162 絶望と後悔と懺悔と
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[理依には、口煩い奴だと距離を置かれた。
真弓には始めから、それが先の会話で増々広がったはずだ。
リカルダの、何か含んだ笑みを、変えることも出来ず。
明之進の選択を見守ることも出来ず。]
……ねぇ、だから。周じゃなきゃ………
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―補給基地―
[小さく噎せて、口を拭う。 追撃がない事に、また眉根を寄せるのだ。>>4:318 どうして――]
……昔から、合わせてくれてはいたよね。
[歳の差はひとつ。 キャロライナは体格が良い方とは言えなかったものの、 それは明之進も同様だった。今は、開いてしまった差]
[遠くからひりつくような感覚が流れて来た。 血の主に向いた危難に心臓の巣食いが反応するのか]
(4) 2014/02/16(Sun) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/16(Sun) 00時半頃
お前達、喜べ。家族が増えたぞ。名はアマネ。
仲良くすると良い。
[命を掛けた戦場で眷属達に告げる残酷な事実。
ホリーが傍にいれば、彼女の牙で、彼はいつも自分を
殺そうと狙い続けてくれたかもしれないなと。
少しだけ、ほんの少しだけ残念に思った位か]
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[その時、流れて来た声にびくりと身を震わす。]
……――周君が
[思わず棒立ちになる程。]
(18) 2014/02/16(Sun) 00時半頃
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――キャロ君、周君が、こっちに来たよ。
[やはり、自分が躓いた、届きもしない正しさを 誰かは上手に越えていく。 失敗した己と違って、零瑠はちゃんと周を連れて来た>>24]
(28) 2014/02/16(Sun) 00時半頃
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[零瑠の腕に収まった周を見つめる色は既に紅に。
見下ろしながら、現実を彼の胸に楔として打ち込んだ]
たった今より、お前の敵は守護部隊含めた人間達に変わる。
人間達を鼓舞したように。
その傷でこの戦いに臨めとは言わぬ。
家族の勝利を応援すると良い。
[返せば守護部隊の全滅を、人間達の家畜化を願えと
優美な三日月は残酷な言の刃で周を裂いた]
よっ…と。
[邪魔な外套を外して引っ張り、襟のフックを外す。
何度か周の首には噛みついたから、何処に噛み付けば良いか、分かるはず。無論、この時のためにしていた訳ではないけれど。]
……周。負けない為に、さ。
居て欲しいって―――俺は、思ったの。
周が居てくれれば、きっと人間の部分は残ってくれるんだろうなって、思ったから……。
そうか、私を殺してくれるのか? 愉しみだ。
[一層燃え上がる憎悪の炎>>+1宿る瞳を受けて、
返すのはやはり冷えた口元。
人でも鬼でも無い周がこれから見るのは何なのか。
鬼として生まれた金の鬼には判らぬ事だが。
もっと悲劇と苦痛に裂かれれば良いと願いと言うには
残酷な呪詛を込めて]
涼平ももう少し愉しませてくれるかと思ったのだがな。
[口にしたのは共に城に囚われた男の名。
周が知っているかどうかは気に掛けず、
末路を示唆する様な口ぶりで話を切った]
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……解らない、かな。
[自分という、結果を目の前にして。>>36 冷静に考えれば解る筈だ。吸血鬼の手に落ちた人間の末路]
周君は吸血鬼になったんだよ。
[された――と言うのが正しいのか。 そうだろうと思う。 周のことだ、月影や黒百合に恭順する姿が想像出来ない。
一挙に詰め寄るキャロライナを避けようともせず答える]
(43) 2014/02/16(Sun) 01時頃
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[大事にしろ、と主に言われた事も含めて。]
あまねく光がある限り、きっと……。
………あぁ、リッキィと明が、ね。
周に生きてて欲しいって。
[こんな『生』は嫌、かなぁ?と、前を向いて笑う。]
[あぁ……明を、探してやらないと。
真弓に頼んで折った獅子を、牡丹と共にと贈った事があった。
『おかあさん』と訪ね探すような歳ではないけれど。
姿が見えず、声すら届かぬ事を、今は寂しいと思った。]
[震え始めた手>>+2を哀れと見下ろすが。
その表情は哀れとは懸け離れたもの]
柊に聞いた方が早いだろう。
私も途中からしか判らぬ。
[嗤う。
嗤う。
邪悪な笑みで、彼の末路を案ずる男を]
安心しろ。お前は安全な位置にいる。
柊に尋ねても無礼には当たらぬから遠慮なく聞くと良い。
[その後どんな呪詛が聞けるだろうかと、
期待に満ちた視線を周に、そして柊の気配へと向けた**]
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[襟元につかみ掛かられて、肩が揺れる。>>49 間近の涙に、暗い赤の目を伏せた。 優しくて、案外涙脆い家族から逸らすように]
……周君、怪我をしてた。 そうじゃなくても、人間ひとりには無理だよ。
[古い歌を引かずとも、あれは絶対なのだ。 世を睥睨する月影は。 人の夢など一夜に掻き消して]
それでも、周君が死ななくて良かったって、 ……僕は思ってしまう。
(60) 2014/02/16(Sun) 01時半頃
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周、が…?吸血鬼に?
