24 明日の夜明け
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―― その時・グラウンド ――
っ……た、 ん……な……
[マーゴに、大玉振ったところまでは覚えてる。 ざわついているなと思った耳が、きぃんとなって。 音が、まるで生き物みたいに耳から勢いよく入って頭の中をぐるぐるぐりぐり蹂躙していくようだ]
[思わず大玉を落として両手で耳をふさいで……]
う。ぁああああああああああ
[倒れこんだ。ぐるりぐるりと世界が回る]
(16) 2010/08/02(Mon) 00時半頃
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―― グラウンド ――
[持っていた大玉は運びにくくて、ルーカスから少し遅れて歩いていただろう。意識が途切れた後は、力なくグラウンドに突っ伏していた]
[破れた大玉が、てん、てん、とグラウンドに転がっている。 何故だか分からない。けれど、涙が自然と流れ出て。 表情に、苦悶の色が乗っている]
[意識が浮上するまで、もう少し]
(24) 2010/08/02(Mon) 00時半頃
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―― グラウンド ――
ん……ぅ……ぁ、あ
[体がゆすぶられる感覚がして、ゆっくりと目を開く。 何だか力が入らない。 ぱちぱちと瞬きして、ルーカスの手をかり、立ち上がった]
……さぁん、きゅ
[歯を食いしばったのか、顎がだるい。 力なくかすれた声で礼を言うと、周囲を見回した]
なに、これ………
夜? なんで? 今の、何………?
[振り返る。ぼうと、空を見て、月を見て。 それから、渦巻きと、それに向かうルーカスを見た。 とめたりとか、何か判断できる状態ではない]
(29) 2010/08/02(Mon) 00時半頃
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……なぁ、ルーカス……せんせー、は?
[自分の後ろで、自分と同じようにコーンをいくつか引きずっていたはずだ]
[ふりむけば、からころと、壊れたコーンが転がっているだけで。この用事を言いつけた教師の姿は、ない]
[もしかして、知っているだろうかと、訪ねた]
(31) 2010/08/02(Mon) 00時半頃
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―― グラウンド ――
[ルーカスの手を借りて立ち上がろうとして…… でも、何故だかふらついた。どうにも力が抜ける。 手刀で空を切り、座らせてもらう]
……わり
[見てくる、というルーカスの言葉。 こくりと頷いた。彼はあんなに動けるのに、どうして自分がへたれているのか、よく分からない。 目元にたまった涙を、ぐいと拭った。 気をつけて、といわれれば、ふらっと座ってもいられずグラウンドに額をつけて、頷いた]
[……眩暈と耳鳴りがおさまって、汗がひくまでには随分と時間がかかった。ルーカスが戻ってくる頃には、大分思考力も体力も回復していたけれど]
(44) 2010/08/02(Mon) 01時頃
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[ルーカスが戻ってくれば、よ、と掛け声ひとつ。 再び、立ち上がる]
そ、か。 つまり、今は、帰れそうにないってことかな。
……夢みたいだ。最悪の。訳わかんねぇ。
ロレせんせー、俺らより先に、気がついたのかな。 じゃ、なんで、俺ら、ほっぽってったんだろ。 そんな人じゃないじゃん?
[とりあえず、一番気になるのは、現状よりも身近にいたはずの人。いなくなるなら、もしかしたら]
[校舎に光がついていく。祈るように、携帯を取り出した。 メアリーの番号を真っ先に、鳴らしていく**]
(46) 2010/08/02(Mon) 01時頃
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―― グラウンド ――
[ぴるるるるるる] [ぴるるるるるるるる]
[呼び出し音がなる。ぶちっ、と嫌な音と共にそれが取られて]
メアリー? おい、おまえ、だいじょぶか? メアリー?
[相手の反応を待つことなく、言葉を重ねるが]
『……死ねばいいのに』
[低い、低い、けれど確かに自分の声が電話の向こうから響いて。 そうして、ぶつりと切れた]
(67) 2010/08/02(Mon) 06時半頃
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う、ぅわあああっ
[思わず取り落とす。心臓が跳ねた。ぴきんと体が固まる。 深呼吸をすると、空気は泥の味がするような気がした。 同じように、どこかへ連絡を取っているルーカスを横目で見る。目が合った。奥歯を噛み締め、何でもないフリをした。携帯ではなく、パロすけを持って、拾う]
あ、え。や。うん。間違えた。
[目じりを下げて、はは、と笑った]
……おかしなところに、来た、か。そうだな。そうかもしれない。いやでも、そんなこと、あんのかな。ありえないっしょ。 なんか、漫画みてぇ
[奇妙な眩暈や疲労から回復してくれば、体は動く。 けれど、そうなると気がつくのだ。 ――まるで、自分の体が人形みたいだ。と。 手を何度か開いては握り、開いては握り、自分の意図するように動くことを確認する]
[かけて来るラルフたちの姿が、見えた]
(68) 2010/08/02(Mon) 06時半頃
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……おーよ。ばーっちりよ? ありがとな。
[ラルフに肩を叩かれると、にかっと笑って見せた。 上手く表情筋を操れたかどうかは知らない。 彼らがメディアセンターの方から来たのを見ると]
な。それより、メアリーとロレ先生、そっちにいた?
