24 明日の夜明け
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―― 保健室 ――
……ヴェンネッタ?
[死ぬとか、殺すとか、不穏な単語が聞こえる。 ガタガタ揺れる保健室の中、心配になって上へと足を引きずりながら行こうとしたその時]
[高い、狼の遠吠えが聞こえた]
………なん、でっ!?
[駆け出そうとして、直後、とさり、と何かがグラウンドに落ちた。目を見開いて、窓に張り付く]
[固まった]
……ヴェンネッタ。ヴェンネッタ!!
[そういえば、八つ当たりしてまだ謝ってないとか。 そういえば、次の大会、頑張れよって言おうと思ってたとか。 ……いろいろなことが、一気に頭の中で爆発した]
(6) 2010/08/08(Sun) 00時半頃
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なんで、なんでだよ!! そんなこというなら、連れてくなっ!!
[窓から身を乗り出して、人形に、叫んだ。 隣で、メアリーがグラウンドに飛び出していく]
メアリー!! ダメだ!!
[背筋をぞっと冷たいものが走った。 消えかけている人形。それに触れたら、メアリーも消えてしまうような気がして]
[追いかける。思うように、足が動かない。 構うもんか。壁に手をついて、無理矢理に、走った]
[追いついて、ただ、じっと隣に立つ]
[同時にそのとき、大切な友人が、誰よりも頼りにしていた相手が、恋人と共に溶けてしまったことを、知らない]
(8) 2010/08/08(Sun) 00時半頃
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要らない!そんな力要らない!
マーゴに会えないなんて信じない!!
信じない……!!!
[心が泣いて、叫んで、仕方なくて。認めたくなくて。
そんな言葉を繰り返すけれど。やがて]
……ごめん。
3人で、みんなを助ける。約束。
……ちゃんと、頑張るから。
大好き。大好きだよ……。マーゴ。
[それで、もう一度、*泣いた*]
マーゴちゃん、マーゴ、ちゃん、ねぇ、聞こえないの……!?
[彼女の声は、想いは全て届いていた。
それでも現実から逃げたい心が、認めるのを拒んでいる。
ごめん、ごめんね、と何度も謝罪の言葉が零れそうで、
それだけは向けるべきではないと、必死で押し留めようと]
ありがと、マーゴちゃん。ごめんね、ありがとう。
[やっと落ち着いてきた心で、もういないひとに]
わたしも、大好きだよ。
マーゴちゃんもメーちゃんも、みんなも、大好き。
――頑張るから。
[フライパンに触れていた掌を、ぎゅっと握り締めた。
自分の中の守護神の力が強まっている事を、感じながら**]
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―― グラウンド ――
[マーゴがいたはずの場所で、泣くメアリー。 そっとその背をさすっていた]
………ごめん
[何もない空間に謝った。 何に対しての謝罪かは自分でもよく分からない。
強いて言うなら、自分がここにこうしていることへの、謝罪]
………?
[目をあげた。伝説の樹の下、人が集まっている。 目を凝らして……サイモンがスコップを持っているのを見れば、体を硬くした]
……ごめ、メアリー…… ちょっとだけ、行ってくる
(41) 2010/08/08(Sun) 06時頃
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[手を止めて、離れる。 彼女が付いてくるなら、とめない。 ただ、足をひきずってふらふらと、そちらの方へ。 早く進めないことが、酷くもどかしい]
ルーカス! ロッセリーニ! ……何が……あった?
(42) 2010/08/08(Sun) 06時頃
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―― 伝説の樹 ――
……みど り ソフィアちゃんと、おなじ……
[それは、ちょうどルーカスがそこから去ろうとしていた時。 埋めようとするサイモンに、力なく左手を挙げて、とめた]
……悪ぃ、ちょっとだけ、待って
[その緑が誰だったのか。 その場の誰かからきくことが出来たろうか?
それがラルフとアイリスだと聞けば、かくりと膝を地面についた。しばらく、無言で凍りつく]
(43) 2010/08/08(Sun) 06時半頃
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――― っぁあああ!!
