145 異世界の祭り
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[‘爆弾魔’を追い掛けて、男は段々と屋台群から離れていった。 人が少なくなった分、追跡は楽になったとも言えるが。
もしかしたらおびき寄せられているかもとか、爆弾を投げつけられるかもといった可能性−実際、追い掛ける相手は別の事で頭が一杯だったのだが−は考えもせず、只ひたすらに走り。
−やがて到ったのは射的屋の裏手。]
(5) 2013/09/19(Thu) 01時半頃
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− 射的屋の裏手 −
[普段あまり運動をしない男は、彼女以上に息が乱れていただろう。 けれど、目的の姿を見つければそっと息をつく。]
−貴方が爆弾魔さ 『逃がさないわよぉ?子猫ちゃん。 あ。恨み言は、心配性なこの人に言ってねぇ?』
[被せるようにして男の口から聞こえてきたのは、違う存在の声。 声質自体は男のものだったかもしれないが。
彼女が逃げるのを阻むように距離を詰めながら、にっこりと‘彼女’は微笑み。]
(9) 2013/09/19(Thu) 01時半頃
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『おやすみなさい、よい夢を。 …えーい!』
[思わせぶりな言葉を紡いだ後、緊張感のない声を上げながら黒檀のステッキを振るう。
命中すると共に馬の鳴き声のような音が響き−爆弾騒ぎや祭りの喧騒で何処まで聞こえたかは定かではないが−、爆弾娘を昏倒させた。]
(13) 2013/09/19(Thu) 01時半頃
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[彼女の身体が地面に倒れた瞬間、主導権は男に戻る。]
…はっ。 あ…っ! あの、大丈夫ですか?
[男は慌てて昏倒してしまった彼女に駆け寄ると、身体を揺すり…]
…え? 女の子だったんですか?
[やっと勘違いに気付いてうなだれた。]
(14) 2013/09/19(Thu) 01時半頃
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『ヤったかァ?
表から見てっとウケるよなァ、
兄ちゃんの背格好と声であんたの喋り方ってェのは』
僕もお前さんに操られてる時は珍妙な感じなんだろうか……
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[爆弾魔とはいえ、身体の主導権があちらに移っていたとはいえ、‘年頃の娘さん’にステッキを振るってしまったショックでうなだれていると、ペラジーがやって来る。]
…ペラジーさん…。
[男は顔を上げて彼女を見上げる。]
(18) 2013/09/19(Thu) 01時半頃
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…やってしまいました…。
『何、死にそうな声出してるのよぅ。情けないわねー。』
…だって男性だと思ってましたし…!
それに私の声であんな…あんな…!
『もう、失礼ねー。』
うぅ…。なかった事には出来ませんよね。
この方には後で謝らないと。
『面白ェからもっかいやらねェ? 兄ちゃん。
景気付けに一杯奢ってやんよ。』
やめてれよ……
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そ、そうですね。 このまま寝かしておくわけにはいきません。
[はたと気付き、倒れた爆弾娘を起こそうとする。物影から少年に見られているのには気付いておらず。 どうした、と問われれば。]
…だって、男性と間違えていたとはいえ女性にステッキを振るうなんて…。
(26) 2013/09/19(Thu) 02時頃
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ええぇ…?!
『あたしはやってもいいわよぅ。』
…必要に迫られたら、やらざるを得ないでしょうが…。
『開き直ったー!』
事実を受け止めているだけです!
…後、お酒はあまり得意ではないので。
『良いねェ、こいつよりヤる気あんじゃん。』
久々の娑婆の空気くらい、もうちょっと平和に吸いたいさ。
……操られて狼藉働くよりはマシと取るか、
操られてるって言い訳を取るかだよな……
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えっ。 この方に殴られるならともかく、ペラジーさんにですか?
