204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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何処か
胃袋とも違う何処かが飢えている
その欲は対象を持たず
具現化されないことで
餓えの凶暴化は未然に封じられ
[まだ、ごまかせている。
まだ、だいじょうぶ。
けれど、それもいつまでもつかわからない。
こうして食事をしていてもどこか飢えている。
渇いている。
それを癒すものを本能は知っているけれど、まだ、抑えられている]
……まだ、大丈夫。
[ぽつり、言い聞かせる言葉が零れ落ちる]
………………?
あれ 人間だけじゃないんだ…………
一箇所に集まっちゃいけないって
言われてるのに…………あれ
[不意に、自分のではない音が聞こえた]
……あれ?
聞こえてる人がいる……?
――どうしよう、あつまっちゃ、いけないのにね。
[知らないような、聞いたことのあるような、音。
人間、という響きに、先ほど考えていた少年を思いうかべた]
…………人じゃないよ
人は言葉を交わさずに思考をかわせない
今更外にでても凍死するだけだからーー精々
息を潜めて狩られないようにするしか…………
飢えたりしていない?
生け捕りは用意出来ないけど
生肉ならーー…………少しだけ
……人の振りをしとかないと、ごまかせないから。
でも、そうだね……こんな、やりとり、人とはできない。
一緒にいるドナルドたちにも聞こえないのに、君には聞こえるんだね。
生肉は、下手に食べるとがまんできなくなる。
人の食事でごまかしてるから、
まだ、大丈夫。
[いろんなことに興味を持つのは、一つのことに熱中してしまうと危険だから。
あちらこちら首を突っ込んで、
いろんな人と当たり障りなく会話して。
通り過ぎるだけにしておけば、抑えたものがでてくることもない。
けれど――それは通り過ぎることができればの話で]
あゝ…………君は
ニコラ とも トレイルや ノックスでもないんだね
彼らも血族だったらーーーどれだけ集まってしまっているんだ
聞こえない狼は……人に近いか人に混れるか
…………俺の母さんはとても狼だった
人に紛れないで暮らせるよう 教えてくれたけど
ーーその時言葉なく思考を交わすのは便利だったけど
人に混じるのは とても難しいってーーーーー
そう……そうならしょうがないね
……距離に気をつけて ね 飢えないように
ニコラたちも、血族なんだ……
ディーンと、シメオンも血族だと思う……フランシスと、幼馴染だっていうし。
もしかしたら、全員、血族かもしれない、ね……
俺は、先祖がえりだから。
家族の誰にも、聞こえなかった。
だから人にまぎれるしかなくて――
ただ、父さんが母さんを食べてたから、多分そっちからかなあって。
うん、気をつける。
…………ディーン シメオン
フランシス それにドナルド 君
俺と保護者
集落でもないのに 10人もだなんて…………
全員なら 皆なんて本能に無防備なんだろう
それとも それだけ血が薄まっているのか……
…………集落の対策じゃ
やはり 対策しきれないんだね………
狩りーー憶えてみる…………?
この雪じゃ…………あれだけど
ナイフと弓の扱いなら 知ってる
……対象を持たないから
俺は狩りは 本能を散らせて 好き
[弓を放つ時の 高揚感を思い出せば
その 淡い高揚が 思考に滲む]
こんなに、集まって大丈夫なんだろうか……
血が薄まってるのは、あるんじゃないかな……
誤魔化すのがあたりまえになってるのかも。
狩り、覚えたら楽になるかな。
[伝わる、高揚感に、小さく息を呑む]
うん、教えてもらえるなら、覚えたい
いまは、ちょっと、眠たいから。
あとで、ね。
[それからしばし、思考がとぎれる**]
なんとも言えない 満月も近いし
……他の狼の血が薄いのを祈りつつ
俺たちは用心するしかないね
彼らはもう 人間であるようにって
……餌を自分で得られるから
そもそも 強い衝動になるきっかけを
得ず 山や森でも暮らせるのは
人に紛れるよりはーーー俺は楽
そう 一階に 適当にいるから
えーと…………君は??
俺はフィリップ 赤い鳥……ルーツを連れてる
ん 寝不足は 思考の敵
しっかりと休んで
[ふと 衰弱したら 本能も弱まるだろうか?
と言う思考も脳裏をよぎったが]
…………衰弱を防ごうと
餓えが強くなる可能性が 高そうだ
ドナもラルフも、君想いのいい子だね。
君の居ない間にドナと話していたのだけど。
『過保護はイヤじゃないけど、
要らぬことを言って悩ませたくない』――って。
背伸びとは違うけど、うん、いい子たち。
[フランシスの知らない1面であるのかないのか分からぬまま、ふっと小さく笑んだ。**]
―――いい子だろう、自慢、なんだ。
……――
[しかしながらノックスに、謂われて。]
要らぬこと……?
[(過保護は――嫌じゃないけれど?)
(悩ませているのだろうか?)]
