64 色取月の神隠し
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法泉君は何やら、私を仏の化身のように勘違いしていて困るのだよなぁ。
[以前、彼がならず者達に絡まれている所を助けたことがあった。
その時、必要に迫られて幻術を使ったのが原因と言えば原因ではあるが、使わなければ殺されていたかもしれない。
それ以来、何かに付けて意見を求めてくる。
説法師が半妖に説法を求める等何の冗談だと言いたい。]
それに、あの異様に敬うような眼差しが―――…はぁ。
─ 祭り初日 ─
おだんごと同じくらいおいしいの?
おいしいのに、食べられないの?
[明之進の事情は知らず、ことりと首を傾ぐ
おいしいとの勧めには、随分心惹かれたものだったが]
……。……。
[続く辰次の忠告に困惑とともに押し黙る。
おすすめしないと、二度言われた。
むうと考え込んで首を振る]
おしろい食べものじゃない?
食べものじゃないなら、いらないもの。
[ふる、ふると首を振る。
口の中、明之進に貰った飴が甘くてとても美味しかった*]
双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/14(Wed) 13時半頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/14(Wed) 14時頃
――秋月邸:廊下――
さて、法泉君にはこのまま正門で粘られても厄介だし、早々に退散願おうかな。
[ふっと息を掌に掛ければ、もわもわもわと現れる幻惑の霧。
法泉の目には己の姿に見えるだろう。
それはいかにも法泉から逃げるように裏口から邸を出て行く。
そして、それを追いかける法泉。]
すまんな。
[法泉が正門から居なくなるのを確認すると、そのまま何喰わぬ顔をして仏壇部屋へと足を進めた。]
ああ、薄らいできたなぁ。
[実に楽しそうな声が応えた]
そうやなぁ。
たまにしか味わえないことやからねぇ。
楽しい思いますよ。
夕顔の声も奇麗で澄んでますよぅ?
妖しの刻を告げるはひぐらしの詩
黄昏に花開く夕顔は
きっと声に逢うて奇麗な姿なんやろうな?
[耳を澄ませば龍の笛の愉悦の調べ。箏はゆらりゆらりと紅のソラを奏でる
黄昏の、あやかしが彩花たる花弁を開くその詩を]
たのしそうやねぇ、龍っつぁん。
さっきも巫女の娘さんとおった時も
えらい愉しそうやったけど…
[的当の時を思い出して、少しだけ意地悪そうにクスリと奏でてみせる。
…的当に熱中するあまり倒しそうにしてくれたお礼を兼ねて]
[からかうようだった音色は次いで低く調子を変えて響く]
雷門さんも、お留守になりそうやし…
うちらの気も強ずなりますやろうな?
隔世の園へ惑わすつもりやろか?
ヒトにとっては異形の世
刻の移ろいを忘れた廻る世界に
皆さん招きとぅ思うヒトは見つけましたん?
祭りは楽しいもんだろう?昔も今も変わらずに。
特に、隠世と現世が重なる祭りなんて滅多にない。
[当然だろう?と軽快な笛の音。]
……そりゃぁ、まぁ。
誰かと回れば、楽しさは倍増だろう?
[揶揄するような笑いに、少々罰の悪そうな響き。
雑に扱った負い目も自覚していたりで。]
……人は、儚い。
招いてやった方が親切ってもんさ。
[常なる世への誘い。それを躊躇う響きはなかった。]
招きたい人間か……居るよ。志乃さんにもいるのかい?
明、お前は?友だちが出来たって言ってたけど。
どんなやつ?
[志乃に尋ね返し、その次に聞いたのは弟分。]
友達は いっぺーたって言う名前。
おもしろかったよ。一平太と先生。
[祭り前日の事を思い出して楽しげに囁いた。]
たつー、神社 雷門さんいないよ
[神社から、見たことを報告した。]
どうしよう 雷門さん 迷子かな
探した方がいいかな
一平太……へえ?先生も?
[明之進から出てきたのは、つい先程まで共に居た人間の名。世間はやっぱり狭いのかもしれない。]
雷門の爺は散歩にでも行ったんだろ。
ここいらは雷門にとっちゃ、庭みたいなもんだ。
探さなくても平気平気。
[適当な見解を示す。
迷子を捜しに行った明之進が迷子になるのを心配した。]
儚い…そうやなぁ
人間五十年
化天のうちを比ぶれば
夢幻の如くなり
人の世の歳月など、
うちらには瞬きするようなものやからなぁ
人の理で、それが幸せかはうちにはわからんけれどな…
[龍の笛に比べて箏の音はいささか複雑に揺れてもいたか]
そういえば敦盛さんも笛の名手やったねぇ
龍っつぁんとどちらが巧いやろ?
