94 眠る村
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[深い霧が村全体を覆う]
[全ての人が寝静まっても]
ふふ…、
[ 女の笑い声がひとつ ][ *響く* ]
[くすくすくす――]
[遠くて近い 嗤い声]
[満ちてゆく――、 嗚呼、]
[狩り場を覆う、深い霧]
[白く、しろく――]
[この村を、覆いつくす*まで*]
[浮かび上がる刺青に触れ、流れ込んだのは。
知る、と同時に、知られることを、知る。]
あ――ハハ、
まいったな、因縁ってやつかな。
[さりとて声にはひとつも焦りがみえず。
このゼロという人狼には元来緊張感というものがない。]
説明し難いな……
まぁ、じきにわかるよ。
[ともらす声は、宿主の記憶を貪る甘美な余韻が*残る*]
[まだ宿主は目を覚まさぬ時]
[静かに、けれど確実に 女の記憶を確かめゆく]
なるほど、ねェ…
[ 大切な家族 同僚、幼馴染 ]
[ そして ][ 恋人 ]
[元の宿主であったグロリアといった名前の女]
[白い霧にまぎれて、もう用無しと ――――]
[けれど慎重に][そして、残酷に]
[エイトと呼ばれる人狼は慎重に事を運ぶ]
ゼロ、…?
[共に成り変わる相手を探していた仲間の名を囁く聲]
[忠誠的な声色は、宿主である女の聲とは異なるいろ]
どれ、起きてみようかァ。
やっかいだなァ。
[左の胸に浮かぶ痣に対してぽつりと零す愚痴]
[人狼と人とは古から、因縁深い相手同志]
[それ故にお互い知識を蓄えながら今に至り]
[魔術][白い霧もまたそのひとつなのかもしれず]
[この痣による加護もまた、同じ匂いがする]
だけど、どぉせ夜になったら関係ないさ。
[狩猟する側であるエイトは、宿主を操りながら][小さく嗤う]
……―――エイト。
[仲間を呼ぶ声は甘く柔らかい。
ルーカスという紳士の体を捨て、選んだのは自分に自信のない女。
性格や性別を超え、全く違う人間に寄生したがるはいつものこと。
元の性別なぞもはや忘れたと、ゼロは謂う。]
うん、そうだね。
厄介で、とてもおもしろい―――
[と述べる中性的だがやや高い声は、予測の範囲には入る。]
それより今度の宿主は矛盾だらけで楽しいよ。
魔術師の子孫は、普通の人間より美味しいのかな。
[夜が待ち遠しいねと笑う声は*やはり軽い*]
面白いか、ゼロらしいねェ。
[この状況を楽しんでいるような言葉を褒めるような声色]
[仲間][それを呼ぶ声色はこちらもまた、柔らかい]
[エイトはゼロとは異なり寄生した人間の喰らった記憶を今も楽しむ]
へェ。
[矛盾だらけだという宿主][寄生主の記憶を辿りながら]
こっちは―――
また、いい聲で啼いてくれそうな女だ。
[今度選んだのは、護りたい大切な者が多すぎるくせに甘い女]
[人の味以外も味わうことを好む、エイトという人狼]
[寄生した女の記憶は甘いだけではなく、それがまた悦を呼ぶ]
魔術師の血は、どんな味かなァ。
ああ、そうだな。楽しみだ。
[いつもと同じ、ゼロの軽い笑い声が届く]
[月が昇るのを待ち遠しく、太陽を忌み嫌う]
[まだ、この村の加護がどれ程かを知らないまま]
[喰らった魂から聞こえる叫び聲]
[大切らしい妹を抱きしめる姉の姿だというのに]
[嗤えてくる]
子供の肉はねェ
好物なんだよ。
[内側で叫ぶ寄生主を甚振る言葉を落とす]
……――目覚めるといいね。
かわいくて、 おいしそうなおちびちゃん。
こっちはどうやら目覚めないらしいよ、"たいせつなひと"。
ざんねん。
……ごちそうは、とっておくのもすてきだけれどね。
[ごちそうと言うには、老婆かぁ、と拗ねる色ふくませて]
せめて良い声で啼いてくれるといいんだけどなァ。
エイトの方が、"おいしそう"かな。
[だってこの子は――――
宿主が気づいていない事実に、ゆがんだ笑み。]
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[夢を見た。
夢の中のお月様は、真ん丸真ん丸、まっかっか]
(55) 2012/06/14(Thu) 20時頃
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―自室―
[温かいぬくもり。抱きしめる腕は、どこか息苦しいほどに]
――――…うー?
