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双生児 ホリー! 今日がお前の命日だ!
―夜の森―
[ 彼は森の何処かに存在している同胞に向けてを放つ。
ヒトの耳には聞こえぬ、無音の遠吠え。
暗い梢から鳥が羽ばたき、獣が叢から飛び出して辺りを窺う。
それは長く尾を引いて、闇に包まれた夜の森に響き渡った。]
ホリーを捕らえた。
後で、贄として喰らい、捧げよう。
俺とお前とで。
[ それは、先刻彼の目の前で脆さを曝け出した同胞への、彼なりの気遣いであったのかも知れない。*]
―夜の森―
[ ――閉じた瞼が痙攣し、次に瞬き。ホリーが昏睡から目を覚ます。
最初に彼女の目に入るのは闇。鼻先に何があっても分からぬ程の闇黒だ。
次に分かるのは、地面に直に転がされていること。そして身動きが取れないことだ。
彼女の手足は柔らかい布で縛られていた。
彼女は悲鳴を上げようとしたかも知れないし、恐怖に慄いて声を上げることすら叶わなかったかも知れない。
だが、それはどの道同じことであっただろう。口に猿轡が咬まされていたからだ。
微かに草を踏む足音がして、誰かの――或いは何かの気配が彼女に近付く。
その気配は、彼女の上に屈み込むと手足の縛めを解いた。]
―夜の森―
[ 四肢が自由になったのも束の間、『それ』はホリーに圧し掛かり、強く地面に押し付ける。
頭上で両手首を一纏めにして押さえ、その身を彩っていた衣装を一気に引き裂いた。
白い裸身を曝け出した彼女は、ピンで縫い止められた蝶のよう。
彼女がいくら逃げようともがこうと、掴まれた手首はびくともしない。割り開かれた両脚を閉じることも許されない。
ホリーが目を閉じずに見上げるならば――暗闇の中にふたつの輝きが見えただろう。
冷たく燃える皓月にも似た淡金の瞳を。]
![]() | 【人】 肉屋 ニール[ ふと顔を上げて ] (74) 2010/08/04(Wed) 16時半頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール[ 闇の中目を凝らせば数体の人影らしきものが蠢き (77) 2010/08/04(Wed) 17時頃 |
―夜の森―
お前はこういうやり方は気に入らないか?
[ 揶揄する調子、肩越しに同胞に向けて発せられた声は生贄には聞こえない。
彼女の上に跨ったまま、冷然とした態度の底に抑えた熱を秘めて問う。片手を差し伸べる。差し招く。――ここに来い、と。]
![]() | 【人】 肉屋 ニール―広場・夜明け前― (78) 2010/08/04(Wed) 17時頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール[ 広場を離れてまっすぐ家に…と見せかけ、適度に人気の (79) 2010/08/04(Wed) 17時頃 |
[少し引いた位置から同胞の狩りの様子を眺めていたが、自分を呼ぶ声を聞き、ふ、と彼に寄り添うように近づく。]
いや、アンタのやり方だ。別に構わんさ。
[そして、嘲笑とも哀れみともつかぬ様子で、ホリーの白い四肢を見ながら、眉間を寄せて静かに呟く。]
まだまだガキかと思ったが・・・人の子の成長は早いな。
[ 寄り添う同胞に凄艶な眼差しを送り、くつくつと喉奥で嗤う。
生贄の彼女と同じく、彼もまた一糸も纏わず白い膚を夜気に晒している。
つ、と爪が走り、生贄の鎖骨から腹にかけて浅い傷を作った。
朱の線が浮かび上がり、湧き上がる鮮血の珠を連ねた飾りが白い膚を彩る。]
―夜の森―
[ 血の珠を舌で舐め取り、この深紅の食前酒を愉しむ。
甘い味わいと漂う鮮血の香りに、月の瞳が次第に酔いに潤み始めた。
ふ、と熱い息を吐き、ちらりと真白の牙覗かせて唇を舐め。
次の瞬間、生贄の肩口に噛み付き、肉を喰い千切った。
犠牲と捕食者、ふたりの膚に鮮やかに赤が散る。**]
![]() | 【人】 肉屋 ニール―真昼の広場― (104) 2010/08/04(Wed) 21時頃 |
―夜の森―
[ 聖餐の刻がはじまった。
神饌の乙女はすぐにおとめでなくなった。
生きながら貪り喰われ、凌辱され、無惨な肉塊に成り果てた。
狂熱に陶酔し、月の瞳は蕩けた蜜のいろとなる。]
―回想・ヴェスパタインの工房―
[彼と肌を合わせ、確認する。
今、自分は"独り"では無いと言う事。
今、この温かさを共有できる同胞が居る事。]
ヴェスパタイン…
ヴェスパタイン…!
[何度も呼んだそれは、彼の真名ではないが。
――やがて肌を離すと、再び衣服を纏う。
そして「ありがとう」と短く告げ、工房を後にした。]
―夜の森―
[同胞がホリーに牙を立てる度に、彼女の体は跳ねあがる。
二人の白い裸体と流れる赤い血の鮮やかさと香気、そして音に目を細める。
この残酷な行為ですら、美しく見えてしまう。]
そうだ。乙女の次は女。
この娘も祝福された…。
[妖しい美しさを持つ同胞の許可を待ちながら、気を昂ぶらせているようだ。]
―夜の森
[ 血濡れた顔を上げ、狂熱にうかされた月の瞳が同胞を誘う。
共に――と。
覆い被さっていた身体をずらし、同胞が充分にこの神饌を味わえるように招き寄せた。」
[くん、と突然濃い血の臭いが流れてくる。
同胞は「ホリー」を襲うと言った。
だがそれは、あの乙女の匂いでは無い。
人の子が、自ら人の子に手を下したか。]
―夜の森―
ああ、共に……。
[抑えきれない衝動と共に、この供物を愛でる様に捕食し始める。]
![]() | 【人】 肉屋 ニール―昼・広場の供物台― (161) 2010/08/05(Thu) 01時頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール生存者に補欠は一人もいない。 (165) 2010/08/05(Thu) 01時頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール存続を望まない者の中にアレがいるか…? (168) 2010/08/05(Thu) 01時半頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール…よしんばアルフがアレの手にかかったのだとしても。 (171) 2010/08/05(Thu) 01時半頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール[ 呼びかけられて初めて気づいたようで、はっとマーゴを見返す ] (175) 2010/08/05(Thu) 02時頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニールうん……あたら若いものが先に逝くのを見るのは……なァ。 (177) 2010/08/05(Thu) 02時頃 |
人の手で同じ人の子の命を消す。
彼らは我らを探す。
昔はそれでも「名誉」を求めて、
人の子は我らに挑んだ。
我らも人の子らのその気高い志を称え、
爪と牙を持って応えたものだが……。
この巡礼者達は、何か違う。
この儀式は、何か違う。
感じるのはただの「殺意」。
そして単純な「敵意」。
――我らはもはや神ではなく、
怪物として堕とされてしまった…?
何故だ?
我らは生きながら、既に殺されてしまっているのか?
いつからこの様な事に―――。**
![]() | 【人】 肉屋 ニール……無茶だろう、やめとけ。 (180) 2010/08/05(Thu) 02時半頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニールヘクターと、そのことを話し合ったのか。 (182) 2010/08/05(Thu) 02時半頃 |
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