うち? そうやなぁ……
おる…んやろうけど
その子には……ああ、何でもないんよ。
そうやな。連れて行ったら楽しいやろう思う子はおるんよ。
[九十九の神とて、元々は人の作りし器の姿
そして、滅することなく永きを経て初めて我を得るに至る。
他の妖しの齢は知るところではなかったが
遙か平安より人と共に時代を巡ってきた箏には
少しだけ惑う思いもそこにはあった]
人多いんも考えもんやなぁ
[箏は一寸泣きが入った音色だったか?]
敦盛?
って、あの?舞になってるやつ?
[志乃の出した人物の名を、龍笛は聞き返す。]
……さあ。
俺は実際に、敦盛の笛を聞いたわけじゃないからな。
でも、きっと…人の手による笛のが、巧いだろうなぁ。
[それを語る際、声音はどこか、寂しさを含んでいて。]
にしても、結構長いこと九十九やってんのかね、志乃さん。
[敦盛よりは後の時代の龍笛は、そんな話題に切り替えた。]
しの、なんさい?
[けさらんぱさらん、気になって聞いてみた。
女性に歳を聞くのが失礼とか、そんなの知らない。]
よう知ってますなぁ
平敦盛さんいうお武士さんやったんよ。
うちも会うたことは流石にないんやけど、伝聞でなぁ…
せやなぁ……うちも龍っつぁんも、
元々はヒトの手によるもんやからなぁ。
せやけど不思議やなぁ。
作ってくれたヒトはっもうおらんのに、
うちらはこうやって隔世で謳歌してるんやもんなぁ
[寂しさの類は異なるやもしれない
けれど、きっと九十九には九十九として同調できる思いもあるだろう]
永いいうても、じぃとしてる時の方が多いんよ。
あまり強ぅ妖力は持ってへんから、今みたいに具現化し続けてられる時間にも限られていてなぁ。
疲れて眠ったらまた何十年とかざらやからねぇ。
それに、うちがべべこやったころに既に
ヒトの書にも書かれてた奴延鳥さんの方がずっと永い思うんよぅ?
ええと……千にはいかんはずやけ…
[くそ真面目に答えようとして、ぴたりと止まり]
妖しの世に齢はありませんよぅ?
常なる世界なんやから。
せやから永遠の九十九やな。
そのうち半分くらいは寝てしもうてるから
五十…“じんかん”と変わらへんね。
[えへへと誤魔化しかげんな調べが走る]
人がいなくなるのは早いのに、その人の手で作られた俺らがこうしてずっといる、っていうのも…よく考えてみたら変かもなぁ。
[よく考えてみたこともなかったので、改めて言われると不思議な感じが確かにする。]
そうか。なら、起きている時間は貴重だな。
[祭りの時に目覚められてよかったな、と笑う]
ふぅん…藤、だっけ?
「鵺」も能か何かになってたっけか…
[囁きの中、直接ではないが聞いていた名を呟いた]
[龍笛の問いに頷いて]
あぁ、あの能なら京に居た時分に見たっけか。
……何だかこそばゆい感覚だったなぁ。
[己の討伐譚に尾鰭背鰭胸鰭やら諸々が付いて
元の話とは異なるような、そうでもないような
正に鵺を語るに相応しい物語になっていたな、と慨嘆する]
こそばゆい?
そんなもんなのか。
[龍笛が題材になった物語は幾つかあるのは知っているが、自分自身が物語になったことはない。
鵺の胸中を推し量るには、いささか経験が足りなかったようだ。]
せやねんせやねん。ありますんよ!
大和猿楽結崎座の世阿弥さんの演目は
なかなかの人気がありますんよ?
うちも昔こっそり抜け出して薪能を──
敦盛さんのお話やないんやけど、平家のお話にもよぅお出まししてましてね。嗚呼勿論うちが出会うた清涼殿の一件もその手の書籍に……
伊豆の國ではそれはそれは畏れられた方ですんよぅ? お祭りまで──
[『能か何か……』の呟きに、きらきらした調べで蕩々と…ええ蕩々と]
きっとセンセやったら、詳しく知ってる思いますけどなぁ。
一度遊びに行ったらええ思いますんよ?
そういえば、青二才言われてましたなぁ。
九十九の、それも龍の笛つかまえて青二才やなんて、ほんまおもろい人ですなぁ…
双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/14(Wed) 23時頃
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― 祭り初日/屋台広場 ―
……。お祭りだけだって、生きていけるもん。
[視線を合わせ、言い聞かせる口調。 それへと微かに口を尖らせて、小さく呟く。 ぷい。と、背けた顔は子どもの我侭に映ったろうか>>17]
(69) 2011/09/14(Wed) 23時頃
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あ……。
[沙耶、明之進と別れてより少し後。 茜色に染まる空を見上げて、童女はふと足を止めた。 変わる気配。薄くなりゆく神の気配]
……ふうん。
[ちらりと笑みを浮かべて、社へ続く道を辿った。 その向こう、茜色に白衣を染めた巫女の姿が見えていた>>62]
(74) 2011/09/14(Wed) 23時半頃
|
―――――。
[先生の家に遊びに行ったら?という提案。
返事はないが、なんかいやそうなかんじ。]
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