10 一夜の悪夢 ― Mayday ―
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春。
目覚めの季節。
雪が溶け、寒さが緩み、草木が芽吹き、眠っていた動物たちが目覚める季節。
温かな薫風と恵みの雨で大地を包む。
緩やかに過ぎゆく春、そしてやがて来る夏。
Maydayを明日に控えた今日、村はどこか落ち着かぬ空気を纏っている。
人々は未来を願い、日々を過ごす。
明日は必ずやってくるのだと。
根拠もなく信じているのだ――
(#0) 2010/05/08(Sat) 02時頃
■進行上の諸注意
※この村で起こることは、一夜中の出来事です。
プロローグ中を昼パート、1日目開始後から夜に突入します。
この村は特殊ルール、TMMIを使用しています。
参加者の皆さんはWiki、またTMMIルールを熟読の上参加をお願いします。
プロローグ以降、村の進行についてもWikiに記載が御座いますので、参考にお願いします。
尚、プロローグ中、ないしは村の進行中にルールについて疑問点が出た場合は、Wiki記載の専用BBSのほうで疑問を解消するようにお願いします。
それでは、良い夜を。
(#1) 2010/05/08(Sat) 02時頃
――日も暮れはじめ、雨雲が空を閉じた。
薄暗い広間、ランプと暖炉の灯りがオレンジ色に照らしている。
激しい雨を避け、息をつく村人たち。
温まる身体、普段はあまり見ない屋敷の内部。
物珍しさに惹かれて会話が弾む村人たちをよそに、男は薄暗い部屋で恐慌に喘いでいた。
両腕で頭を抱え、その顔は土気色に凶相が刻まれている。
痩けた頬に鳴らされる歯。
男が悩んでいる間にも時計は刻まれ、刻一刻と猶予を奪っていく。
震える身体で男はやがて視線を上げる。
乱暴に扉を開き、廊下を走る。
階段を転がり落ち、広間へと駆け込んで――
始まりの合図を告げた。
(#2) 2010/05/10(Mon) 23時半頃
「逃げるんだ! 急がないと、間に合わなくなる!」
手には魔術に関すると思われる古い本。
男はそれを掲げて、もうすぐ日没であることと、今夜がワルプルギスの夜、と呼ばれるものであることを懸命に訴えた。
長く引き篭もり、そして冷静さを失った男の言葉は前後も、脈絡もない。
今夜がワルプルギスの夜であること、魔術的な儀式で村の住民が生贄に捧げられてしまうこと、早く逃げなければならないこと。
男はうずくまり、ひどく憔悴して何度も同じことを繰り返した。
(#3) 2010/05/10(Mon) 23時半頃
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