[聞いてみる。 いないと、特にメアリーがいないと聞けば、真顔になって]
……悪い、探してくる。 電気ついてるとこ、ソフィアちゃんだっけ? ルーカス、さっき一周してきてくれたとき、いなかったんだよな?
[軽く確認して、校舎へと走り出した**]
(69) 2010/08/02(Mon) 07時頃
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鳥使い フィリップは、受付 アイリスがラルフといる事をちらりと見、少し羨ましそうな色を目に浮かべて走っていった
2010/08/02(Mon) 07時頃
[先程まで人影のあった場所を、まだ呆然と眺めて]
(ああ、わたしはこのひとを知っている)
[豊かな銀の髪を靡かせ、自らの願いを叶えてくれた]
(――伝説の樹の、守護神)
[頭の中に響く言葉。すぐには飲み込めるはずもないもの。
それでも守護神が告げるのならば、それは真実だから。
...は誰にも気付かれないように息を吐き、手を握り締める。
だんだんと現実感を取り戻す頭の中、
この声がどこかへ届くような気がして、"誰か"に問いかけた]
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―― 校舎内 エレベータ ――
サンクス!
[答えを返して心配してくれた友人達に、すちゃと振り向かないまま片手を上げて、校舎に向かう。一つ。また一つ。あかりは校舎についていく。 ならば、自分は上から探そうと、エレベータに乗った。『生徒使用禁止』とか書いてあるけれど、いつもの様に気にしない]
[少し走っただけなのに、何故か上がる息を整え、自分の乗ったエレベータが3Fに到着するのを待つ]
[ちん!]
[古めかしい音がして、扉が開いた。 目の前には、音もなく立つ半透明の銀の影]
(82) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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…………っ!!!!!!!! だっ!!!
[心臓が爆発したかと思った。 「閉」ボタンを連打する]
[扉が閉まる。……半透明の人影を挟みながら。 銀の影は、すっとすり抜けてエレベータ内に入ってきて……]
[……本当に怖いときは、声が出ないものだとはじめて知った]
(83) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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ひたり。
ひたり。
[あの日飲み干した、契約の水のように。
身体の奥底に満ちていく"チカラ"が感じられ、微かに手が震える。
視線の先の伝説の樹。
いつも傍に寄り添い、時に音色を響かせたそれを見つめた]
"空虚な悪"って、なに。
"命の実"って、なに。
――"死の世界"って、何なの……っ。
[押さえきれない感情が心の声となる。
まるで、お願い誰か答えてと、助けを求めるかのように。
そこにいつもの...の面影は感じられないだろうか]
――誰かが死ぬのは、嫌。
[小さな小さな呟きは、闇に飲み込まれていった**]
[ふと頭に問いかける声が響いて。
そして一緒に強い心の叫び・が届けば]
……ホリー先輩?
[屋上でよく空を見ながら、語りあった声を思い出して。
そして守護神の言葉を思い出す]
先輩もだったんですね。私も。
……私も居ます。
[悲痛な声に泣きそうな声で、返した]
[頭の中に響いてくる泣きそうな声。
それは星の輝く夜空の下、星座の説明をしてくれた少女のもの]
……メーちゃん。
[声が届いたという安堵。同じ気持ちという共感。
そしてこの世界に彼女まで来てしまったことへの、――]
どこにいるの?
わたしたち、離れてても話せるみたいだけど。
……他の人は、そうじゃないから。
[先程までの動揺が嘘のように、落ち着いて聞こえるだろう声で]
(考えなくてはいけない)
(敵から逃げて。命の実を大きく育て。皆が生きて帰れるように)
(……ひとりずつ、だけれど)
[自分の仲間であるメアリーに、そして"もう1人"に語りかける]
だいじょうぶ。きっと、大丈夫だよ。
[なんの根拠もない。それはいつも通り。
それでも魔法の言葉であるように繰り返して]
わたしも、まだ落ち着けてない。混乱してるけど。
[触れられない。それでもメアリーの頭を撫でるように]
(でも、もう頼ってばかりじゃ駄目)
[自分が"願った"あの日の、守護神の姿を思い出す。
力をなみなみと蓄え、気圧されそうだった。
先程見た灰に染まっていく髪を脳裏に描き、目を伏せる]
(ありがとう、守護神様)
(わたしのあの願いを叶えてくれて)
(――もうきっと、……だから)
[力を託してくれたことに感謝するように、窓に額をつける。
メアリーも何かを願い、そして叶ったのだろうか。
今はそこまで考える余裕もなく、すぐに通り過ぎた思考]
[『メーちゃん』と呼ぶ声が聞こえれば、声の主は確信に変わり。
涙が溢れそうになった]
今、屋上に居ます。
ズリエル君……えっと、同じ学年の友達と一緒です。
[そして姿を現していたなら、フィルと]
先輩は?
先輩の傍には誰か居ますか?
[そうして続く言葉には]
ありがとうございます。
……先輩?