[腕を回すペラジーの言葉にぎょっとしたように目を丸くして。 殴られそうになったとしても避けはしないが、肩は竦める。]
(40) 2013/09/19(Thu) 21時頃
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−そうですね。 取り敢えず、村長さんの家まで。
[男は頷くと、ペラジーの助けを借りて爆弾娘を村長宅まで運ぶ事にした。 もし借りれるようであれば担架を借りて。]
(41) 2013/09/19(Thu) 21時頃
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− 村長宅 −
[男は爆弾娘を村長宅に預ける事にした。
念の為、手荷物は彼女の身から離しておくようにと忠告しておく。 理由を聞かれたなら、発煙筒−発煙弾とは言わないでおいた−を持っていたから、と答えて。 不用意に触れないようにとは言っておいたが、彼らは祭りの方が大事らしく本気にしたかどうかは分からない。
そしてついでのように祭りの村長が倒れた事を聞かされれば顔を曇らせる。 あくまでも祭り優先な彼らの態度には苦笑を浮かべるしかなかった。]
(42) 2013/09/19(Thu) 21時頃
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−どうもありがとうございました。 とても助かりました。
[そして手伝ってくれたペラジーに頭を下げてお礼を言う。
グレッグ達がまだお茶をしていたなら、彼らに声を掛けて犯人探しの進捗状況を聞いただろう。**]
(44) 2013/09/19(Thu) 21時頃
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べ、別にやる気なわけでは…!
『一度やったら癖になるわよぅ?』
癖になったら困ります。
…ペラジーさん、祭りを楽しんで下さいね。
『どっちがァ?』
どっちって、口調と?
どっちが癖になってもそれなりに問題なんじゃないか、
特に彼のような常識人は。
……うん、意外と異世界の食べ物ってのもいけるものだね。
そこは貴重な体験をしたなぁ。
言ってるディーンの方が、楽しめてるのか懸念されるが。
『オレ今ちょっと楽しい事考えてる。』
うわあ嫌な予感。
どっちも困りますよ…!
『えー。異界に来て新しい自分を発見するのもいいじゃない!』
勘弁して下さい…。
『ぶーぶー』
面白い事…?何かありました?
『あ、この人は意外と楽しんでると思うわよー。』
まぁ、普段会社勤めでこんな風に祭りに来るなんて事ないですからね…。
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[ペラジーの気安い返事には淡く笑って応じつつ、犯人を探さなければという言葉には苦笑して]
…ですねぇ。 うーん、私も正確な人数まではよく知りません。
[知っている人はいるだろうかとちらと見つつ。
お茶会に混じって、お茶請けの菓子を見ていると、道場破りめいた少女の声が聞こえてきたか。]
(83) 2013/09/19(Thu) 22時半頃
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あ…はい。そのようですね。
[少し嫌な予感はしつつも、グレッグに応じ。 彼が場を後にするようならばそのまま見送る事にして、自分は声のする方へと向かう。
−そして沙耶がペラジーに向かって毒々しい色をしたステッキを振るおうとするのが見えた。]
(87) 2013/09/19(Thu) 22時半頃
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『ちィッ、バレたか!?』
彼女にも"眼"があったか、はたまた当てずっぽうかな……!
『どっちにしろ切り抜けねェと話にならねェ。』
策は?
『なくはねェが、分が悪ィ』
方法を教えろ。
『やるとしたらタイマンになってからだ。』
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と、取り敢えずって何なんですか…!
[ステッキによる昏倒はないようだが、男は青ざめて叫ぶ。]
(90) 2013/09/19(Thu) 23時頃
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大丈夫ですか…?
それにしても、何でばれてしまっているんでしょう…。
『んー。下手売っちゃったかしらね。
ねぇ、何かあるならあたしも手伝うわよぅ?』
『テメエのケツは自分で拭くさァ』
二人も、となると偶然ではなさそうだしな、
そっちも警戒した方が良い。
…分かりました。
『−あんた達も気をつけなさいね?』
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[少年の言葉に男は顔を強張らせる。 指先と視線は真っ直ぐに向けられていたから、自分に対してである事は疑いようがない。 男はそっと息をつき。]
−自信があるようですが、何か根拠でも?
[困ったような笑顔を浮かべて問い掛ける。]
(98) 2013/09/19(Thu) 23時頃
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[少女の注意が此方に向けば一瞬身体を固くするが、彼女はすぐに自分にステッキを向けるつもりはないらしい。]
(いや、大人しく待ったりはしませんよ?)
[と胸の内で返答しつつ、少年からは視線を逸らさない。]
(104) 2013/09/19(Thu) 23時頃
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