22 共犯者
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話はどれだけ進んだんだ。
首はもう見付かったのか。
[ 語り掛ける時、彼は名を呼ばなかった。
呼ばずともこの地に同胞は互いしかおらぬ故、混乱することはない。
彼はこれまでの数年間、幾度もなされた名乗りと名付けの要請を何故か拒み続けてきた。]
[…哀れなソフィア。まだ見つけてもらえないなんて。
…哀れな人の子ら。まだ見つけられないなんて。]
体が聖地の樹にあったのだから、対になる頭があの泉にある事くらい、誰かがすぐ気付くと思ったんだがな。
そんな事も忘れちまうなんてよ!
…まあいいさ、これからじわじわと思い知る事になるだろうよ。
[ 吐き捨てるような同胞の声に耳を傾けた後。]
人間たちに違約の罪を思い知らせる。
罰を与えるのが、お前が儀式に参加する目的か?
[ 静かな声でおもむろに問うた。]
[生贄と聞いて、湧きあがってきた好戦的な感情を
抑えきるのがやっとだった。]
報復か。いや…それも大義ではあるが。
人間と戦えるのも…楽しみなんだよな。
今からゾクゾクしてしょうがねえよ。
[銀髪の同胞が氷のように冷静沈着で在るのに対し、褐色の毛並みを持った彼は炎のような闘争心と激情を持っていた。]
アンタは前の儀式のときはどうだった?
参加したんだろ?
…俺はひどく人に混じり過ぎたみてえでよ。
「キツネ」に人の子の事は色々教わったが、
アンタの事、意外と知らないんだよな。
前の儀式のとき、か。
[ それが「この前の正式な儀式の時」を指すのであれば、60年は優に経っている。]
どうということはなかった。その時は。
[ その「彼が参加した以前の儀式」が何時の時代であるのか、語らぬままに答えた。]
儀式の本義は神々に生贄を捧げること。
常しなえに我が一族に繁栄が続くようにと。
だからこそ、儀式を成し遂げたものに栄光が与えられる。
それは忘れるな。
[ 同胞の熱過ぎる血に釘を指す如く。]
……「キツネ」たちは何も言わなかったのか。
[ それは人間たちから儀式の詳細が忘れられたように、時を経てその伝承も喪われたのか。
それとも、外の同族たちが「伝えぬ方が良いこと」として教えなかったのか。いずれにせよ。]
知らぬのならそれは大した情報ではない。
俺は今お前の前にいる。
これから知る機会はあろうさ。
[ はぐらかすように嘯いた。]
…悪い。アンタの言う通りだ。
我らの使命は儀式の完遂。
どうも最近特に血が疼いちまってよ…。
[彼がどのように獲物を仕留めるか。
まだ見ぬ力に軽い憬れもあるのだろう。]
へへっ、確かにな。
ああ、早くやりてえなあ!
[これから始まるであろう儀式を思い浮かべ、まるで遊技場へ行くのが待ちきれぬ幼子の如く、楽しげに囁く。
儀式への期待、高揚、己が命を賭けるスリル、興奮、まだ見ぬ生贄。]
二人づつ…だよな。
あの忌々しい結界さえ無ければ。
……。
さあて、生贄を選んでいくのも、随分久しぶりになるな。
誰にするかねェ…。
ああそうだ、それともう一つ。
アンタを俺は護らねえといけねえな。
[参加する狼全員が生き残った状態で儀式を終えるのが、最も名誉な事であると教わっていた。]
[ ほんの一瞬のあいだ、ほんの僅か。
戸惑いとも感嘆ともつかぬ沈黙。]
――……
ほんとうにお前は、儀式を待ち侘びていたのか。
[ 改めて気付いたように、しみじみと呟いた。
その時だけは、彼は思わず本音に近いものを零していた。]
[ だが、亀裂は瞬時に閉じられた。
首肯した彼は、同胞の知るいつもの冷冽に戻っていた。]
ああ。
逃れの地に入ることの出来た者がいなければ。
我らが供物として捧げる生贄は一夜にひとり。
朝(あした)には、生贄たちが死すべき者一人を選び出して殺すだろう。
[ 静かな笑いが零れる。]
次の生贄はお前に任せよう。
それほど焦がれるならば、存分に愉しめ。
俺ばかりが愉しんでは詰まらないだろう?
