49 海の見える坂道
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俺、ウィスキーな ボトルと氷、置いてくれりゃ手酌で飲むから
[オスカーに、そう言いつつ 深く、息を吐く…―――]
(1) 2011/04/11(Mon) 00時半頃
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[ヴェスパタインの誕生日。
家にあった古い本は、誕生日の贈り物の筈だった。
けれど、今は用をなさないそれ。
彼の誕生日にできることは…まだわからない]
酒の一つも飲まないと、やってらんないっつーの
[人の死や、別れは悲しいとは思わない
いつかそんな日が来ると、俺はいつも覚悟していて
旅に出る時は、毎回今生の別れのつもりで歩き出す
だから、ヴェスの事はショックだったが、悲しくはない
悲しいのは…―――――]
ヤニクは、ミッシェルに踏みぬかれた足が、じんじんと痛い 泣きそうだ
2011/04/11(Mon) 00時半頃
[ちらり。視線をヤニクに向けて見た。
別に意味はない。多分、知っているのだろうけれど触れられない話。小さな声で、伝えることは]
…ヤニクは帰ってきてくれてよかったよ。
うん。よかった。
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ダメとは言ってないがな 上品だっつってんだよ
[ウィスキーが来るまでは、何も手を出す物がないから 代わりに、口を出す事にしたらしい]
ったく、どいつもこいつも ヨーラ、てめぇ…――――
いや、いいや
(6) 2011/04/11(Mon) 00時半頃
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ん・・・?
[ネルも、同じ事を俺に言った
無事に帰って来て、良かったと
まったく、本当にどいつもこいつも]
そりゃ戻ってくるさ
ここが、俺の生まれた場所で
ここが、俺の死に行く場所だからな
心配しなくても、ヴェスの事ならもう聞いたよ
そう。
[ミッシェルが一緒だったことはそりゃ知ってるのだろう]
人がいなくなるのは寂しい。
それだけだよ。
[くい。一杯流し込むシェリーは、喉にとても熱かった*]
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[ウィスキーと氷が、目の前に置かれて 俺は、大きな氷を一つ、グラスに放り込んで トクトクと、黄昏色をした液体を注ぐ]
とりあえず、かんぱーい!
[大きな声を出して、朗らかに 軽やかに、常に明るい表情で
ただ、瞳の色だけは、酷く深いままに グラスを傾け、喉を鳴らして 大事な事を、何一つ言わずに]
(13) 2011/04/11(Mon) 01時頃
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だな、それだけの事だ
人生の殆どの時間を、共に過ごした何かが
気がついた時には、無くなっている
そう言うもんだとわかっていても、寂しいもんだ
ただ、それだけの事だ
[カラン、とグラスの中の氷が、音を立てて]
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よーっす、飲んでるぞー
[勢いよく開いた、扉 そこから聞こえた声に、とりあえず反応したようだ グラスを持ちあげて、カラカラと、音を鳴らす]
(16) 2011/04/11(Mon) 01時頃
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なんだ、知らないのかラルフ こう言うのはな、早い者勝ち、言った者勝ちだと 昔から、相場が決まっているんだぞ
[チョップを受けて、首が短くなったかのように 顔を前に突き出して、小さくなり]
おう、サイラスただいまー ネルにはな、俺が頼んだからよ ほら、俺って面倒な事嫌いじゃん
料理とか、よっぽどの事がないとしないわけよ いやー、持つべきものは友達だよなー、うんうん
(22) 2011/04/11(Mon) 01時半頃
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んだよ、ミッシェル 俺が始めたら何が納得いかないっつーんだ
[空になったグラスに、再び手酌でウィスキーをつぎ足し 再び、グラスを傾けて]
あんまりオスカーに迷惑かけんなよー? なんせ、明日から俺の食いぶちになるかもなんだから
今のうちに、ゴマすっとかないとな
(25) 2011/04/11(Mon) 01時半頃
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[サイモンが、テーブルに加わったとしても 何も変わらずに、グラスを傾けて
乗り遅れた波には、もう乗る事は出来ない 後から追い付くような事は、決してない だから俺には、その場にいなかった俺には]
…―――
[からん、からん 長い付き合いだ、ここにいる殆どの奴等は だが、俺の表情の差に気がつく事が出来る人間が、何人いる]
ちっ…―――
ギター貸せ、歌うぞ
(31) 2011/04/11(Mon) 02時頃
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カントリーロードね、いいぞ 酔った勢いで、歌うようなもんじゃないが
[調律もそこそこに、足を組み、ギターを乗せて ついでに、ハーモニカをカバンの中から取り出して 針金を曲げた、自作の器具で口の前に固定する
眠れない夜、たまに吹くんだ、ハーモニカ ギターは、重たいから持ち運べないが 一人の時間には、やはり音楽が必要だ]
ほら、手拍子、手拍子
