94 眠る村
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[部屋に消えるフィルを追いかけようとして―― 紅茶屋が、青い炎に包まれたのが見えた。 そうだ、灰になればいい――]
――…?!
[ぼろぼろと崩れ落ちる影に、一瞬生前のクリストファーの影が重なる。
――――狼の影は何処にも居ない。]
ふ、ふふふ……
[それは、つまり、つまり――…]
(2) 2012/06/16(Sat) 23時半頃
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ハナ…
[よくやったね、と言わんばかりに、老人の膝の上の少女に手を伸ばした。 くしゃり、と頭を撫でる――次の動作で、老人から乱暴に少女を奪った。]
――――お前の正体は、どっちだ?
[抑えつける力は、10歳の少女に対して、容赦がない。]
(4) 2012/06/16(Sat) 23時半頃
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近寄るなッ!!
[近寄るローズマリーに向かって、怒鳴りつける。 きつい視線に、こちらも殊更睨みをきかせた。]
クリストファーは、人狼なんかじゃなかった…… ハナは、嘘ついてんだよォ。 人狼か、頭がイカれちまってるのかは知らないけどねェ?
(8) 2012/06/17(Sun) 00時頃
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[どうして解ったの][そうは続けず]
[エイトは静かに場の状況を見る]
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……じーさん。 アンタはまだハナは見間違えたとでも言い張るつもりかィ? 人、一人死んだんだよォ?
見間違いでしたで済むレベルじゃないよねェ? ハナは、嘘を、ついているんだ。
[フィルが戻ってきたことに、舌打ちをする。 ハナが嘘をついていたということは、本当のことを言ったのは――]
……僕にも、判るってことさ。 僕の場合は、死んでからじゃないと判らないけどねェ?
(17) 2012/06/17(Sun) 00時頃
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[ハナからゆっくりと手を離した。 泣いていようが、もう差し伸ばす手はない。
───そン時は、あンたは独りぼっちだ。
灰になった男の言葉が、頭の中に蘇る。]
……フィル。
[現れた幼馴染に向ける視線は、複雑だ。 もう、幼馴染じゃないのかもしれない。]
(21) 2012/06/17(Sun) 00時頃
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死んだら、判る ね。
随分と酷い 加護じゃない?
[くすくす][静かにあざけ嗤う聲]
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……煩いよ。
[ブローリンに向かって吐き捨てるように言う。 頭の中は真っ白で、ぐちゃぐちゃだ。]
たとえ判るといわなくても、殺される時はくるかもしれない。 ヨーラだってそうだよねェ。 僕は黙ったまま明日にも死ぬかもしれない。
――それでよかったワケェ?
(27) 2012/06/17(Sun) 00時頃
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ああ、そうだよ。 でも僕は――
[ティモシーの背を睨んで見送る。
幼馴染の乾いた声。
痛い。すごく痛い。
例えじーさんがボケてなくても。 何でこいつを疑えるんだろう。]
(34) 2012/06/17(Sun) 00時半頃
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死ななきゃわからない、なんて―――
まったくもってひどい話。
[くつり、わらって]
迂闊、だなぁ……
うん、 エイトの勘はやっぱり正しかった。
――"本物様 のお出ましだ。
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それを見つけられなかったらどうするってんだよォ。
[メッセージを誰かに託すにしろ隠すにしろ。 この状況下で見つけてもらえる確信もない。]
――…、て。
あ、アンタまで何言い出すのさ……
(36) 2012/06/17(Sun) 00時半頃
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冷静に、なりなよ。
人間が誰かまでバラしたら、餌になるだけだよ?
[ブローリンより、ラディスラヴァを殺した方がおもしろい。
加護を持つ者を葬るより、優先される"悪い趣味"]
本物ねェ…
でも ハナが嘘をついていたのは本当
今更人間って言われてもさァ 信じるかな。
[静かに場の様子を確かめるよう囁き]
――― でも、あの本物様の苦しむ声は 結構、イイんだよね。
[だから 今晩の獲物は変えないと]
[こういった状況になっても"趣味が合う"]
ふふ、そうだねェ
やぁっぱり ゼロ、好きだよぉ。
ここでブローリンを選ぶ君じゃないよね、エイト――
僕も――――― すきだよ。
それにね、 彼が乱れたら
きっとクラリッサも面白いことになる。
ふふ、
[小さく嗤いながら]
せっかくなんだから加護とやらを
ぶっつぶしてこそ、だろォ
あぁ、とうとう…?
ク、ふふ、 イイね、愉しみだ。
[エイトは寄生主をしかと演じ続けながら][思考は冷静に戻す]
そろそろ、
――― また、夜がくる
加護の届かない、深い霧の時間さァ
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――…もう、何が何だか……
[ティモシーは幼馴染を人狼だという。 ブローリンはまだ見つけていないが――じーさんだという。]
――…何で僕、生きてるうちには判らないんだろう。
[ブローリンの言葉で、少し気が抜けた。 フィルが人狼だなんて微塵も信じていないけれど。 クリストファーを殺してしまった以上、フィリップを殺すしかないと思っていた。]
(43) 2012/06/17(Sun) 01時頃
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じーさんは人狼じゃなくて。 ただの人間ってことォ?
――…もう何だよ。 誰信じればいいのかわかんないやもう……
[くしゃくしゃと金髪を掻き乱す。 こういうとき先生が居たら、すぐに問題を解いてくれたりするんだろうか。 まだ少年は師匠には遠く及ばない。]
(52) 2012/06/17(Sun) 01時半頃
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――…あぁ、もう。
[思考が白い霧に邪魔をされる。 ふらふらと戻る部屋は当たり前にフィルとの部屋。 幼馴染は何故か床で寝ていた。――寝台にはトリの姿。]
情けない声出すなってのォ。
[殺さずに済むかもしれないと安堵したら何だか妙に腹もたって。 自分も寝台から枕と毛布を取ると、そのままフィルに向かってばすんと一発。 そのままフィルの横に、寝転がった。**]
(55) 2012/06/17(Sun) 01時半頃
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[―――白い霧が、深く、深く 村を覆う]
さぁ、行こうか。ゼロ。**
………――――狩りの時間だ。
[村を覆う深い霧
起き上がり、笑み顔で舌なめずりする姿は
およそ宿主のを面影を*残さない*]
[エイトは少しの間、目が覚めても動かないでいた]
[目の前で眠る、寄生主の恋人の男の顔を静かに見つめる]
…、"へたれ"
[ぽつりと呟くその言葉は][どちらの言葉か]
[それでもやがて緩んだ腕の形を覚えながら身を、手を離して]
[裡で聞こえる魂の聲に、くつくつと嗤う]
そうだよ、きみの手で 殺しにいくんだ。
たいせつな …たいせつな、 友達をねェ
[煽るように囁けば、霧の中、獲物の元へと―――]
[やがて、食事を終えた獣は]
[狩り終えた獲物をそのままに、何事もなかったかのように振る舞う]
[ゼロの寄生主が見えれば]
[覆った口が、にぃ、と内で密かに歪む]
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