身体は傍に居なくても、先輩の声、いつでも届きますから。
何かあったら、言って下さい。ね?
[その声が、優しくて、切なくて。
涙を抑えて笑顔で返すように、話す。
例え姿が見えなくても、いつでもそこに居る。必ず*届くから*]
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―― 屋上 ――
……メアリー?
[自分の名を呼ぶ声が聞こえた気がして、恐る恐る扉を開けた]
うぁっ
[途端、飛びついてくる探し人。 片手で扉を支えていたから、迎えるのは片方の腕だっただけだけれど、しっかと抱きとめる。少し、たたらを踏んだ。がたん、と音がして背中が扉にあたる]
どした……よ、って、……そうか
[無事だったことに、会えたことに、とりあえず安堵の表情を見せたのは束の間。彼女の常よりも激しい行動と、そこに滲む恐怖の残滓に顔を険しくした]
[視線を上げれば、特異な情況と、いや、それよりも、彼女に恐怖を与えうると勝手に認識している人物がいて]
(161) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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……っらぁ!
[突如、ガンと扉を思い切り殴った。 一歩前に出ようとすると同時、メアリーを引き剥がして、背後に彼女をまわそうとした]
てめぇ、こんな時だってのに、メアリーに何したッ!?
[先ほど、ジャンピング土下座をしたのと全く違う対応。 メアリーは、分かるかもしれない。 いつもとも、全く違う。自棄に荒れてる感じが漏れる]
[睨みつけても、肩をそびやかされて、それで仕舞。 イライラを勝手にたたきつけた拳が震えて。 メアリーは何かを言っただろうか?
ズリエルがその場を去ると言えば]
何か言ったらどうなんだっ
[叫んで敵意をむき出しにしてみるも、メアリーに止められて、結局その背を見送るだけだった]
(162) 2010/08/02(Mon) 22時頃
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―― 回想 エレベータの中 ――
[あの時。 暗い廊下から侵入してきた幽霊(にしか見えなかった)に、エレベータの壁にペタリと張り付いていた。ぎゅっと目を瞑って、金縛りみたいに体を動かせない中、聞こえた数々の台詞]
……………な、に
[非現実の、宣告。 自分に害を為してこない相手に、恐怖は消えないが、徐々に頭が回ってくれば最初に湧き上がって来たのは]
[こみ上げる怒りと、深い悲しみだった]
(172) 2010/08/02(Mon) 22時半頃
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…… なぁ なんで、あんたが、居るんだ。 なんで、出てくるんだ。なんで、こんなのっ!!
だっておかしいじゃないか。こんなのないに決まってるじゃないか。桜の精霊とか、守護神とか、ありえないんだ。伝説なんだ。
……じゃないと、ダメだったんだ。
[足から力が抜けて、ずりずりと背中をエレベータの壁に預けたまましゃがみこんだ。自分が何を言っているのか、コントロール出来ない。直面した非日常に、まるで自分のものではないみたいな体。ストレスが、一気に吹き上がる]
なぁ、こんなん連れ込んだの、あんただろ。 おかしいもんなぁ、こんな、いきなり、ありえないことが2つも重ならないよな、普通。
あんたが、いるから、いけないんだ。 あんたがいなけりゃ何もなかったんだ。 俺がぐるぐる悩むことも、悔しいのも、こんなことなんかになっちまうのも、全部全部何もなかったんだ。
―― 消えろよ。あんたなんかいらねぇ。 敵にお前の力が通用しねぇ? は、良かったな。 あんたの力なんかに頼るもんか。
(177) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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だから、頼むから、消えろよ。
[そんなの八つ当たりだって、頭のどこかで誰かが言う。 自分で自分が醜いって、分かりながらも止まらない。 けれど、それは確かに本心でもあって。 強く強く、守護神を否定する言霊が矢継ぎ早に出て、止まらない]
[否定するたび、体のどこかが痛んだ。 否定するたび、この体が人形みたいに思えた。 否定するたび、何だか焦げ臭い匂いがした]
[けれど、ゆっくりゆっくりそれは回復していく。 青い月の世界に馴染むのに、時間がかかってしまったみたいに。
―― ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて]
(178) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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[ちょっとだけ、泣いた。 八つ当たりして、泣いて、それはストレス発散。少しだけすっきりして、普通の顔が作れるようになった時点でメアリー探しに屋上に向かっていた]
[まあ、ざわついた感情の波の名残は残っていたわけだけど]
―― 回想終了 ――
(179) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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―― 屋上 ――
[頬に、メアリーがこぼした涙の感触がある]
[ズリエルに対してぐるぐる牙をむいていた気持ちが、メアリーに止められてちょっとしぼんだ]
[口元をへの字にまげて、歯噛みして、去り行く背中を見送って]
……知り合いな訳、ねぇよ。
[関係性を問われて、正直に言うには格好が悪すぎた。 視線を斜めにずらして、ちょっとぶっきらぼう]
と、も、だちぃ?
[思いもよらない単語には、ちょっと語尾が大きくなって]
やめときなよ。不良なんて近づくもんじゃねぇし。 いつか、痛い目みると、思う。
(188) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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