60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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>>1:455 [腕の中で思考をめぐらせていれば、 それは唐突な言葉が聞こえた]
――は?
[振り返ると、覗き込まれるとは同時くらいだったか]
お前それはまたいきなりだな……、 もう少し落ち着いて考えた方がいいと忠告してやる。
そういう感じ、じゃなかったんだろ?
[何か少々やりすぎた観が否めない、 子供をいなすような口ぶりで、もう一度腕を軽くたたいて、 そこから抜け出そうとした]
(5) 2011/08/05(Fri) 00時半頃
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なんでなんで!? 僕はザック先輩のだって言ったのに!!
『だいじょうぶだよ、ただの練習』
『君が毎晩やってるのと同じ事さ』
『気持ちよかったでしょ?』
『きっとザック先輩も喜ぶよ』
ザック先輩、も……?
[挙げられた名前に、少年はぴくりと反応した。]
……なんてことなくなんて、ないよ。
[聞こえた言葉に、ぽつりと反応した。]
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[その距離は離れたけれど、 子供か犬のように萎れられれば、それはそれで困惑した]
ああ……じゃあ、 キスしていいから、一旦帰ってよく考えろ。
[譲歩のように告げたのは、 単純にたかをくくったからだ。 もともと そんな感じ じゃないのだ。 だめな奴は、それで目が覚めるだろう、とそれだけ。
別の結論が出る可能性については放置した。]
(11) 2011/08/05(Fri) 01時頃
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ん〜 そうだね〜。
俺もセカンドはとってあるからな〜。
[とってあるのではなく、「する機会がなかった」の間違いであるが。何気に、ヘクターに水を飲まされる時に奪われているのは知る由もない…]
口のキスは大事だね〜。
[相手が中等部の生徒というのもあり、同調しておいた。]
[そんなものに夢を見ていた頃が、自分にもかつて在ったけれど。
それは無残に踏み躙られ散らされる前。
恋というほどには成長しきらなかった、仄かな思いを胸の中で大事に育てていた頃。
そんなものなんて幻想に過ぎなかったと、身体にも心にも深く深く刻みつけられたから。
フレンチ・キス程度にそんな思いを抱いているというのなら、
不浄の所を清めるかのような口淫なんて、どんなことになってしまうのやら。]
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後半もちゃんと聞いてるのか、お前。
[性急な仕草と、露骨な言葉。 さして気にした風でなく、深いコバルトの双眸は閉じられる。 手入れなどしてるわけもない、少しかさついたくちびるは、 きっとその女の子と、触れたものとは違う感触だったろう。]
――……、ん
[触れるだけかとおもえば、温度が滑り込んでくる。 柔らかな粘膜の生々しい熱さは、肉の快楽の記憶を揺さぶるけれど。絡ませようとするそれに、応えるというよりも、適当にいなす。 通じたかどうかはわからない。
ただくちびるが離れれば、気だるい切れ長の眼差しが、 無言で示すのは扉の方向]
(24) 2011/08/05(Fri) 01時半頃
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…くだらない。
[ボソリと零す言葉のように、
心臓に絡まる呪いの荊棘は、どす黒く染まってねじ曲がっている。]
…………
[頭の芯が痺れるような、甘い毒に浸されて。
曲がった呪いの棘を咎めようとする気持ちも起こらない]
…エヴァンス君。
なんか、おれ、変だ……
…あぁ、おかしいとも。
俺も、君も…
[唇を介さない…まるで魂同士が触れ合うような会話だけではなく。
湧き上がる衝動はきっと、傍へ寄れば相乗効果で更に高まるか。
歯止めが効かない。感情が押さえられない。
おかしいと、心は警鐘を鳴らしているというのに…逆らえぬ。]
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>>25 [扉を示す眼差しは、帰ってよく考えろ、 事前に告げた言葉を正しく思い出させようとしただけ。 それが怯えさせる要因だなどと気づかない]
ん?ああ、 ……まあ気にするな。
[向けられた謝罪も、逃げるように出て行ったそれも、 単純に相手が同姓であること、で、目が覚めたのだとしか思わなかった。
結局、彼がシャツを忘れていったことには、しばらくしてから気づいたが、むこうもこの直後では気まずいだろう、と追いかけることはない]
(34) 2011/08/05(Fri) 02時頃
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―廊下― [下級生の気の迷いは穏便に収めたつもり、で。 拾い上げたシャツはいすの背にかけて。 困惑はゆるく首を振って、その表情から消した。 そして窓を振り返りつつ、扉へ向かう]
あー、もう大分陽が……大丈夫かな。
[まだ植物の様子を見れていない。 とりあえず中庭に出てみようか、と廊下へ出た。]
(42) 2011/08/05(Fri) 02時頃
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……外に、連れて出た方がいいかな〜。
[これから起きることを見学するつもりだったらしい。]
…別に、見られても構いはしなかったんだがな。
[下卑た視線に晒されながら喘いだことも幾度もあったから、もう抵抗など感じなかったし。]
興味、あったんだろう?