[色々な思いを込めた、叫び。 ぐ、とグラウンドに爪を立てた]
[本当にこれがラルフたちなのかとか。 でも、違うなら何故マーゴのいた場所にいないのかとか。 どっちかがどっちかを命を捨てても守ろうとしたんだろかとか]
[瞼の裏に、色々な景色が蘇る。 2人の付き合いを周囲よりも遅れて知った昼休みの教室。 練習が終わった夕方、体育館側の水道で聞いた楽器の音。 ズリエルに土下座して、悔しくて泣くかと思ったときに追いかけてきてくれた足音。狼に襲われて恐慌状態の中ようやく逃げ込んだ体育館で、懐中電灯に照らされた彼らの姿]
[手をぐっと握り締め、立ち上がった。 表情には疲れたような色だけで。 サイモンがそれらを埋める続きをするなら、淡々と手伝っていた**]
(44) 2010/08/08(Sun) 07時半頃
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―― 伝説の樹 ――
[さく、さく]
[土を掘る]
[あらかた作業を進めたところで目を上げた。 そこにズリエルの姿はあったろうか。あれば、緑にまみれたその姿を見上げて睨みつけ、なければ彼の去って行った方向をねめつけた]
なんでっ………
[言うつもりはないのに漏れる言葉]
なんで、オマエがっ………
[なぜ、ラルフが溶けて、オマエが。言ってはいけない言葉が漏れかけて。無理矢理視線をはがした**]
(45) 2010/08/08(Sun) 09時頃
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ここは、星が見えないんだね、メーちゃん。
[ぽつりと、無意識のように呟きが漏れた。
それの声音は、遠い昔を懐かしむような響きを纏っていて、
どこか落ち着いた穏やかささえ感じさせるだろうか]
屋上で、メーちゃんの星の話聞くの、好きだったなー。
たしか前回の時だったっけ。
フィリップくんも、いたような気がする。
[またしたいね、という言葉だけ、飲み込んでしまって]
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―― 伝説の樹 ――
[作業が終われば、やはり手を合わせることはしない。地面を撫でるのも、しない]
……もっと、いろいろさ。 話をしたかったんだ。アイリスのこととか、いろいろ。
そのうちさ、男同士の話、しようぜ
[もう二度と会えない、とは何となく実感がないのだ。ソフィアや、マーゴにも。話かける]
[それが全部終わってから、自分から喧嘩を吹っかけ、売り返された相手を見た。流石に、作業中にそれ以上を堪える理性はあったから]
……甘えてねぇし、 聞いてもねぇよ
[別に、質問の答が欲しい訳ではない。結果ばかりが、あればいいと思う]
(71) 2010/08/08(Sun) 12時頃
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[近くにいるだろうサイモンに気遣う余裕はない。けれど、樹のしたを少し離れた]
……そんなことなぁ、
てめぇに言われなくても分かってんだよこのド不良底辺野郎がっ
[声音は低い。とても突き刺さった顔をした]
[守りたい。でもその方法が分からない。自分の能力では、出来そうにないとすら思える]
……いいか、
メアリーにもう近付くなよ。 てめぇの自己中は一人でやってろ、いざって時、盾にでも足蹴にでもしやがったら殺す。
[吠えた。自分の中で、未だ彼は法律違反の喫煙を見られたとき、暴力で黙らせたりして平気な精神構造の持ち主に見えているのだ]
[そういえば、ラルフが何かいいたげだったなとか、ソフィアがファンだと言ってたなとか、ぼんやり思って顔がますます険しくなった]
(79) 2010/08/08(Sun) 12時半頃
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―― 伝説の樹 ――
[今、目の前にいる相手が思い込みとは食い違う表情をしているとか、悲しいいろが潜んでいるとか]
[気付く余裕はない。 いつもいっぱいいっぱいになった時同様、八つ当たりの言葉が止まらない]
[その醜さに、自分で自分が嫌になる]
……死ねばいい
[呟く対象は、目の前の相手ではなく、自分]
[ドレスのスカートたくしあげ、くるりと背を向けた]
(82) 2010/08/08(Sun) 12時半頃
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鳥使い フィリップは、自分への呪いに、全身がつきりと痛んだ
2010/08/08(Sun) 12時半頃
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―― 伝説の樹 ――
……ああ、言っておくさ
[背後から投げかけられる言葉。 痛みにまるめそうな背筋を伸ばす]
[振り向かないまま吐き捨てた]
……そんときゃ、殺しにでも来いよ
[鈍い頭の中でズリエルの思いを何か一人で勝手に納得した。単なる友情とメアリーには聞いていたが]
[彼の真意と覚悟は知らない。少し俯いて、相手が去る音がすれば、顔を横にむけた。サイモンはまだそこにいるだろか]
……悪い
[謝罪して、足を引きずりながら、歩く]
(92) 2010/08/08(Sun) 13時頃
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[カルヴィナの言葉に、少し混乱していたのだろう。
心の声は半ば無意識に紡がれ、メアリーに届いてしまうか]
好きな人って、なんだろ?
メーちゃんはフィリップくんのこと、好きなのかな。
[思い出すのは、アイリスとラルフの寄り添う姿。
助け合い、時には喧嘩をし、それでも離れる事のなかったふたり]
想う力が、一緒に向こうに行けた理由だね。きっと。
[マーゴのおかげだろう。
前よりも力の感じる掌を、僅かに握り締めながら]
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―― グラウンド ――
[ずりずりふらふらと歩く。 目的は、グラウンドに振り落とされた自分の制服]
[サイモンから話しかけられれば、名分にして立ち止まりながら]
……ここにいるのは、皆、一緒だからな
[小さな自嘲。青の月をふりあおいだ]
さあなあ。 例えば30秒後に死ぬと分かってて、でも、今、死を振り払うしかない、みたいな。 諦めないのは、その30秒に価値を出すだけに思える
[近くにルーカスやテッドがいるなら、騒がせたことを目礼して]
……俺はどっちも勘弁だ
[身も蓋も無い。ずりずりとまた歩きだした**]
(100) 2010/08/08(Sun) 13時半頃
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[それは言葉通りの意味と、もう一つ。喜びと安堵の涙]
……ありがとうございました。
お幸せに。
[そうして、聞こえてきた声に]
私も好きでした。
星の話をして、先輩のフルートを聴いて。
色んな話を、して。
でも、過去形で言わないで下さい。
約束したじゃないですか。
[ここへ来る直前の図書室で。
それはほんの少し前の事の様で、もう随分前の事の様で]
また、一緒に見ましょう?
