165 【突発村】bouquet
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親方 ダンは、メモを貼った。
2014/03/02(Sun) 02時頃
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―廃村、入り口にて― [俺の魂は何処にあるのか。 嘗て燃え滾った心の火は未だ燻っている。 しかし、脳裏を覆う感情は夕闇のように魔を差し出してくる。
蕁麻疹。水疱。呼吸器の不全。脳を焼く炎。 死への未知の恐怖が胸を突き刺す。それでも求めるのだ。 世中の歯車となり、腕一本で社会を回してきた自負がある。 謙り憚りも日本男子の本懐か?肉体に屈するのが精神か?
答えはない。]
藪が鬱陶しいな…
[山奥へと侵入し、茂り猛々と生えている群生の笹。 整備されていない路は、車の通過痕も消えてしまう程に、 ひどく寂れていた。]
(7) 2014/03/02(Sun) 02時半頃
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[木々の隧道を抜ければ、そこはもう――]
っ―――くそっ!
[不安は視界に広がる神さびたとでも言うべきか、 全く人の消えた廃村。誰も居ない。思わず、ハンドルを殴る。]
廃れてやがる。…ははっ、良いのかもな。 俺にゃぁお似合いだ。
[頭をよぎっていた懐かしさは、 道中で薄れ、到着と同時に漸う消え去った。 バタンと降りると、彷徨うように彷徨き始める。]
(8) 2014/03/02(Sun) 02時半頃
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[建物は、何処か、彼方の遠望に見た、ような。 民家、商店、ほっぽり出された田の跡。生い茂る草木は人間の営みを鋒鋩と小馬鹿にしているようで、その切っ先を天に向ける。建物の爛れた灰壁。孔となった窓辺は、真っ黒な瞳が此方を覗きこんでいるようだ。
廃墟。無貌の美しさ。 俺とは全くの無縁だ。]
―――?
(14) 2014/03/02(Sun) 03時頃
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[ふと、人の姿が見える。>>11 かと思えば、挨拶なんてしてきやがった。 ウチの若い衆位の年齢だろうか。
何より可笑しいのは、 こんな土地で人に会うということだ。
あの男は幽霊かなんかか。 ねぇなと思い至り、盆の窪を掻きながら、応える。]
…ぉう。こんな辺鄙な所で人に会うとは面白ぇ。 どうかしたかお前さん。自殺志願かそれともおばけか? [かっかと笑い飛ばし、適当を並び立てる。 俺みてぇな奴が集まるわけでもあるめぇし。 人の縁とは愉快なものだ。言葉を発するのは、野太い声。]
(15) 2014/03/02(Sun) 03時頃
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ほぉ。物好きも居るもんだ。
[言葉は飛び出す。さーくる、ってやつか? いや、言い方からして…まぁ、いい。 何処か乾いていて、口調も軽いものだ。]
……動揺しなさんな。変に勘ぐったりしねぇからよ。 [と、目聡く薄まった瞼の隙間から男の顔貌を覗き込み、 言葉を残す。何もかも終わりの雰囲気が漂っている。 だからこそ俺も此処に来たのだから。]
旅、ねぇ。知ってっか。 この村は、星がてんで能く視える。
俺なんざの傷ついた心にゃぁ、癒やしよ。 宛てもない旅。お前さん、帰んのはお前さんの家ならええの。
[俺の、希望でもあるのだろうか? 老婆心ながら、俺も小言言うようになったもんだ。]
(18) 2014/03/02(Sun) 03時半頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2014/03/02(Sun) 04時頃
[神様。
もうあの子のいない世界なんて、私にはどうでもいいのです。
あの子を苦しめた世界。助けなかった人たち。
そんなもの、全て壊れてしまえと願ったのです。
だから私は殺さなくちゃいけない。
真衣。貴方は馬鹿なことをするなと怒るかしら。
きっと肯定してくれるはずよね。だって、貴方は世界にも人間にも苦しんで泣いていたじゃない。
大丈夫。お姉ちゃんが全部、壊してあげるから。]
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[へっ、心持ち強ぇじゃねえか。 意地張った奴は好きだ。後ろ暗い感情も、 彫り込んで行けば立派な人間だ。
あくどいにやけ顔を浮かべて、漏れるのは豪儀な声。]
餓鬼の頃にな。 覚えてンのを辿りゃ。過去のまんまだ。 寂れ廃れてんの以外はな。噂にゃあ聞いてたんだが…
[意味深な台詞を吐き、老獪とも取れる雰囲気を醸し出す。 遠くを眺めるようなくすんだ瞳。 古友の顔を想起したり、人生懐古。]
…お前さん。名は? 俺は段勇。階段を勇んで登る、って書く。 人のいる場所にゃ行ってみてえ。
教えてくれるか?