ひょっとしてお前…
[未経験だろうか、とかふと脳裏をよぎった。
ひょっとすると同じ薔薇の木と繋がった呪縛が共有するのは、声だけではないのかもしれない。]
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―中庭― [中庭へ出れば嵐の後の惨状と、 雨の後の高温、生命力を感じさせる緑の色と、 相反する自然の光景に目を細める]
でも、折れてんだろうなあ、 とりあえずなんか添え木になるのを……
[園芸用具を取りにスペースへと向かえば、 >>48 真夏の水浴び、というには不用意な姿。 常に凛とした人らしかぬそれに、わずか目を見張った]
……局地的スコールですか?
[口に出すのは冗談めかした言葉だったけれど]
(53) 2011/08/05(Fri) 02時半頃
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邪魔なら出てけ、っていうだろうと思ってたから、いいのかな〜とは思ってたけど〜…興味は、うん、正直、あった……
えっ?
ひょっとして…何〜?
いや、未経験とか、そんなこと全っ然ないから!
ないから〜!
[思いっきり動揺している。]
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[炎天下の作業用、 フェイスタオルの一枚程度は持ってきていたが、 足しになるかはわからないが、一応その手に差し出す。 陽光に雫輝く均整の取れたかの人の半身は、純粋に綺麗に思えた。問い返された言葉に首をふる]
こんなところで水浴びするのは、俺くらいだと思ってましたけど。
[常のピッパからは違和感のある行動だと、 感じていることは遠まわしに口にして、けれどそれ以上踏み込まず]
……ま、こつこつやってきますよ。 応急処置以外は、急ぐ必要があるわけでなし。
薔薇は……そもそも、時期じゃないんですけどね。 夏の蕾は、株に負担をかけるから普通摘み取るんですよ。
あの匂い、どこから。
[眉根を寄せた理由はしらない、ただあの薔薇の芳香を怪訝に感じているのだと思って答える。答えたそばから、今も、かすかにその芳香を感じる気は、していた]
(66) 2011/08/05(Fri) 03時頃
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[待てない理由があったことは察せられたが、それだけ。 ただ手の甲が、そのくちびるを掠めていくのがやけに目に付いた]
香水って、ルーカスさんいってましたけどね。 実際ぶちまけたような匂いでしたよね、食堂とか。
[違和感を感じるほど、強い芳香に遭遇したのはそこだけ。 わからない という、その言葉を疑うことはない。 ただ冷えにだろうか震えたその仕草と吐息が、妙に艶めかしく見えた。おおよそ、常のピッパに抱く印象とは正反対のそれ]
――…ああ、タオル遠慮せずがしっと使ってください。 昨日俺も借りましたし、暑くても濡れたままじゃ風邪ひきますよ。
俺はこれから、薔薇の様子見にいくんで。
[ひらり、片手をあげて園芸倉庫に向かおうとして。 ふと思い出したのは、ピッパと同室だった下級生のこと]
(75) 2011/08/05(Fri) 03時半頃
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……そうだ、ピッパさんの同室。 ああ、いや……、
[青春の過ちとかよくあることだとか、 気の迷いを慰めてやってほしい、とでもいうのか。 口に出したものの、それも何か違う気はした]
いや、ま、いいか。それじゃ。
[結局自己解決して、その場を立ち去った]
(78) 2011/08/05(Fri) 03時半頃
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[添え木とテープを手にして、 薔薇の木の折れた箇所を丹念に繋いでいく、 皮一枚でも繋がっていれば、また再生できる可能性がある。 植物は案外強靭で、不思議な力を持っている]
[陽光の下であれば、自分にとってこの薔薇も、ただの薔薇だ。 作業は優しく慎重に行っていれば、棘に裂かれることもなく]
完全に折れてるところはなさそうか、よかった。
[地道な作業が一段落しようとしたところで、手が一度止まる。 それはまだ消えず残っていた露を反射させてキラリと光った、 棘と葉に絡まる長い一筋の銀の髪]
………、
[どこか痛むように眉根を寄せたけれど、それに触れることはなく*]
(79) 2011/08/05(Fri) 03時半頃
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[所作も感覚も、興味があれば感じ取れたかもしれない。
無垢で無知なものが知るにはあまりに酷く凄惨で、それでいて刺激的な、
欲を満たすためだけの身勝手な行為。
この身体が知っているのは、この味だけだから。]
[全てが実際に伝わってきたわけではない。
けれど、刺激的すぎる感覚は、僅かな量で少年の身体を存分に蝕む。]
ふ、ぁ、
[まるでそれは、無理矢理に誰かを抱かされているかのような…]
こんなの、知らな…っ うあ、
やだっ、こわい、たすけて!! ザック先輩!!
