153 unblest blood
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[ダンピールの存在は稀少で、
少なくとも男にダンピールの知人はおらず、 「人」からも「吸血鬼」からも隔絶された存在と感じるようになる。
けれど、惹かれてしまうのだ。]
(屍人の血が、屍人に惹かれちまうのか。)
[いつしか、男はそんな風に考えるようになっていた。 それを憎んではみても、抗えはできないままに。]
(58) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[ある女吸血鬼は、子を持ちたがっていた。 けれど、屍人である女と、半屍人である男には子は出来なかった。]
こどもなんかいらねぇ。不幸になるだけだ。
[思い悩む女に、男は真実を告げた。 その折に、母の最期も語って聞かせたなら、]
「お母さんは、貴方に親殺しをさせたくなかったのね……。」
[「分かる気がするわ」と、
女は男の目の前で、 二階から飛び降り、鉄柵に心臓を貫かれて絶命した。]
(59) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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あぁ、……そうか。 皆、死にてぇんだろう。
芳しい香をプンプンさせて、俺を惹き寄せて――、 長すぎる生を、終わらせたいんだろう?
(脅える友人に、終焉を。 愛する人に、 ――解放を。)
[衝動が抑えきれなくなる時はいつも ダンピールの血が、そう男を唆す。
思い込み。エゴ。
自身を説得出来たなら、 理性で抗えるものであったなら、
――どんなに良かっただろう。]
(*0) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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―現在/リビング―
マドカ、俺が……楽にしてやるからな。
[何人もの「人」を失血死させた。 何人もの吸血鬼を灰へと返した。
そんなことの繰り返しの毎日が、 永遠の時間の中、通り過ぎる人々の死を見続けることが
二度目の生が、悦びに満ちているとは思えなかった。]
そんなのぁ、……生き地獄だろ。それこそ終わらねぇ、永遠の。
.
(60) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[戦うのであれば一対一。 そう考えていたから押さえておくなど考えもしなかった。 クラリッサがフィリップを押さえ サミュエルがだがー振るうのをただ黙って見ていた。
空を切る音に肉を裂く音が混じる。 一文字に振るわれた刃がフィリップの喉を裂いていた。
赤い飛沫が舞い、甘美なる血の香が漂う。 男はそれに微か眉を寄せて欲を押し殺した。
止めに断たれた部位が床に落ちる音はなく 灰となってゆくさめを見詰める。]
(61) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[フィリップが死しても真実がどうかは知れない。 確認の術ないままに彼の最期を見届けた。 サミュエルと視線向けて]
お疲れさま。
[労いの言葉と共に今は彼の手元にあるダガーを示し]
それ、暫く預けたままの方が良いか?
[リビングにあるケースに武器があるを知らぬまま 必要か否かを問う。]
(62) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[ジリヤの反応>>40は受けとってはいたものの 直ぐに言葉は返さず、何処か困ったような笑みを一瞬浮かべた。
一人分の気配が消えて。 それから漸く彼女に応えを向ける。]
――海に、還るか?