(24) 2014/03/02(Sun) 12時半頃
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[ふと向き直ると、人の消えた村。 集う人間の顔が見てやりたくなり、 道順を乞うた。**]
(25) 2014/03/02(Sun) 12時半頃
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―――尤も。
―――牙を隠す男は。
―――気息奄々。
―――死出の旅路の道連れを。
―――撰んでいるのだが。
[少女は独善を振りかざす。
妹が生きているうちに出来なかった、「姉」としての行いをしようとする。
――だって妹を守るのは姉の役目でしょう?
奈落は束の間の楽園へと変わる。
少女はもう戻れない。
失ってしまったものを諦めるには、あまりに幼すぎるから。
「姉」として行おうとしていることに、溺れているから。]
[私が 失ってしまったもの。
それは思いを言葉にする力。そして――]
[人を殺すことなんて出来ないと思っていた、妹を失う前の自分]
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ふむ。では政坊よ。頼もうか。 人が居るってこたぁ宿にもなんのかね。 車で行くか。
[馴れ馴れしい態度は崩さず、乗れ、と告げる。 俺と同じく乱暴なトラックの車体からエンジンを吹かし、 ガタンと揺らし。舗装も儘ならない道を案内の儘に進んだ。]
ここかね、丁度ええ。 誰かおるなら肴にでもなるだろぃ。
(50) 2014/03/03(Mon) 00時半頃
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[大きな音を立ててドアを閉める。
建物の中に誰かが居るのであれば、文明から閉ざされたこの村にあって車という文明の利器―といっても、ボロだが―の気配に気づくだろうか。
助手席や座席の下には庶民的な酒から、 和紙に包装された高そうな酒瓶が、雑に転がっていた。
紐で括ったそれをニつ三つカランチャンと鳴らし、 車を降りれば中に入っていくだろう。後ろに政人は付いてきた。 まるで、付き従う姿が様になっているように。 イマドキの若いのとは違う、妙な雰囲気を纏いながら。
部屋を探し、誰かが居るのなら驚きの声とともに、 挨拶を交わすだろうか。]
(51) 2014/03/03(Mon) 00時半頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2014/03/03(Mon) 08時半頃
[ねえ、真衣。
貴方が好きだって言っていた人、もしかしたらあの人かもしれないわね。
なら、あの人を殺せばあなたは喜ぶのかしら。
――まあ、最終的には皆死ぬのだけど。
誰から殺しても同じね、きっと。]
(まさか、私と同じような人はいないでしょうし)
[少女は歪な未来を描き、至極満足そうに**]
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[矢鱈と人の多いこって。 ふんと目を薄らめて声を残す。
端に映ったのは会釈を拵えた少女。 人死の闇の見えた気がした。
すると、怯えた鼠の視線を感じる。 不思議に思い、出処を探せば。]
…そこの坊主。 なんにビビってんだ?
[女々しい姿。瞳を翳して隠れるような姿は。 どこか、鬼の臭いがした。クセェ、鬼の匂いが。]
(61) 2014/03/03(Mon) 22時頃
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[手前に見ていたのは。 遠くて近い―想い出。] ――――………
―――どうだい。もうやめにしねぇか?
―足を洗って。
―元手はあるんだ。
―ほら、そうだな。南の島にでも逃げて…
―――どうだい?
――――……… [そして、発砲音で。我に返る。
ちがう。こいつらは暗い。―――より。―――より。 堅気。しかし、深い闇をたたえている。 反応が返るまで、酒瓶を鳴らし、皺を顰めて、見ていた。
(62) 2014/03/03(Mon) 22時頃
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[ここに集った。こいつらを。]
(63) 2014/03/03(Mon) 22時頃
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[鼻をひくつかせ、瞳を眺めた。この女は。]
―草の焦げた匂いだ。
[淵叢に居れば、厄をばら撒く。]
―しかし。軽い。まだ、軽い。
――――――あなたも、おなじ?