本当の夜の、星空。
(何で、帰らないの……?
私のお願いが、あんまりバカだったから?
それともフィルが、この力を拒んでいるから?
それとも、帰りたく、ないの――……?
どうしたら、いいの?)
[そうして聞こえてきた声に、間抜けな声を漏らす]
……ほぇ?
えぇっ……!?な、何ですか?急に。
それは、好きですけど。
それはいわゆる、そーゆー意味ではなく?
[そうして、うーっと考えるのも束の間。思考を遮断して、苦笑する]
……フィルは、気付いた時にはもうそこに居て。
居るのが当たり前で。
どんな意味でとか、よく、分かりません。
[それに、もう会えないかもしれないなら。
答えは出さない方が良いのだと思う]
……先輩は?好きな人、居ないんですか?
バークレイ先輩と、ヴェスティ先輩ですか?
そうですね。
[続く言葉には、本当に素敵な二人だなと思って。
にこり*微笑んだ*]
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―― グラウンド ――
[背後から聞こえたルーカスの答え。 漏れ聞こえたテッドの返答や、サイモンの台詞を歩きながら考えた]
……生きたい人が、生きる。 死にたくない、と、生きたい、は同義か?
[首を傾げて、考えた。思い浮かぶのは、メアリーのこと。 先ほど喧嘩したズリエルのこと]
[振り返って命の実を見た。大きい。 あんなものを待つところで、帰れるとも思えないが]
[グラウンドに散らばった、制服を回収する。 集め終わったところでポケットを探って、首を捻った]
(121) 2010/08/08(Sun) 18時半頃
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……守り石………
[メアリーから託された、お守り。 左右をしばらく探すと携帯電話のパロすけの下、砕けたものが3つ、ばらばらに見つかった。『魔よけ』の意味があるという、それ]
これ……
[パロすけをぎゅむぎゅむやりながら、考えた]
……はは。守るなんて、おこがましいよ、なぁ? 俺、なにさまよ。
[笑い声が、漏れた。 砕けた石は、自分の身代わりになってくれたように思えた。 しばらく、壊れたようにくつくつ笑った]
(122) 2010/08/08(Sun) 18時半頃
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鳥使い フィリップは、厭世家 サイモンに話の続きを促した。
2010/08/08(Sun) 18時半頃
鳥使い フィリップは、始末屋 ズリエルに話の続きを促した。
2010/08/08(Sun) 18時半頃
鳥使い フィリップは、良家の息子 ルーカスに話の続きを促した。
2010/08/08(Sun) 18時半頃
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―― 伝説の樹 ――
[制服を集めて、ドレス姿のままグラウンドを横切る。 少し気分が回復したせいか、足取りもやや軽い。 メアリーが伝説の樹の下にいるのを見て、表情を引き締めた]
…………
[彼女の泣く邪魔をしないように、隣に立つ]
[泣き止んだ彼女に何か口を開こうとして、出された言葉に固まった]
……行く? マグナスの、ところへか
[訳が分からず、反射的に出た言葉。 先ほどの口論と、そこから一人合点したズリエルの思いがきっと影響している。自分でも、自分の言葉に驚いた]
[けれど、続いた言葉は違って。 後ろを向いたまま、言われた言葉。ダメだ、と思った。 ここで手を離したら、もう、何かダメだと思った]
(124) 2010/08/08(Sun) 19時頃
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[メアリーが振り向いた。 制服を落として、反射的に彼女の腕に手を伸ばした]
待てよっ……!! 待て。待って、くれ。
……、き、なんだ いや、好きじゃない。違う。好きじゃないわけじゃなくて。
あいしてるんだ
[今まで絶対に何があっても口に出せなかった告白]
……なにいってんだ俺。一生言うつもりなかったのに。あいの重さなんか知らなくて、メアリーのために死ねる自信もなくて、言っていい台詞じゃないのに。メアリーの目が覚めて彼氏出来るの待ってたのに。
[早口でてんぱった。いつもの癖]
ごめん。俺が無理。 メアリーを守れないことなんか自分が一番知ってるのに、メアリーを守ること以外に自分が生きたい理由がみつかんねぇ。
[そこまで言うと、たらりと彼女の腕をつかんでいた手が離れた**]
(128) 2010/08/08(Sun) 19時頃
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そうだね。……約束、したから。
メーちゃんが星の話をしてくれないと、吹かないからね?
きっと、マーゴちゃんも、聞きに来てくれる。
[最後の言葉は迷ったけれど、口に出して。
図書館での約束と同時に思い出したのは、
やはり笑い合うメアリーとフィリップの姿だった]
……一緒に、星空を見ようね。
[ありがと。柔らかな声で、心の中でメアリーを抱きしめた]
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