[サミィから伝えられた事実に脳裏が真っ白になりそうで。
どこまでも救われなきにに傾く天秤は
どれ程の犠牲を持ってつりあうのだろう]
何で…
[脳裏の混乱は表に出さぬが努力の限界]
ねえ、真弓。
[剣戟の合間に彼女へと囁く。]
あたしの全部を手に入れて、それで貴女はどうするの?
[それは純粋な興味。
彼女がどこまでを欲しているのか。]
神宿を支配して家畜を管理する?
それとも、あたしの代わりに吸血鬼を率いてお父様を助けるの?
[彼女の望み、それを確かめようとするかのように。]
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…………――
[生きて、もう一度家族に会いたいと、願って生きて来た。 鬼に成り果てた自分でも、会えてよかったと 言ってくれた人の命を奪って、ここにいる。
こんな風になる為に、生き延びた訳じゃないのに、 キャロライナの姿を見ていると軋むような気分になる>>66]
どうする?
[再度問う。
このままでは家族は次々と裂かれていくだろう。 死によって、あるいは鬼に成り代わって]
(73) 2014/02/16(Sun) 02時頃
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そう、ですね……、
ゆくゆくは、お父様の退屈を……
終わらせて差し上げたいと、
……考えて、いるのですけれど。
[その形はまだ見えず、
父に近づく力を手にしたとて、
この支配があれば、己が身は役にもたたない]
……お姉様は、
そんなことは、考えませんでした……?
そうね。
考えた事は無かったわ。
[そう、彼女と違って血に縛られている訳では無いホリーがずっとトルドヴィンの所に居た理由。
結局は惚れた弱みのようなものなのか。]
お父様の退屈を終わらせる……か。
真弓?
[さっきから気配が血なまぐさい。
サミィに気を取られていたが
彼女がどうしていたか、ふと気にもなり]
…ホリー?
[何があった?何か起きているのだろうか?
周が眷属になったのであるなら
高笑いの一つでも聞こえてきそうなのに。
返事がなくとも、今はサミィとの対峙から動くことはないが]
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……く。
[心臓の底が微かに痛む。主が血を流している。 彼女の元に戻り、守らなければと吸血鬼の性質が訴える]
キャロ君……離して……
[襟を掴む手に左手を掛ける]
(78) 2014/02/16(Sun) 02時頃
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[黒百合の気配を、血統を繋ぐ感覚で追う。]
……お傍に、参ります……ご無事で。
[彼女がそれを願っているのかどうかは解らないが、
己の中の血はそう訴えている。]
理依、それに明之進とリカルダ。
悪いわね、ちょっとこれ以上は持ちそうもないわ。
……お父様を頼むわね。
いやだね。
[ホリーからの言葉には即答で拒否の言葉が返せた。
きっと自分は血のつながりがないからだ。
けれど僅かくちびるを噛む。
悼んでいるわけではない。
また少しだけ感じる後悔に似た何か]
|
[一緒に居たいという家族に人の身が揺れる。 今まさに命を落とそうとする主に鬼の身が揺れる]
だ、めだキャロ君、――
[人には聞こえぬ声がして、鬼に傾く。 だが揺らぎが致命傷を与えるのを抑え込む]
離せ……!
[短剣の柄。あるいは左手の爪で、 キャロライナの手を引き剥がそうと、身を捻った]
(88) 2014/02/16(Sun) 02時頃
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全員で帰ると言われたじゃないですか。
[誰かを傍に侍らせるのは慣れないと言った少女に、
背いてでも仕えるべきだったのではないかと、
刺すように思ってしまうのは、やはり鬼の血ゆえだろう。
情があったかと思えば否で、
それを持とうという思いもさほど湧かなかった、
唯一「お父様」を求め、こちらを振り向かない主に]
頼むと言われても……
あの方がそれを求めるようには、思えません。
真弓、お父様を頼むわよ。
[退屈を終わらせると言った彼女。
どんな形になるのかは分からない。
だが、その時が来るまではと。]
[彼女には不要であっても守れと命じられたもの…
守らなければいけないものがまた一つ消えていく
ちくりと胸が痛くなる。
誰も彼も、やはり自分にもたらすものは後悔だけだ。
サミィの前であったけれど、一瞬でも目を閉じてしまったのは
5年の月日故に何かに祈ってしまったからだ]
そうね、言い出したあたしがこの様ではね。
[そう言って苦笑した。
ならばせめてと。]
多分最後の命令だわ。
貴方は生き残りなさい。
リカルダも聞こえているかしら。
どこまでも生き残って、お父様にずっと仕えなさい。
|
う、うあ――――
[喉の奥から微かな音が漏れた。 本当に低く小さな声だが、悲鳴のように滲んでいた。
人であったものと鬼であるもの、 入り混じって分ける事など出来なくなっているものを 無理矢理に裂かれるような痛みがある。
もし、縛る手を解く前に、黒百合が散る時が訪れたなら 撃たれたように、がくりと一時、その身を地に落とす**]
(96) 2014/02/16(Sun) 02時半頃
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