[周りを煽るだけ煽って、盛り上げてはみたものの 曲自体が、盛り上がる曲じゃないからな 仕方ない、とか思いつつ、ギターの弦を弾く]
(36) 2011/04/11(Mon) 08時半頃
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I hear her voice, in the mornin hour she calls me The radio reminds me of my home far away And drivin down the road I get a feelin That I should have been home yesterday, yesterday
[その朝、僕には聴こえたんだ あの娘が僕を呼ぶ声が ラジオから聴こえる音は、僕の心をあの場所まで運んでくれる はやる気持ちで、車で飛ばしながら僕は思う なぜ僕は、いままで帰ろうとしなかったのか
簡単に訳すと、そんな意味だ 一番、気に入っているフレーズだけど どうなんだかね、まったく
少なくとも、俺には誰の声も聞こえなかったよ だから、一月も、戻るのが遅くなった 一番辛い時、傍にいるのが友達なら 俺は、友達失格だね、ほんと]
(37) 2011/04/11(Mon) 08時半頃
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Country roads, take me home To the place I belon West Virginia, mountain momma Take me home, country roads
[それとも、俺にそう言う所を期待してる奴はいないかね まぁ、俺は綿毛みたいにフワフワしてる奴だから そう言う期待は、されそうにないな
諦めがつくような、悔しいような 普段、どんなにフラフラしてようと 大事な所で、きっちりしめる そう言う男で、あろうと思ってきたのに 一番大事な所、トチっちゃ世話ねぇよな
ネル、泣いてたな ヨーラは、ちゃんと泣いたかね 他の奴等も空元気だ、俺を含めて皆 こんな酒、あいつが喜ぶはずねぇのにな]
(38) 2011/04/11(Mon) 08時半頃
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御静聴、どうも
[歌が終わると、ギター片手に色々な曲を弾き 結局、オスカーが眠る頃まで起きてたのは誰だろう 俺だけかもしんないし、他にいたかもしんないが とりあえず、オスカーの邪魔をしないように 音楽はひとまず、やめておいて
宿帳をこっそり覗き、空いてる部屋から毛布を持って来て オスカーにかけた後、ギターとウィスキーを持って外に出た 起きている者がいたならば、今日は御開きと小さく笑って]
(39) 2011/04/11(Mon) 08時半頃
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―― 砂浜 ――
[今晩は、何処かに泊まるつもりだったが ヴェスの事を聞いた後、一気に気分じゃなくなってしまった いくら飲んでも、酔いやしない 酒が頭をいくら暈そうと、一部がはっきりしたままで まったく、嫌な飲み方したもんだ
こんな時は、潮風の中で眠るに限る 俺は、港の子だから 母なる海って奴、本当にそんな気がしてるんだよ]
…――――
[ギターを枕に、天を仰ぎ 波の音を子守唄に、潮風を揺り籠に眠る なかなかに、おつなもんだぞ ただ、まだ季節的に寒いけどな]
(40) 2011/04/11(Mon) 09時頃
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よう、お前は一足先に、海に帰ったんだろう だったら、ここで飲むのが一番いいよな 一緒に飲むか、一年ぶりに
[横になったまま、砂浜にウィスキーを半分流し 残り半分を自分がちびり、ちびりと飲む]
まったく、お前は酷い奴だ 女泣かせて、妹ほっぽって、ダチに知らせもしないで 勝手に、居なくなりやがって
俺が言うなって? ばーか、俺には妹も恋人もいやしねぇんだよ それに、俺は必ず戻ってくるだろう 悔しかったら、戻って来てみやがれ
[独り言を言うなんて、俺もおかしくなったもんだ]
(41) 2011/04/11(Mon) 09時頃
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…―――
ま、心配すんな 普段役に立たない分、こんな時には役に立つさ
[何を、どう役に立つのかはわからないけれど 少なくとも、時が全てを解決するなどと そんな戯言、俺は信じない 奴は、何も解決してくれやしない]
任せとけよ、兄弟 貴様は何にも心配せずに、待ってろ いつか俺が、そっちに行った時に 一緒に飲む酒を、準備してな
[そんな事を、海に向かって呟きながら いつしか眠りに落ち、目覚めたのはいつの事だったか]
(42) 2011/04/11(Mon) 09時頃
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[家を出る前に、一枚の紙にいくつかの文字を書き付けて。
それを丁寧に紙飛行機に折り畳んで自分の部屋から飛ばしてみた。
ひらりひらり。
紙飛行機は気まぐれに。
誰のもとへ飛ぶのだろう]
[薄削ぎカピスに水牛の角、色鮮やかな薄絹と、レースのようなカンティーユ。
燈る火どれも同じ色
けれど蛍火輝く虹色に。
花の如くなランタンは
まるでお城の舞踏会
そんな燭集めたら
きっとお空の天使も喜ぼう]
[童話のようなその下り、
いったい誰に届くやら]
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暑い…――――