[玄関近くで望むかと尋ねたと同じように訊ねた。]
(63) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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シーシャは、サイラスとマドカはどうしているだろう、とふと思う。**
2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[床に押し倒し、マドカの上に乗って見下ろした。
その表情は恐怖に歪んだだろうか。 泣いていただろうか。 怒りに震えていただろうか。
最早、マドカの声は、……心は男には届かない。
「嫌だ」「生きたい」「死にたくない」
それらの言葉は、死に対する恐怖。 それすら、男の頭の中では助けを乞う声に変換された。
歪みきった男の正義が、吸血鬼を灰と返す時が来た。 穏やかな笑みを向けながら、男は強く願う。]
(64) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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これで終わりだ。
(65) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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どうか、幸せに……。
(*1) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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[口を吸った後、何事か唱えた瞬間――。
マドカの顔が、崩れ始めた。
さらさらと灰に戻っていく様を、 ――旅立ちを、微笑みながら見送る。
そうして全てが返ってしまったなら、 マドカの頬があったであろう場所、
そこに積もった灰に、ポタリと雫が落ち――、
灰の色を変えながら染み込んだ。**]
(66) 2013/12/07(Sat) 03時半頃
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/* 狙ってたけど、死んでる!(笑)
楽になれた、良かった。もう少し離したかったね、上手く立ち回れたらサイラスもっと泣いてくれたかしら(
(-23) 2013/12/07(Sat) 04時頃
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/* 誤字oh
(-24) 2013/12/07(Sat) 04時頃
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[マドカへ「店でもやればいい」と言った時、 自身の店に甲斐甲斐しさがあったならと考えた時、
過去の経験から、有り得ないと知っていながらも、
――自身の店へと足を運んだ複数組の客を相手に、
くるくると走り回り、 接客するマドカの姿を思い浮かべてしまった。
勝手な妄想。
けれどそれを思い浮かべてしまった時、 「悪くないな」と。
ひとりよがりな、一晩も経たずに消え去った夢物語。]
(*2) 2013/12/07(Sat) 04時頃
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[雫が落ちた辺り、 積もった灰が崩れ切らない程度に撫でていると、
もう聞くことのない、あの騒々しい声が聴こえた気がした。]
……スコーン、 アレももう食えねぇのな……。
[当たり前のことを呟いた直後、
今まで、距離はあれど微かに感じていた「オナカマ」の気配が、 完全に消えていることに気付いた。]
もっと、話しときゃよかったな……。
[この世に生まれ落ちて49年。 初めて出会った仲間、であったのに――。]
(67) 2013/12/07(Sat) 04時頃
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誰が、殺したんだろうな。
[ダンピールの最期はどんなものなのだろうか。 「人」や吸血鬼と同じところへ行けるのだろうか。
死んでもなお隔絶されていないことを、ただただ祈る。 何れ男もそこへと行くのだろうし。
死んでまで孤独を感じたくはない。]
あぁ、お前がいるか。
[ぽつり、零れた声は苦笑を伴った安堵の色。]
(*3) 2013/12/07(Sat) 04時半頃
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/* きゃー シーシャが飴くれてたありがとう!!もぐもぐもぐ。
(-25) 2013/12/07(Sat) 04時半頃
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サイラスは、その場を動けずに、ぼんやりと、灰となったマドカを眺めている。**
2013/12/07(Sat) 04時半頃
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/* ごめんサイラス年下になったわ私w
(-26) 2013/12/07(Sat) 04時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2013/12/07(Sat) 04時半頃
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/* まどか、生き返った時押し倒されてたから、同じ体勢で最期迎えたとか凄いね。
二度寝出来ない…_| ̄|○
(-27) 2013/12/07(Sat) 05時頃
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/* このキャラ、セレストでも良かったかなという後悔をする出勤5分前。
