人狼議事


223 豊葦原の花祭

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【人】 釣り師 沼太郎

 [花弁がそっと寄り添った細い指。白い手の中。
温かい、温かい。]

  おぅい。

[今一度、今度は相手にだけ聞こえる声で返事を返す。

先に見た女児よりは、顔が上にある。
今の自分はただの花弁なのだから当たり前か。
指の隙間からそよぐ風にふわり、と浮く身体。
不安にもなるが、それよりも、月光を浴びた淡墨桜が美しかった。]

 覚えていてくれたのだね。

  [今年は一人では、ない。]

 願いはこれで叶ったかい。**

(7) tyu-gakusei 2015/04/22(Wed) 10時半頃

【人】 釣り師 沼太郎

[一息吐けば吹き飛んでしまいそうな笑顔。
ふわりと浮いた花弁の一つが地に落ちる。

 「枯れてしまうの」
           「消えてしまうの」

それらの問いに声もなく笑う術は、もはや持っていない。
寄った眉根も引き結んだ口元も見えているのに、伸ばす腕が無い。]

 そのような顔をしないでおくれ、人の子よ、それは……とても、とても哀しいのだ。

[ それに子どもでもないのだろう。

宥める声は低く掠れても、努めて優しく。]

(16) tyu-gakusei 2015/04/22(Wed) 19時頃

【人】 釣り師 沼太郎

 約束 を。

[約束をしよう。]

 ––––––一年待ってはくれまいか。

[沈黙の後、静かに。]

 約束だ、願いではない。
 必ず果たされる、約束だ。

 毎日願う必要はない。
 叶わない想像に鬱屈になることもない。

 じきに噎せ返るような夏が来る。
 その次には寂しい秋が来て、しばしの冬に包まれる。
 その季節、その一瞬に見える全てをその目に焼き付けて、雪が溶けるのを待って欲しい。

 そうして、春が来た頃にはいっとう素晴らしい桜をその手に、
 届けに行こう。

(17) tyu-gakusei 2015/04/22(Wed) 19時頃

【人】 釣り師 沼太郎


 したらば、またこの手に握り締めてはくれまいか。

[二枚目の花弁が、ひらりと落ちる。**]

(18) tyu-gakusei 2015/04/22(Wed) 19時頃

【人】 釣り師 沼太郎

 おお、可笑しな事を聞くものだ。

  [生きていてもいいのか、などと。

顔が近付けば、自ずと塩辛い匂いも強くなる。
周囲を取り囲む多くの桜の香より勝る匂いが。]

 お前さんが生きていなければ、私を待つ者がいなくなる。
 待つ者がいなくなれば、私は枯れる。

[待つ人がいないことを悟りながら枯れるのは、とても、とても、]

 「生きて良いか」と尋ねる必要はないんだよ。
 手に余るくらいの物を、何でもめいっぱい掴んでしまえ。
 お前さんはまだ幼い。

(40) tyu-gakusei 2015/04/23(Thu) 15時頃

【人】 釣り師 沼太郎

[ 風が起きる。

指の力が抜けた小さな手のひらから最後の一枚が舞い上がった。

舞い上がった一枚は宙の同じところを漂う。
風にさそわれて、地面に落ちた桜の花弁が、この地に咲く桜の花弁が引き寄せられて、]

 嘘つきが約束を果たしたとしよう。
 その約束には、新たに名前を付けたらどうだ。

[女児の髪も、風が揺らそうとする。]

 奇跡 とか。

 

(41) tyu-gakusei 2015/04/23(Thu) 15時頃

[一分。一秒。

長く咲きたい。
それは淡墨桜の望みだった。
散ってしまうのは、終わりが来るのは、どうしたって仕方が無い。そういう風に出来ているから。

だが、散ってしまえば自分の姿は人目からは掻き消えてしまう。
理由なんて分からない。けれど、葉桜や、落ち葉や、冬枯れの桜を愛でる者などそうは居ない。

恐らくそういう事なのだ。
そういう、役割、なのだろう。と。

だからこそ、一秒、一瞬、ひと目でも。長く咲いていたかった。散ってしまうのは、終わってしまうのは、仕方が無いことだ。

仕方が無い、けれど、]



寂しい。

寂しい。

寂しい。



どうしたって。


【人】 釣り師 沼太郎

[宙を漂う身体に腕を伸ばしてくれる。
嬉しい、と思う事は酷だろうか。
目尻から最後の一雫が流れるのを見ていた。

周囲の桃色の花弁を沢山巻き込んで大きく立ち上がる花弁の柱が渦を巻く。]

