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[青年は笑う。裏表など微塵も感じさせない、緊張感のない笑顔で。]
お嬢様・・・・・・
[現れた人形が主人に甘える姿に、目を逸らしそうになるのを理性で抑え込み、平常を装う。]
・・・それでは、夕食の準備が整い次第お呼びにまいります。
[手短に告げて部屋を出る。扉を閉めると、そのまま寄りかかり小さく言葉を漏らす]
・・・・・・おとうさま・・・
[呼ぶ事を許されない呼び名]
【人】 奇跡の子 カリュクス―― 国立総合病院 ―― (62) 2011/01/14(Fri) 01時半頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス[フードに埋もれた小さな頭がふらりと揺れる。 (65) 2011/01/14(Fri) 02時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス[もぞもぞとポケットに手を入れると (70) 2011/01/14(Fri) 02時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス―― 国立総合病院→広場 ―― (78) 2011/01/14(Fri) 02時頃 |
[なんでこんなに。
その言葉が示すのは、今日の資料がどうこうというような狭いものではなく。
この数年ずっと抱いてきた閉塞感]
何で頑張ってんだっけ、俺。
[空しい言葉は雑踏に紛れ、どこにもとどかない]
【人】 奇跡の子 カリュクス[お財布の中には銀色の硬貨が3枚。 (84) 2011/01/14(Fri) 02時半頃 |
―自室―
[重い資料を床に投げ出し、上着もそのあたりに脱ぎ散らかして部屋を行く。
白い封筒を丁寧に開けるようなことはせず、びりびりと上辺を破って中身を取り出した。
中身は便箋が二枚と、一枚の写真。
写っているのは青年とよく似た中年の男性と、それと比較して随分と若い女性]
―――。
【人】 奇跡の子 カリュクス
(88) 2011/01/14(Fri) 02時半頃 |
[文面にざっと目を通すと、写真ごとぐしゃりと握りつぶす。
何度も、何度も―――中身が見えないよう、ぎゅっと握り固めて。
それも部屋の隅へと投げ捨てた。]
………
[ぼふ、とやわらかい音と埃を立ててベッドに倒れこむ]
……母親面、しやがって。
[呟いた声音は、普段の軽い口調とは打って変わった――暗く、低い唸りのような音だった**]
【人】 奇跡の子 カリュクス
(93) 2011/01/14(Fri) 03時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(95) 2011/01/14(Fri) 03時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(98) 2011/01/14(Fri) 03時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス―― 翌日・自宅 ―― (185) 2011/01/14(Fri) 17時半頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス[愛犬は木の上の何かに向かい、わん、と一吼えした。 (186) 2011/01/14(Fri) 17時半頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(188) 2011/01/14(Fri) 17時半頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(190) 2011/01/14(Fri) 17時半頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(194) 2011/01/14(Fri) 18時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(199) 2011/01/14(Fri) 18時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(202) 2011/01/14(Fri) 18時頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(203) 2011/01/14(Fri) 18時半頃 |
【人】 奇跡の子 カリュクス
(205) 2011/01/14(Fri) 18時半頃 |
[クレープ屋が面した通りを、ひゅうと一枚のチラシが飛んでいく。
派手な色彩と独特のデザイン。
内容は見なくてもわかる。先日隣町に行った際、これと同じものが沢山撒かれているのを見たから]
――これも人工生命排除運動の一環か。
全く、過激派はやることがえげつない。
[忘れもしない。徹底的に破壊された人形が横たわる姿。
その上に降り注ぐあのチラシ――モノに心は、魂はいらぬと。
そう主張する紙切れが、何百枚と風に吹かれていた]
[そのチラシを撒いたのが隣町の襲撃犯と同一なのか、便乗なのかまではわからない。
自分にとってそんな細かいことはどうでも良かった]
あの時の人形は……
[事件現場の凄惨な光景が、ずっと頭から離れない。
そして、あれを見た時の不思議な高揚感も、なかなか忘れられなかった]
あの女に似てた、な。
[狂気に満ちたチラシが舞い散る中で、己は静かに笑っていたのだ]
[頭ではわかっているのだ。
自分は父親が入れ込んでいる人形の女が気にくわないだけで、人形そのものに辛く当たるのは間違っていると。
それでも、心の中にはずっと…
人工生命など最初から存在しなければ良かったのにと、そう思う自分が居た。]
【人】 奇跡の子 カリュクス
(209) 2011/01/14(Fri) 19時頃 |
[好きになろうという努力はした。
元々の人形史という専攻を生かして、理解しようとした。
しかし、心の中に芽生えた暗い感情は完全には消えなかった。
研究に没頭して、昔よりずっと深い人形の知識を得ても]
…やっぱ、無理なもんは無理なんだよな…。
[あの光景が、自分が苦心してしまいこんだその感情を一瞬で呼び起こしてしまったのだ]
…嫌なタイミングで嫌な奴に会っちまったなあ…
[クレープをほおばりながらぼやいた言葉は、
周囲からはもごもご行儀の悪い音にしか聞こえなかっただろう]
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