17 吸血鬼の城
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>>2:#1参照
襲撃が重複したので、襲撃先のみ振り直します。
□本日の血の洗礼(襲撃先)に選ばれたのは<<墓荒らし へクター>>です。
(#0) 2010/06/21(Mon) 23時頃
ランダム神…
三度目の正直。
□本日の血の洗礼(襲撃先)に選ばれたのは<<奏者 セシル>>です!!!
(#1) 2010/06/21(Mon) 23時頃
[血を与えるのは女にとって初めてのこと。
兄と同じように、と。
兄の行為を思い出しながら牙を突きたてた。
サイラスの身に纏わる薬の気配を感じながら
女は血の甘さに酔う]
く……ッ
[それは、めくるめく一瞬だった。
淫らに表情を人前で緩めるなど、以前のその男には考えられぬことで……。
襲い掛かるのは、羞恥と人でなくなったという絶望。だけど、それよりも、痺れた脳髄は、]
渇いた……。
[そう、すぐに求め始めるのは、赤い、血液……。]
――…ふ。
[目の前の男の聲に思わず笑みが漏れる]
うまくいったのは良いのだけれど
ちょっと効き過ぎてしまっているかしら。
[白薔薇へと紅い双眸が向かうのを認め
困ったように首を傾いだ]
[何年ぶりだろう、
聲が増えた]
目覚めた……か
[離れた場所の同胞に、
満足そうな声音を向ける]
ぐぅ……
[頭に声が響くことにも慣れておらず、
また頭を振る。
そして、それが城主の声だとわかると、肩で息をしながらも、思案をし…やがて…]
――……渇く……
[搾り出すはやはり本能の呟き。]
く……くく
[加減もせずに力を注いだのだろう。
吸血の本能に襲われているらしい薬屋の聲
城主は事も無げに言ってみせる]
渇くなら、満たせばいい。
血が
欲しいのだろう?
[一時ならワインで誤魔化す事も出来るだろうが
其れを教える心算は、己には無い]
この城に招いた人間はまだ幾らも居る。
其処の従者は、お前の従者でもあるのだ
好きに使うが良い。
――………。
[ツキン、と。
また胸が痛む。
柳眉を寄せてふるりと小さく首を振るった]
――……従者、
ああ、従者ならば、
良い?
[吸血本能に理性を失っている今、
制止がなければ、手は白薔薇を摘み取ろうと動き始める。]
――お兄様が良いと仰られるなら
私はただ、其れを受け入れるのみ。
[女は俯き小さく聲を響かせた]
サイラス。
[人であるときの名を呼び、男を止める]
……血の吸い方は、知っているか?
間違えるな
あれは、未だ殺してはならん。
[かかる城主の声には、微かに反応する。]
殺しては……いけ ない
[ぼんやりと虚ろにそれは理解しただろう。]
そう、殺すな。
……アレの血を吸っても構わぬが
殺してはならぬ。
[幾度となく我等に血を捧げてきた
白薔薇ならば構わないと城主は告げ
けれど、殺すまでは吸うなと念を押した]
――…私のローズ
お前が嫌だと言うならば
私は其れを止める事もする。
お前の望みは、何処にある?
――…お兄様。
[城主の聲に頼りない聲が返される]
私、は………
[望みを問われ心の軋む音。
聲無く頭を振りうずくまる]
私のローズ……お前は何も我慢する必要は無い。
お前の望むままに
あれはお前が作った眷族だろう?
[彼女の心の内を知ってか知らずか。
心もとない聲へ、城主は優しく語り掛ける。
まるでひとの兄妹を錯覚させるような]
[血を飲み込めば、渇きは満たされるだろう。
代わりに戻ってくるのは、
人としての理性。
眸の色は、青色に戻って……]
我慢、なんて………
[滲む聲は兄の言葉を否定出来なかった。
けれど如何して良いのか分からずに
ただ途方にくれてしまう]
お兄様……
私は此処に居ても良いのでしょうか。
[優しい兄の聲に縋るように甘く頼りない囁き。
女は居場所を無くしてしまうのが怖かった]
私のローズ
お前が此処以外に何処へ行くのだ?
[可笑しな事を言う
そんな風に笑い]
……お前は、わたしのもの。
そうだろう?
――…嗚呼。
そうね……、私は此処以外の場所を知らない。
お兄様の傍以外では生きられない。
[ゆるく目を伏せる。
言い聞かせるように繰り返される言葉]
私はお兄様のもの。
そうよね……、お兄様。
[聲には未だ覇気がなく頼りなさばかりが目立つ]
そうだ、
お前は私のもの。
そして
新たに生み出した眷属は、おまえのもの。
[力関係を改めて教え込むような淀みない聲
熱を帯びているのは、食事の後ならば致し方ないもの]
憂いを帯びた貌も美しいが
……お前にそのような揺らぎを与えるものは
相応の罰が必要だ。
どうしたい、私のローズ
お前の望みを言ってみろ。
私はお兄様のもの。
[僅かに頷く気配が伝う]
新たな眷属は――…私の………。
[その言葉は最後まで続かずにふるふると首を振るう]
いいえ、全てはお兄様のもの。
私はお兄様が喜んで下さればそれで……
[殊勝な言葉を口にして儚い笑みを湛えた]
お前は、わたしのもの。
お前の物は、わたしのもの。
[くすくすと、吐息交じりの笑み。
虚しさが混じるのに気付かれても、答えはしない]
私の悦びか、そうだな
――…其処の人間だったものに、客人を襲わせてみたい。
共に閉じ込められたはずの人間が
同じ立場の人間を襲う――…
良い見世物だと、思わないか?
愛しいお兄様。
[そう紡ぐことでしか心を支えられない
兄の聲に宿る感情に気づきはしても
感化され虚しさを共有してしまうのみ]
それは愉しい余興となりましょう。
お兄様のお望みのままに――…
――…サイラス。
[男は何処まで見ているのか。
タイミングを見計らったかのように名を呼ぶ]
聞こえてはいるだろう?
私の聲が。
従者で遊ぶのは、程ほどにしておくことだ。
お前にはしてもらいたい事があるのでな。
満ち足りてしまっては、困る。
私のローズ。
……新たな同胞は気に入らなかったのか?
[血を分け与えた後の
彼女の心の揺らぎ
幾らか案じる風な響きを持った聲をかける]
ならば、次はお前が選ぶと良い。
お前の気に入った人間を
眷属に――
――……
[城主の声に反応する。]
はい
[眸の色は青色だが、
どこか気が抜けた感じになっている。が…]
満ち足りてはいません。
むしろ……
[しかし、その複雑な心境が表現できない。]
お兄様――…だって……
私に目もくれずあの子に手を出したのよ。
失礼だとは思わない?
[兄と自分だけが啼かせて良いはずだった存在を取られ
更には女としての矜持さえ傷付けられて
好ましいと思える心境にはない。
言い訳染みた言葉をぽつぽつと紡ぐ。
優しく愛でてくれる兄ならその様な事はなかっただろう。
心酔する兄に対してだからこそそれを言葉に出来た]
――…次?
[兄の提案に女の表情から翳りが薄くなり
僅かに嬉しそうな気配だけが意識を通して伝う]
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