[その場にいたらきっと面白がって煽るだろう人の名を呼び少年は怯える。]
『だいじょうぶ、すごく気持ちいいよ』
『教えてもらいなよ』
[薔薇は宥めるように、面白がるように。]
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―中庭・水場― [作業を終えて水場へ戻る、流れる水に手を浸して顔を洗った。 太陽の下、弾ける水しぶきが、きらきらと一瞬の虹を作る。 目もくらむような夏の日差しの景色、少し濡れた髪を震わせる。
水道に干されていたタオルを手に取れば、 否応もなしに先ほどのことを思い出す。]
――……、
[前髪に触れた指先、 あの人があんなふうに人に触れることがあっただろうか。 凛とした振る舞いは、潔癖さを感じさせるものでもあったから。 違和感が意識に長くとどまらないのは、香る薔薇のせいだろうか。
けれどやはり、あの食堂でほど強い芳香を感じてない*]
(141) 2011/08/05(Fri) 16時頃
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ヤニクは、顔を洗ったのち、そのまま中庭から寮内へと足を向けた
2011/08/05(Fri) 18時頃
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―廊下― [級友たちが青春の悩み相談会をしているのは知らない。 果たしてそこに混ざれるかどうか、異質はきっと見た目だけの問題ではない。
過ちを自覚しているからこそ、平穏を望んでいる。 物言わぬ植物たちに触れている時は心が安らぐ、そのはずが]
……あれは、ランディの髪か。
[一瞬、見間違えたそれは、過去の記憶とまるで同じ光景で。変わらず苦い表情をもたらす]
そういえば、――……探してたな。
[停電の闇の中の一瞬の邂逅、耳にした言葉。 かつてのあの人と同じ髪をした少年は、 嵐の夜、あの薔薇の木の下にいたのだろうか。 ……少しばかり、その様子は気にかかった]
(163) 2011/08/05(Fri) 18時半頃
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ヤニクは、旋律にふと止めていた足を、声のほうへと向ける。
2011/08/05(Fri) 21時頃
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[声は、ただごとはないと思わせた。 故にそこにある姿に近づく躊躇いを見せることはない。]
起きない、って。 意識がない、ってことじゃないのか。
[戸口に立てばやり取りが聞こえる、 夕べ、雨に打たれていた、探していたこと、 薔薇の棘に絡まっていた髪、断片的な情報がひとつの想像を作る。]
……医務室につれてきますか。
(185) 2011/08/05(Fri) 21時頃
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ヤニクは、室内へ足を向ければ、漂う薔薇の残り香
2011/08/05(Fri) 21時頃
ヤニクは、ルーカスは、今もこの香を香水と思っているだろうか
2011/08/05(Fri) 21時半頃
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[眠るランディの姿、寝息がなければ死んでいるようだ。 乱れる長い銀の髪がその頬にかかるのを、優しげに拭ってしまったのは、無意識で。 その冷たさに我に返った]
――……心配ですか?
[聞こえた、躊躇うような言葉に、返す。 昨夜、薔薇の木の下にいたのだろうランディ、 その相手は彼なのではないか、と、過ぎった想像が当たり前でくだらない言葉を吐かせた。]
……だいじょうぶですよ。
ランディの同室は帰省中だし、 看病するなら向こうがいいでしょう。
[眠るランディを抱き上げようと、その体に再び手を伸ばす]
(192) 2011/08/05(Fri) 22時頃
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[差し出される腕を見ぬままに首をふる。 その腕に滲むものがあることは、気づいていた]
腕を、痛めているんでしょう?
血が滲んでいる、 ……向こうで巻きなおしましょうか?
[小柄で軽いとはいえ、意識のない者の体は少し重い。 長い銀の髪、無邪気な憧れの表明。 彼の歯切れの悪い言葉は、何か秘すべき事情があるのだろうか ――…邪推だと、知っている。 首をふる、それは今の己の立ち入るべき領分ではない。 イアンも手を差し出しただろうか、 手伝いは必要なかったから、だいじょうぶだ、と部屋をでる。]
(201) 2011/08/05(Fri) 22時半頃
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[巧妙に顔を合わせることを避けて。 少なくともまともに謝罪をしたことはなく、 ――謝罪など言えなかった、というのが正しいが]
……痛まなくても、 傷はそこにあるでしょう。
[それは現在の傷か、過去の傷か。 どちらのことをさしてただろう。 振り返る、視線が肩に留まっていたことには気づかない]
すみません、 俺の手当てが嫌なら、ほかの誰かに。
[小さく頭を下げて、医務室へと向かった]
(209) 2011/08/05(Fri) 23時頃
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ヤニクは、ランディを抱えたまま、医務室から出たセシルの姿を見る。
2011/08/05(Fri) 23時頃
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[案じて言葉をかけてしまったけれど、 そんな資格はもとよりなかったことを思い出す。 きっと自分は憎まれるほどの価値もない]
――……、あ
[けれど、その包帯が緩んでいるように見えたのは、 彼が逃げ出すように背を向けたあとで、再度声をかける機会を失った。 鉢合わせした人に小さく会釈をする]
少し様子がおかしいので、医務室で預かろうと。 セシルさんも、体調不良ですか?
[問いを返したのは医務室から出てきたように見えたからだ。二人の間にも気まずい空気があったことなど、気づくはずもなく]
(217) 2011/08/05(Fri) 23時半頃
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