[目覚めた後、第一声がそれだった やっぱ、直射日光ほど暑い物はないね、うん]
みーずー…―――
[頭痛がする そりゃ、酔いはしなかったが酒量は多かったからなぁ]
(76) 2011/04/11(Mon) 20時頃
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[何処からともなく、鼓膜に響くラジオの音 どうやら今日は、暖かいらしい]
アイリース、君が暑いと言うと余計に暑く感じるだろう
[聞こえやしない反応を、ラジオに反し 服についた砂を、ぱたぱたと叩いた
こつん、と紙飛行機が頭に当たって きょろきょろ、辺りを見回してみるのに 人影はなく、首をかしげた]
ったく、誰だよこんな悪戯しやがるの 悪戯は俺の専売特許だぞ
(77) 2011/04/11(Mon) 20時頃
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[紙に書かれた、童話のような言葉
馬鹿らしい、と鼻で笑ったのはいつもの事]
天使なんか、いやしねぇよ
[神や仏がいるのなら
本当に、本当に
心から祈った時に、手を差し伸べない者が神ならば
俺は神など信じやしない
一番苦しい時、悲しい時に
何もしてくれない者が仏ならば
俺は仏など必要としない]
だが、まぁ
やってみっかな、東の国の灯篭流しみたいに
海辺に浮かぶランタンで、救われる魂があるとするのなら
聖者の行進に、加わる事は出来なくても
星に願いを、かける事くらいは出来るだろう
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If your heart is in your dream No request is too extreme When you wish upon a star As dreamers do
[借りたままの、ギターを背負い 空になったウィスキーを、カバンにしまって 小さく歌を、歌いながら 今日の予定は、何かあったろうか そういや、オスカーがおやっさんに仕事の話するって そう言ってたような気がするが、どうなったかな
一言二言、言ってやりたい事がある奴もいるが タイミングがな、なかなか合わないんだよな 二人だけの時間と言うのも、そんなにあるわけじゃないし わざわざ人を引っ張って来る、と言うのもガラじゃない 縁があれば出会い、機会があれば語れるだろう 本当に必要な言葉なら、そう言う機会が訪れるだろうし 自分が言うべき事でないなら、きっとこのままが良いのだろう そう言うものだ、人の道なんてものは]
(79) 2011/04/11(Mon) 20時半頃
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[青年は一つ、ランタンを持つ。
まだお互い少年だったあの頃。
初めて会った時。
母が綺麗とほめてくれた自分の翠。
だから翠が好きだといったみた。
誕生日に貰ったのは、
淡いペリドットのような小さなランタン。
時々ともすティーランプ。
少女趣味は無いけれど、
夜の灯りに丁度良く。
大事にしていたそのランタン。
火を灯さなくなったのは
命の火が消えたあの日から]
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[本当に必要としている人は、必要な時に現れるし 本当に欲している言葉は、誰からか聞けるものだ 時にはそれが、煩わしく感じる事もあるけれど 後から振り返ったら、とっても大切な事だったりする]
Fate is kind She brings to those who love The sweet fulfillment of Their secret longing
[人は我儘な生き物で、今の感情に忠実になりがちだ 強くなれと、叱咤する言葉よりも 優しい抱擁を、臨むものだ
だからこそ、多くの人は優しさを、大事な人に注ぐから わざわざ、俺も同じものをあげる必要はない 人が優しくする時は、俺が冷たくなるのさ 人が冷たい時に、優しくしてやるために]
(80) 2011/04/11(Mon) 20時半頃
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Like a bolt out of the blue Fate steps in and sees you through When you wish upon a star Your dream comes true
[だから今、俺に出来る事があるのだとしたら
1月の間、止まったままのこの街に 一陣の旋風になって、埃を撒き散らし ハタ迷惑な奴だと、皆が口にするのを聞かず 口笛を吹きながら、いつもの通り
自分の居場所を探す、小さな旅を また、続けていく事くらいだろう]
ん…―――
[大きく伸ばした背中は、案外気持ちよい]
(82) 2011/04/11(Mon) 20時半頃
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[俺は悪い子だ、昔から 俺が悪い子だから、他の奴が良い子になる 俺がいなきゃ、一番出来の悪い奴が悪い子と呼ばれる そう言うもんだ、人の世と言う奴は
だから問題を起こすのは、俺が良い そう言う立ち位置に、臨んで俺はいるのだから 望まない奴が、問題起こすよりずっといい]
さ、久しぶりに行きますか
[一度足をまげ、伸ばし、歩き出す 何処に行こうか、悪戯をするなら賑やかな場所がいい]
(85) 2011/04/11(Mon) 21時頃
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