  次の春、一番綺麗に咲く花の名は"沼太郎"。
 池の近くに咲く、大木の、しがない染井吉野だよ。

[年を数えるのをやめた頃に、人の子が付けてくれた名前。

嘘つきにさせないで、と口の端を上げた相手が見える。
それを拭う腕は–––––]

(58) tyu-gakusei 2015/04/24(Fri) 12時頃

【人】 釣り師 沼太郎

[濃い桃色をたたえた花弁の柱は人一人分の大きさのままふわりと地から離れた。

周囲にはそよそよと柔らかな風が吹いている。
夜風に身を任せる女児に言葉を掛ける事が出来なかった。
声は、もう出なかった。

 決して寂しくは無い。

全てを失くし、一度は朽ちる身に代わりは無いのだ。
されど朽ちた先が見えたから、ただ穏やかに風を吹かせる。]

(59) tyu-gakusei 2015/04/24(Fri) 12時頃

【人】 釣り師 沼太郎

[集まった花弁で女児を包み込む。
涙に濡れた頬を拭うかのように、しばしの別れを惜しむ。
何処からともなく現れたささくれ立った手が、栗毛の頭を撫でた。

触れた手のひらは温かい。
流れた涙もきっと温かい。
触れたその子は、人の子故に。
花になど成り得ない、ひと故に。]

(60) tyu-gakusei 2015/04/24(Fri) 12時頃

【人】 釣り師 沼太郎

[ そっと手のひらを離して、花弁の柱は空へと舞った。

白光の薄墨桜が散る様>>52>>53を見下ろす。
色とりどりの鱗片のような物が落ちるのを。

"来年は、一番綺麗に"
顔があったならば少しばかり苦笑いをしたかもしれない。
今目に映っている光景があまりに美しかったから。

 それでも咲かねばなるまい。
 約束だからの。
まだ落ちていない花が散らないよう、薄墨桜の周りの花弁をそっと風に拾う。
桃色の後ろにそれらを連れて、広場の真上を、屋台の上を、ぐるりと回った。

落ちる花弁は薄墨桜の鮮やかな色ばかり。
龍のような濃い桃色の花は、月に向かって溶けて行く。]

(61) tyu-gakusei 2015/04/24(Fri) 12時頃

【人】 釣り師 沼太郎

[ 別の場所では、眩い月光が映る水面を、沢山の花弁が覆っていた。*]**

(62) tyu-gakusei 2015/04/24(Fri) 12時頃

【人】 釣り師 沼太郎

[雲一つない青空の下、無骨な石油の煙が登る音。
傍にある池の畔では人一人の腕では届かない程の大木が佇んでいる。

春。
桜が咲く季節。

花は咲かない、ただの大木。
苔むした幹に虫や鳥獣を匿うだけの大きな枯れ木。]

(91) tyu-gakusei 2015/04/26(Sun) 00時半頃

【人】 釣り師 沼太郎

[ ひらり。

池の水面に花弁が一つ。二つ。
枯れ木から別たれた、若木の桜から。

大きな枯れ木に寄り添う様は、まるで何かを守っているかのように。
びゅう、と風が吹けば散った薄桃色は栗毛の髪>>79に。]

  おぅい。

[耳を掠める風の音は、誰かの呼び声にも聞こえるだろう。
それはただの錯覚だ。

けれど、]

 (また一年後に)

[そう願うのは、枯れ木に胡座を組んだ若木の桜だけ。

 枝を揺らしては、ひらり、ひらり。*]

(92) tyu-gakusei 2015/04/26(Sun) 00時半頃

[死というものがなんなのか、木である己には分からない。
だから、葉桜の夏も、落ち葉の秋も、木枯らしの冬も。待ち続けた。
途中、違う場所に植え替えられる事になったのは、とても困ったけれど。どうすることも出来ないから、せめて人目につくよう、大きく育ては良いと思った。

慎重に枝葉と根を伸ばし、光を沢山浴びて、色を幹の内に溜め込み、春には精一杯、美しく。
一番きれいに咲いたなら、己を見間違えずにきっと見付けてくれる。

だってあのひとは帰ってくると言ったのだ。
それは、己がこの世に生じて一番最初の約束だったのだ。

そうやって帰りを待つ間に、気が付けばたくさんの人との約束が積み上がっていた。
また来年。
また来年。
きっと見に来よう。

果たされる約束と、果たされない約束。幾重にも積み重なって、そうしてとうとう古木と呼ばれるほど年輪が重なった頃。

自分が『何』なのか、ようやく気が付いた。]


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