人狼議事


104 路地裏の因果律

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[金の為ならなんでもやる。
脅しでも、誘拐でも、殺人でも。

重ねた借金は莫大な金額へと膨れ上がり。
その為に重ねた殺人は何時の間にか路地裏の殺人鬼などと言われるようになっていた。

今月もまた返済がある。
ならばまた殺すまで。

次は誰を―――。]


[ずっと、ひた隠しにしてきた“秘密”
それを握られて以来、あの金貸しには何をも言われるがまま、抗う事は出来なかった。

だが、そろそろ潮時だろう。
仕事の為に暴力を振るう事は、とうの昔に厭わなくなったが。
それ以上、自分の手を汚す気はさらさら無い。
あの腐った金の亡者相手になど。

―― こちらの言うがままに。
脅しつけ、やがては人を手にかける事すら厭わなくなったあの男を使えばきっと容易い。

路地裏の隅で、新しい煙草に火を点けながら男は考えていた。]


[男へと近づくと、辺りをそっと窺うように視線を巡らせる。]

 もしかしてまた誰か殺れって話し?
 最近さぁ、すげぇ噂になってんだよね。

[あちこちで噂を聞く。
今日はヨーランダから聞いた。
犯人は複数であるとも言っていた。
借金を返しきる前に足がつく事は避けたいのだが。]


 まぁ、そのうちな。

[近頃は、この男も周囲がざわつき始めているのに焦っているのだろう。
その口ぶりは、急ぎ仕事さえ求めているように聞こえる。]

 こういう事は慎重にやらねぇとな。
 …俺に任せろ。おめぇだってここまで来てヘマしたかねぇだろ。

[グレッグの前で立ち止まり、その顔を覗き込むようにする。]

 それまでは、大人しくしとけ。
 お前は、待ってりゃいいんだよ。


[顔を覗き込まれれば、その近さにぱちりと一度瞬きをして。
続く言葉に僅かに眉を寄せる。]

 …なんかたまーに妙に優しい事言うよな、あんた。
 俺じゃ頼りになんねぇとかそういう事?

[思わず憎まれ口を叩いてしまう。
優しくされた記憶なんて遥か遠い昔にしか存在しない。
否、存在はしているのかもしれない。
でも裏があるのではと疑ってしまうし、素直に言葉を受け取る事は出来ない。
信じて裏切られるなんて当たり前にあるのだから。]


[こちらの言い草に意外そうに目を瞬かせた後、顔を顰める様子に鼻を鳴らして笑う。]

 俺が優しいか?
 ま、おめぇの脚がつけば俺も無事じゃねぇだろ。
 一心同体ってやつだ。

[グレッグから顔を離すとにやりと笑う。
共に“仕事”を片付けて来たこれまでを水の泡にする訳には行かない。]

 頼りにしてるぜ。
 ただ、俺の期待は裏切るな。

[グレッグの肩に手を置き、ぐっと強く掴んで揺するようにする。]

 じゃあ、またな。
 お袋さん、大事にしとけよ。

[そう言い残し、すれ違い歩き出した。]


 …頼りにしてるとか嘘くせぇ。

[期待を裏切るつもりはない。
こちらとて、捕まってしまうわけにはいかないのだ。
一心同体というのならそれもいい。
強く掴まれた肩へと手を置き、そっと撫で。]

 余計なお世話だっての。

[母親は大事だと思っていた。
しかし重なる借金と繰り返される殺人とで、何が大事なのかは分からなくなってきている。
いっそこの手にかけてしまえば。]

 ……楽になんのかな。

[歩き出すヘクターの背中を見送り、ぽつりとつぶいた。]


[その昔、今よりもまともな暮らしを送っていた頃。
平穏とまでは行かなかったが、それなりに自分が望む事を選ぶ事が許されていた。

仕事、女、付き合う知人、時には気分で喧嘩もすれば、小さな悪さ程度は日常茶飯事で。
だが、サツに睨まれるほどのデカい悪事に手を出すほど、堕ちてはいなかった。

すべてが狂ったのは、そう。
―― アイツは死に、俺は一人生き残った。
あの、夜からだ。]


[別れ際、背中に聞いたグレッグの憎まれ口が蘇る。
虚勢は張っているが、どこかすがるような弱々しさが滲むのを聞き逃してはいなかった。

うまい具合に進んでいる。
脅しや暴力で相手を動かすのも限界がある。

グレッグが、共に仕事を共有してきたこちらに心を許し始めているのであれば利用しない手はない。

歩きながら短くなった煙草の燃えさしを、道端に投げ捨て。
先を急がずにゆっくりと男は脚を運んで行く。]


 ……。

[しん、と脳裏に響く静寂。
 だけれど微かなノイズと共に気配がする。]


 Lala lalalala lalala...

[脳裏の音は歌声を運んだ。
 挨拶でもするように、思いを込めたうたを。

 はじめまして、こんにちは。
 すてきなわたしのお仲間さん。
 今後、どうぞよろしくね――と。]


【人】 水商売 タバサ

―― 自宅 ――

 ぅ

[物を奪われた女は恐怖と悔しさから逃げ帰るように
 自宅へと辿り着いていた
 母親の遺品の前で膝を抱え丸まって
 ぐすぐすとべそをかき、晴れた顔を抑えている]

 おかあさん、ごめんね
 ごめん、ね

[母親とお店の女性、ジェニーの顔が交互に浮かぶ
 その度に、二人へ酷い罪悪感が生まれた
 同時に、物を奪っていった男への恨みが
 ふつふつと湧き上がるが、どうにも出来ない
 奥歯を強くかみ、ただ、涙を浮かべるだけだった]

(49) 2012/10/19(Fri) 17時頃

水商売 タバサは、メモを貼った。

2012/10/19(Fri) 17時頃


【人】 水商売 タバサ

[くぅと腹が鳴った
 ひくと泣き声が詰まる
 空腹と言う本能が何より勝り手で腹部を抑え]

 おなか、すいた

[ぼそりと呟いた
 しかし金銭も全て奪われてしまった後だ
 ご飯を得るのなら再び路地裏に造花を持って
 道行く人に売る為、声をあげるしかない]

 ぅぅ

[しかしその気力は無いし、
 何より未だ先ほどの男がうろついているかもしれない
 空腹と恐怖が天秤に掛かり揺れる]

(50) 2012/10/19(Fri) 17時半頃

水商売 タバサは、メモを貼った。

2012/10/19(Fri) 20時頃


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