[誰にも届かない。声に乗らなかった呟き。
彼も自分と同じなのだろうか。人としてあるべき道を外れ。
闇や影の色を纏った 災厄の]
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―ん?…名前、どっかで聞き覚えがあるな。
[此方も名を名乗るが、しかし、胸に閊える物がある。 すんと、嗅いでみた。]
嬢ちゃん。あんた、えらくクセェじゃねぇか? 躯から滲んでやがるぞ。
扱ってた闇と、壊した心が。
(67) 2014/03/03(Mon) 22時半頃
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[風の噂にでも聴いたのだろうか。 しかし、自らを信じるに限る。この女は―]
まぁなんだ、酔狂なこって。 お前さんも、やってたんか?
[何かを察した顔で、 言にはせず、ふんと笑い飛ばした。
そして、ぴらと音を聴けば。ぴらと響めく切っ先の音を聽けば。]
おぅ。
[妙な既視、感?]
(68) 2014/03/03(Mon) 22時半頃
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[吸込まれる。存在の叫びが。
悪魔を秘めた、曼理皓歯。
八重の牙が見えた気がした。]
――へっ。
[眼光にて、威圧を。
人死に関わる恐怖を発しても、尚この女は立つのか。]
[眼光に灯る威圧。
立ち上がった少女は、彼にしか見えない位置で。メモをのぞかせた。]
『貴方も同じ?』
[暗い色を宿し、まるで底なしの奈落のような瞳で。
じっと男性を見つめる。]
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段だ。段勇という。
[起きた女。>>66>>74艶めいた寝ぼけ姿も、何処か異郷の感がある。]
随分とおやすみなこって。 ははっ、まさか住んでるわけじゃ、ねぇよな?
[廃れた村にいて、やけにみな暢気なものである。 浮世の感。なにかの起こりそうな、雰囲気。]
(75) 2014/03/03(Mon) 23時頃
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[後悔の色。ためらいの色。>>70>>72 どうしようのない現実を受け入れた、諦観の色香。 若い躯に潜んだどどめの色は笑みで掻き消される。]
おりゃぁ要らないねぇ。 飽きた世に残るのは酒だけ。酒さえ有ればいいのさ。
あんたが舌で転がして、 身を滅ぼす心地でも味わえばいいんじゃねぇのか?
壊れるのは最高の悦びと聞くがな。
[かははと乾いた笑いを飛ばし、誂うでもなしに巫山戯る。 こういうのは護身役でいい。実際に話をするのは上役だ。 俺は適当に流し、すげなく断わりの言葉を入れた。]
(76) 2014/03/03(Mon) 23時頃
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段、勇だ。どうしてか。
[問いかけに言葉を放った。>>71]
俺は人への手向けと、もう一つ。やり残したことがあるのさ。
[言葉は、意味を通じない。 俺がわかればそれでいい。適当並べた、言葉。]
(79) 2014/03/03(Mon) 23時頃
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[蒸し暑い、逃げ出した先の森の山荘の想い出。]
――…どうだい?
――…そうだな
[瞳は死んでいたが。俺は生きていた。]
[文字に成った声は内密に届く。
蠱惑の瞳。崩れた心。それに俺は――]
違うな。俺はお前さんとは本質が違う。
[しかし、無垢な黒の瞳。
無辜の罪でも味合わされるかのような心地。
生唾を飲み干した。]
だが、同じだ。俺とお前さんは行き着く先が同じだ。
[隠れた彼女にだけ向けられた表情で。
目端を拉げ皺を集め、厭らしい笑みを浮かべた。]
お前さん、飲めるのかねぇ…?
[楽しげな言葉。杯の提案。どこか嬉しげに。]
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はっ、いい顔すんねぇ。
[苦痛を受けてきた、忍耐の色。>>77 狂おしい程の馬鹿らしさ。]
親父。
[遠い昔の父親代わり。 叔父貴はもういねぇ。]
餓鬼の躾は不格好な暴力制裁、ってか? んで、逃げでもしたか?
[真に鼠か否か。齧歯を持つ窮鼠か。 掘り下げて、知ることこそおもしろき。]
(83) 2014/03/03(Mon) 23時半頃
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