[小さく笑むノックスは、人当たりのよい雰囲気を醸し出している。
もし、彼がトレイルを抱きしめたり、口付けたりしているのを見ていたらもう少し、警戒を深めていたかもしれない、が**]
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―3F→2F― [ぐしゃぐしゃの髪に文句を言われて>>0:749、笑い返すのもいつものこと。
真っ赤に泣きはらした瞳で自分のものでない名前を名乗る少年へと差し出した手は最初は憐憫だったかもしれない。>>0:732 けれど、名前を知りたいと思ったのも、臆病な手を握り返したのも、全部男が決めたことだ。]
へえ、手伝いしてたんだ。 えらいえらい。
[いつもは人見知りが激しく、滅多に男の傍を離れて誰かと交流することのないプリシラが、初対面の人間と一緒に何かをしたと聞けば軽く驚いて目を瞬かせた。>>0:749
フランシスに挨拶した時にも背中に隠れるようなことはしなかった。>>0:748]
お前も知らねえ間に成長してんな。
[年寄りじみたことをしみじみと呟いてしまうのも仕方ない。 プリシラの成長が嬉しいような寂しいような複雑な気持ちを抱いて居間へと降りる。]
(22) 2014/11/15(Sat) 16時頃
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[居間では初めて言葉を交わす者も何人かいただろう。
山小屋の内部の貯蔵庫や湯の在り処など、簡単な情報交換をしながらスープを啜る。 じんわりと体を温め、腹を満たしながらも、漠然とした不安がぬぐいきれない。
偶然吹雪で何人かの旅人たちと同じ宿に寝泊りするだけ。 今までだって似たようなことがなかったわけじゃない。
ただ、同族のノックスがいる以上、彼の連れもまた同族なのであろう。 ニコラとトレイルの顔を見て、我知らずため息を落としていた。]
(23) 2014/11/15(Sat) 16時半頃
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[互いが連れているのは、最も衝動の抑えが利かない年代だ。 それは嫌というほど我が身を持って経験している。
プリシラは衝動に駆られたことはないようで、時々の忠告をいまいち現実味に欠ける話のように聞いているが。
今は衝動に駆られていなくとも、何がきっかけになるか分からない。]
フランのことを笑えねえな、俺も。
[視界の端に心配性の保護者の姿を見ながら>>12、独りごちる。]
(24) 2014/11/15(Sat) 16時半頃
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[己の心配性を内心で苦笑しつつも、幼馴染へと声をかける。]
なあ、ノックス。後で小物を見せてくれよ。
[普段使いの小物ならば自分で作れば済む話だが。 ことの本題はそうではないのだと、目線で訴える。 それとなく互いの連れに注意する必要があるのは、どちらも同じことだろう、と。
後はそう。少しだけ感傷的になっていた。 とうに壊してしまった、彼のくれた木のスプーンを思い出したから。]
(25) 2014/11/15(Sat) 16時半頃
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[自分たちが人の形をした獣であることを理解しながらも。 心は獣になりきれないから。
まだその痛みを知らない手を、守らなければ、と。密やかに思っている。]
プリシラ、今日はさっさと寝ちまえよ。 雪がやんでも疲れて動けない、じゃ笑えないからな。
[一人だけではなく二人くらい連れていれば、こうまで案じることはなかったのだろうかと考えることもあったが。 プリシラ以外を大切に思う自分の姿が想像出来ず、いつも答えはそこで終わる。
本能が大切なものを壊してしまうことを知っているから、いざという時に守るものは少ない方がいい。]
(26) 2014/11/15(Sat) 16時半頃
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[ひとつきり、でいい。**]
(27) 2014/11/15(Sat) 16時半頃
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月が満ちると、ざわざわするからね……
そうだね、声が聞こえないほどなんだから、人間であればいいけれど。
森や山で暮らせるなら、うかつに恋をしてしまうこともないかもね。
俺はそういう暮らし、したことないからできるかわからないけど。
――衝動はこわいから、ね。
あ、一階にいた、君だったんだ……
俺はラルフ。ルーツに怒られたやつだよ。
うん、休んでおかないと、危険かもしれないし。
弱ると本能が強くなるって言うし、
フィリップも、気をつけて。
[衝動の結果、片目を失った同行者を思い。
案じる気持ちを、眠る前に向けていた]
集うことに 警戒が見えないから
[そうであって欲しい と 滲むのは
気休め楽観思考と 思ってしまうのが滲むのと
同じくらいの思考の分量]
ーーそんなに 難しくないよ
慣れてしまえばーー旅に出る前の
ガキにも できたことだから
ーーー少なくても 怯えて 息を潜める
ことはしなくていい のは 楽
[ふっ と自嘲とも 諦観とも 安寧とも
それらが混じり合った何か 滲ませ
たのもつかの間
…………今日だけで 何回
ルーツが猛ったかわからず
しばし思考が考え込む]
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