207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2014/12/11(Thu) 01時頃
『ああ……美味しい』
ああ……不味い。
[重なる聲と血を啜る音。
蕩ける血の味に、爪の先まで満たされて。
今本当に人では無くなったのだと。
泣いていた赤子が笑う代わりに……何故か泣きたくなった。]
血腥い……。
[翌朝。ベッドの中にいる私を覚醒させたのは鮮やかに漂ってくる血の芳香であった。**]
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─ 甲板、船首楼へ ─
[甲板に出ると、いくつかの話し声が聞こえていた。 しかしそれらに加わろうとすることも、近付こうとすることもなく、暗がりに足音立てぬままで、船首へ向かう。
心なしか、今夜は波音も静かだ。]
(6) 2014/12/11(Thu) 01時半頃
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[夜の海は静かでいい。 だからこうして、時折、夜風に吹かれにくるのだが、今宵はその風も穏やか……いや、殆ど無い。 航海術に疎い男は、別段、それを気にすることもなく、寧ろ波が静かで佳い、などと思っていた。
たまに見かける夜釣り趣味の男も、今日はいない。 尤も、いたところで、やはり自分から話しかけることなど無に等しいのだが。
見上げた月は、真円を描いていた。
まるく、船を照らす月の色は、まるで淑女から吸い上げた血のように、朱く。
それを見上げる男の瞳は、絶望を己の血肉に蓄えるかのように────紅い**]
(12) 2014/12/11(Thu) 02時頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2014/12/11(Thu) 02時頃
[どこからか血の匂いがする。
淑女とのダンスでこびりついた臭いではない。
新鮮な、食欲をそそる血肉の匂い。
一体、誰の仕業か。
考える必要は、あまりなさそうではあったが。
絶望の芳香に、ひそかに、喉を鳴らす。*]
[この血生臭さに、どうしても咥内が涎で満たされる。**]
風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2014/12/11(Thu) 19時半頃
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[波も風も静かな夜は、船尾でかわされている会話もよく聞き取ることができた。 尤も、聞こえたからどうするということもなく、ただぼんやりと朱い月を見上げるのみだったが。]
[やがて自室へ戻ったのは、まだ空も海も黒に支配されている時間帯。 音のない黒い影に、果たして気付く者はいたろうか。]
(44) 2014/12/11(Thu) 20時頃
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[部屋に戻る前、芳香に誘われるよう、船底の牢へ足を向けた。
引き裂かれた骸は、誰の手に依るものか。
大方の予想はつくが、無論、責めるつもりなどない。
かといって賞賛するでもない。
この捕虜が、人狼がいると騒いだとか、そんなことはどうでもいい。
身の危険など、今更なこと。
ただ、絶望の波紋が広がるさまを、この目で見に来たまでのこと。]
……いい貌だ。
[絶望の中、息絶えたであろうサイモンの顔を見て、無機質な声を零す。
絶望は畏れを産み、畏れは絶望を喰らい、成長する。
産声あげた畏れの行く末を、愉しむかのように。
ほんの微かに、唇の端が持ち上がった。*]
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─ 翌朝 ─
[深く眠ることはない。 眠るときも、鉤爪は常に傍に置く。
ヘクターの声>>41には、扉を叩かれる前から気付いていた。 もっと言うなら、騒然とする下っ端達の声や、珍しい船長の怒号も聞こえていた。 但し、「聞こえた」と「起きる」は同義語ではない。
なので身を起こすのは、ヘクターが扉を開けてからのこと。]
……壁が壊れる。
[寝ぼけているわけでも何でもなく、いつものように感情の殆ど無い顔のままでそう呟いて。 それから漸く、甲板への移動を始める。]
(53) 2014/12/11(Thu) 20時半頃
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知っている。 これから向かう。
[>>55そのわりに、行動はマイペース。 欠伸などしつつ身なりを落ち着かせると、無音でヘクターの後に続いた。]
壁が壊れるとリーが怒る。
[甲板へ向かう途中、質問じみたことは何もしなかった。 かわりに、彼の所業か他の誰かの仕業かは知らないが、大きな壁の凹みを見つけ、独り言のように言った。*]
(59) 2014/12/11(Thu) 21時頃
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ヴェラは、ヘクターに続き甲板に着くまでに、もう4度ほど欠伸**
2014/12/11(Thu) 21時半頃
風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2014/12/11(Thu) 21時半頃
そうだ……俺は……ヒトじゃ無くなったんだった。
[舌に食い殺した血の味が蘇る。
同時に胸を締め付けるこの感情は………。]
は、はははははっ。
もう人間じゃないのに、何、人間みたいな事思ってるんだか。
[渇いた笑いを絞り出して、最後に1つ自嘲を重ねた。]
ミナカ、二人きりで話をしようか。
[私は甲板に集まった面々から嗅ぎ分けて仔犬の正体を的確に見抜いていた。なるべく穏やかに聞こえるように聲を風に乗せた。]
殺ス 殺ス カ ?