お前が獲物を仕留めるところが見たい……
お前がその腕で、生贄を引き裂く様が。
[ 命令ではなく強請るように。
淫靡な誘いのように囁いた。]
俺を守るより先に、自分を守れよ。
俺はそう簡単には死なない。
これでもお前よりは長く生きているのだから。
[ その声は、少しだけ真剣だった。]
[ 彼――「ヴェスパタイン」と名乗る男が現れて、偏屈な職人の弟子になったのは今から5年近く前に遡る。
だが、彼が同属として「ヘクター」に接触してきたのは、それより数ヶ月の後、前回の祭が終わった後の満月の夜だった。
彼は村と、村を囲む広大な森林――それは周囲に住む人間の伸張のために、近代に入って益々縮小していく一方であったが――に轟き渡る、声無き咆哮を放った。
『私はここにいる』と。]
[ホリーの背中の血痕にいち早く気付く。
濃い血の臭いに包まれている為、接近している時から容易にそれは感じ取れていた。]
…この少女…、まさかな。
[自分たちと近い匂いを嗅ぎ取ったのであろうか。かつては同じ流れの源流にあった者らの。]
[月と太陽に照らされ、清められたその肉体は、また人の子らによって土に還るだろう。]
[歓喜の笑みを浮かべる。]
さあて、誰にしようか…。
儀式をないがしろにした者、余所者をこの村に招いた者、
我らの存在を忘却した者…。
我らの力を察知できるラトルの「視る者」は邪魔だが、彼らの力で我が眷属も覚醒する。
…まだ襲うのは時期尚早かねえ。
[ラトルは俺を視ようとするだろうか?杞憂だと良いのだが。]
[イアンがヴェスパタインから別れた直後、ミッシェルに会う前、その一瞬の合間にヘクターの姿があった。ちょうど木の陰になって、村人からは見えなかっただろう。
彼に近づくや否や、彼に向かって突進する。襟首を掴み、訊く。]
…アンタ、どういうつもりだよ?
あの余所者の人間飼ってどうすんだ?
前回は儀式の始まりだから大目に見たがよ、今回は見逃せねえな…!
なにか利用価値でもあんのかよ?
生かしておくだけなら兎も角、余所者と親しくなってどうする?
アンタの正体でも勘付かれたら…!
[ 宵月の瞳がすっと細まり、柔和なランタン職人の顔が一変して冷ややな獣の顔に変わる。
煩わしそうに、ヘクターの手首を押し退ける。]
考えあってのことだ。
お前は口を出すな。
あいつには何も出来はしないさ。
[ そう嘯き、同胞を睥睨する双眸には、一片の迷いもない。]
同属に魅入られ、己が種族を裏切った人間は過去に幾人(いくたり)も出た。
あれの扱い方など、お前に言われなくとも充分に心得ている。
ちっ、そうかよ…。
アンタの強さは認めるが、あんまり無茶はしないでくれよな。
[彼の発する雰囲気に圧倒されたのか、不満そうながら手を引く。]
誰を襲うか見てくるわ。
[ 退く手を追いかけるように、逆にヘクターに身を寄せる。
もう少しで触れるほど近くに顔を近付け、]
今夜の生贄選びは、お前に任せてある。
俺は一切手出ししない。
[ 半眼に目を閉じ、同胞の瞳の奥を覗き込む。]
もし、手伝いが必要なら。
[じっと同胞の眼を真っ直ぐ不敵に見つめ返す。]
…そりゃ、心強いねェ。
またアンタの話を聞かせてくれ。
「視る者」だけでなく、「結界主」や、他にも我らに対する力を持った人の子の血統はまだ続いているだろうからな。
[ゴッ、と自らの額を相手に軽くぶつけ答える。
自らの眷属はできれば屠りたくないとも思っているようだ。]**
「人の手」で屠る対象としてはピッパ・・・。
狩りの獲物としては・・・テッドかノックスか。
儀式を軽んじた奴らに、知らしめる為にはこの辺りがいいかもな。
なるほど?
良い選択だ。異存はない。
そのどちらかならば、出来れば、この、
[ とちらりと脇でパピヨンに話しかけている青年を見遣る。]
ノックスが先の方が、効果的ではあるように思うが。
[ 暗に、伝え聞くノックスの伝統への軽視を示唆しているのだろう。
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