた]
【人】 執事見習い ロビン−墓場− (67) 2010/06/25(Fri) 01時半頃 |
あの2人 は?
―――ならば、誰ならよろしいの?
[くすりくすり と それは哂う]
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