仔犬 仔犬 を
[断続的に拾っていた獣の“聲”は、
船長が云う重罪人に繋がる手掛かりとなり。
皆のざわめきに混ぜて落とした唸りに、
我知らぬまま、薄く困惑の想いが乗った。]
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─ 甲板 ─
[ヘクター>>65の呟きが聞こえてきたところで、態度を改めるでもなく、何らか反論するでもなく。 何を考えているのか分からないと言われた男は、その時、「リーだけでなくジェレミーも怒るだろうな」などと、船の傷のことを考えていた。]
[甲板に顔を出した時には、どれくらいの人が集まっていただろう。 誰がいて誰がいない、など、いちいち気にするはずもない。 せいぜい気にするとするならば、空に、面白い雲が浮かんでいるな、それくらいだ。]
(93) 2014/12/11(Thu) 22時頃
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そうだな、俺は仲間じゃない。
[船長の聲に静かに目を閉じる。
ヒトを、仲間を棄てたのは自分の方。
徐々にヒトで無くなっていたかも知れないが、仲間を棄てたのは
自分の意志だと自嘲を浮かべ。
やっと産声を上げ、紅いミルクを呑む事を許された赤子は死を拒む。
当然死にたくないと思う反面、殺されても仕方ないと、
むしろ死を望んだ方が良いかもしれないと思う片割れである己と。
混ざり合い、自分でも袋小路になった思考を、聲が突然
現実に引き戻した。]
……ああ。
[船長が同じ聲を持つ驚きよりも、
犯人を捜し出して殺せと命じた直後の呼び掛けられた事に驚いた。
彼には全てお見通しで、殺されるのだと怯える様に
顔を歪ませ掛けた赤子の感情を殺して、短く返す。
凪いだ波間の様に笑えていれば良いと思いながら。]
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[道化が事のあらまし>>72を、命令>>77を、冷酷な声で淡々と告げる。 それを聞きながらも、視線はやはり、雲に向いたままだった。 別に特別その雲が気になったわけではなく、ただ鴎が2羽、横切っていったので、それを目で追っていただけなのだが。
ところでルイスとは誰だ。 2秒考えて、思い出せなかったので、その程度かと無視したが。 あちらこちらから、ちらほら「見張りの男」という声が聞こえ、少し顔を思い出した。 思い出しただけだが。]
(103) 2014/12/11(Thu) 22時半頃
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ミナカ、いつ誰がお前を仲間でないなどと言った。
[返ってきた聲にイライラと返す。]
ギリー……仔犬のことは殺さない。
私が、殺させないようにする。
[思い出した顔は、当然、血に塗れ、恐怖を張り付かせた惨たらしいものだったが。]
……船長……ど、して?
[イラついた感情が届いたのか、一瞬身を固くしかけたが。
言葉の意味を理解すると恐る恐る船長を見つめる。
思ってもいなかった言葉に、多少動揺したのか、
赤子の不安を映した瞳の色は隠せないままだったが。]
……別に。
その、お前には死んで欲しくないと思ってるだけだ。
[ミナカの視線を直視出来なくて私は顔を逸らした。]
…… あの仔、生きル
[殺しはしない、させはしない、との言葉に、
赤子の泣き声を思い出し
珍しく、感情を滲ませた。
それは殆ど独り言のようなか細い聲で。
その後のふたつの聲による会話は
実際の周囲の声や音に紛れて聞こえなくなった。*]
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[追いかけていた鴎が小さく見えなくなったので、また甲板に視線を戻せば、何故だかフランクと目があった。]
どうした?
[じろじろ眺められている。>>104 だが別に不快感を出すでもなく、視線の主に、ゆるやかに訊ねた。]
(119) 2014/12/11(Thu) 23時頃
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…………。
[船長の聲も、ギリ―の聲も聴こえたが、
どんな言葉を口にすれば良いのか。
どんな表情をすれば良いのか、胸に沸くものを形にするものは
探しても見つからない。
ほんの少しだけ泣きそうな嬉しそうな、
困惑を混在させた表情のまま階下へと消える。]
私が気づいたときにはもう二人の死を揉み消すことは
叶わないくらいには人が集まっていた。
[船底についた私はミナカに話し始める。]
だからその、なんだ……泣き聲まで聞こえていたのに
事が起こるまで気付いてやれなかった私の落ち度だ。
済まなかった。
[それからおもむろに見張りをやっていた元仲間の死体の上に屈み込むと、]
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[推理めいたジェレミーの言葉>>114に、そこかしこから「俺じゃない」「あいつはどうだ」「いや知らない」と声が聞こえてくる。
いくつかの眼が、こちらを見たような気がしたが、視線を合わせようとすれば、それにもフイと逸らされてしまった。
「真夜中」に 「船底」で 「誰にも気付かれず」殺しが出来る奴……]
おれは出来る。
[ジェレミーに対し、それは、あくまで「出来る」という事実を伝えただけの言葉。]
(131) 2014/12/11(Thu) 23時半頃
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