[目を開ければ、姉に抱きしめられていた]
ローズ姉ちゃー?
いいこ、いいこよー。
[それが何かに怯えているように見えたから。 小さな掌は、姉の頭をぽふぽふと撫でる]
(56) 2012/06/14(Thu) 20時頃
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ゼロは、好きなものを
最初に食べる?
それとも、最後に食べる?
[くつりと含み嗤いをひとつ]
ゼロにも聞かせてあげたいよ、
この女の聲。
[エイトは女の魂の欠片を手の内で転がす]
"たいせつ" か。
[ぽつり][静かに、少し低く囁く聲]
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[少女の左顔面には、 丘に咲いていたのと同じ花の紋様が綺麗に浮かび上がった]
あううー。
ティモ爺ちゃー。
[姉に手を引かれて、祖父のもとへ。 彼もまた、悲しそうな顔をしていた]
うー、うー?
ローズ姉ちゃも、ティモ爺ちゃも、大事大事、よー。
[祖父の頭も撫でようと手を伸ばした。届かなかった]
(58) 2012/06/14(Thu) 20時頃
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んフ、そうだね。
――食べたいときに 食べるね。
[含み笑いに返す声は、くすくすと嗤う。]
聞きたいなぁ、 きっと、あまくておいしい。
――フフ、クラリッサは、まだクラリッサ だよ。
[食べたいときに、食べる。
自らの正体を知る時、彼女はどんな叫び声をあげるだろう。
悪趣味な人狼は、"バラす"タイミングを考え、楽しむ。
魂はもう、喰らった。
今生きているのは、その魂を喰らった人ならざる力のおかげ。
――ゼロなしでは自分はもう生きられないと、知ったなら。]
たいせつなもの、どこまで守れるかな。
[ぽつり、囁くエイトの声に囁く声には*含み笑い*]
[エイトはゼロの趣向も好む]
[だから、口出しはすることはない]
いいね。
[そうでなければ、こうも永く共に狩りをすることもない]
好きだよ、ゼロ。
[成りかわることで][人間を喰らう事で]
[――― 生き続けられる ”人狼” ]
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[姉に手を取られてか。それとも不安定な空気を感じ取ってか。 少女の小さな手は、左顔に咲く花へと添えられる]
[その瞬間、大きく大きく、目を見開いた]
(68) 2012/06/14(Thu) 20時半頃
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うー! うー、うー!!
(69) 2012/06/14(Thu) 20時半頃
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うー! じんろ、じんろ。 うー、うー!!
(70) 2012/06/14(Thu) 20時半頃
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ハナは、家を飛び出した。足取りは宿の方へ。
2012/06/14(Thu) 20時半頃
お使い ハナは、メモを貼った。
2012/06/14(Thu) 21時頃
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[一人、とたとたと道を駆ける。 すばしっこくは見えるが、幼い足取り。 姉が追いかけてきているのかは、分からないが]
うー!うー!!
[まだ身支度もままならない、 寝間着にカーディガンを羽織っただけの格好で]
(72) 2012/06/14(Thu) 21時頃
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―宿―
[ばん、と扉があいた]
うー、うー!!
[ぜえぜえと、息を切らした小さな体]
じんろ、じんろ!
[それから、きょろきょろと辺りを見渡す。 やがて旅の客人が泊まっていたであろう部屋に辺りを付けると、 とてとてと駆けて行こうとした]
(78) 2012/06/14(Thu) 21時半頃
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[小さな鬼気迫る姿は、 まるで姉の声もフィルの声も聞こえていないように。
しかし大人や少年の足取りならば、 宿に着く頃にはほぼ追いついているだろう]
(79) 2012/06/14(Thu) 21時半頃
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…はうう!?
[駆けて行こうとして、伸びる手に引き留められた。 体勢を崩してすってんころりん。 後ろ頭を元気よくぶつけました]
あう…。いたーの。
(83) 2012/06/14(Thu) 21時半頃
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