(-28) 2013/12/07(Sat) 06時頃
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─どこか─
[背中が痛む。 覚えのある背中の痛みに、男の身体の重みを受けて身じろぎ出来ない自分の身体。
記憶の中の目覚めなのか、それとも二度目の最期の感触なのか判らないまま、自分に起きた事を思い返そうと霞の様に朧で、けれどもきちんと思い出せる記憶を手繰る**]
(+4) 2013/12/07(Sat) 10時頃
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[その身は灰と成り果てる。 これは吸血鬼に与えられた罰なのだろうか。]
…………これで終わり、ですか。
[足元に散ったガラス片に視線を落としながら呟く。 そんなとき耳に届いたのは何度もぼやいた願い。]
そう、ね……。 そうあるべきでしょうね。
[自分の過去に、目の前の光景。 生きたいという欲望が誰かに傷をつけた事実。 それから目を背けるかのよう、静かに瞼を伏せた。**]
(68) 2013/12/07(Sat) 12時頃
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―グロリアの部屋―
[灰となってしまったフィリップ。 殺意を向けた相手を弔えるほど厚顔でも偽善的でもない。 ただ一瞬、己の手で屠った女と産声をあげる事さえ許さなかった子の存在を重ねる。 死の淵から蘇り人の理を外れた罪深き吸血鬼がうみだしたダンピールという存在。 子も親を選べずうまれおちたその時から親の業を担うか。 天敵として屠るべき存在として認識しながらも割り切れぬ感情は確かに男の中にも在った。]
――フィリップ。 見舞ったグロリアには会えたか? 会えたなら、お前さんは何を話し何を思ったんだろうな。
[グロリアの見舞いに席を立ったのは二人。 その一人であるサミュエルは戻り彼女の状態を話した。 もう一人であるフィリップからそれは聞けなかった。 それが疑いを向けた要因となったもう一つでもあったのだが手探りで感覚の部分が強い事は無論自覚していた。]
(69) 2013/12/07(Sat) 14時半頃
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/*
ダンピール二人とも母親が吸血鬼なのな。 俺が赤だと父親が吸血鬼ってパターンで親殺しは同じだったかなぁ。
(-29) 2013/12/07(Sat) 14時半頃
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[室内の明かりを受けて散らばるガラス片が煌めく。 床に落ちるガラス片と灰を一瞥するも触れる事はない。 ジリヤの声>>68に顔を上げ]
終わりであって欲しいもんだ。
[そうでなければ面倒な事だと思う。 面倒だから退屈しない。 フィリップにそう言いはしたが 己の存在を掛けた遣り取りを楽しめる面倒事とは思っておらず]
――ジリヤ。 そうあるべき、と思う、根拠は。
[たずねるような囁きを瞼伏せた彼女に向けて 男はグロリアの部屋から退出した。]
(70) 2013/12/07(Sat) 15時頃
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―リビング―
[出た時は二つあった人影が 戻る頃には一つしか見当たらない。 入り口付近に置いたままの自らの荷を一瞥した後 男は残る一つの人影――サイラスへと歩み寄る。]
サイラス、マドカは何処に――…
[見当たらぬマドカの行方をたずねようと サイラスに問いかけた声が途中で止まった。 床に落ちる灰には見覚えがある。 グロリアの寝台にあった、あの色と同じ――。]
……なんで。
[疑問の言葉が戸惑うように開かれた口から漏れた。**]
(71) 2013/12/07(Sat) 15時頃
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― 生前・グロリアの部屋 ―
[突然掴みかかられた感覚。続く宣告>>9 シーシャが言うように>>11自分が容疑者として有力なのは理解している。 だが何故今になって。詰問するタイミングならいくらでもあった筈なのに。
その疑問はクラリッサの囁き>>16で氷解した。 他の者は分からないが、サミュエルと自分の距離は近い。彼女の囁きはフィリップにも届いた]
……ああ、そゆ事 へー、そんなのもいるんだ
[『見分ける』能力。 恐らくクラリッサも持っていると思われるそれを何故自分に行使しなかったのかは不思議に思ったが]
――もっと早く気付いてれば、こんな風にはならなかったのにね
[それはまんまと見破られた自分に向けた言葉か、或いはダンピールに遅れを取り友人を失った彼らに向けた言葉か]
(-30) 2013/12/07(Sat) 15時半頃
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[見破られてしまったのなら。 嘘を好まぬフィリップが言い訳を重ねる訳もない。
廊下から動けなくなっていた理由はジリヤの語るそれとは違っていたが。 最早言葉を紡ぐ事もなく、脇腹に刺さる痛みを受け入れた。
死の直前、呪詛の力が戻った感覚。
自分に後悔があるとするなら、あの日を二度となぞる事なく終わる事だと
思っていたのだが]
(-31) 2013/12/07(Sat) 15時半頃
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[意外にも――頭に浮かんだのは同類の彼だった。
どの道、数は吸血鬼の方が多い。 自分が生き残っていた所で彼らに囲まれてなんとか出来る筈もない。此処で一人灰にしたところで無事に逃げ果せる可能性だって低い。が、せめて。
せめて彼が生き延びる1パーセントでも引き上げるために。
それは同類への情、というよりも希少種を保護しなければ、という使命感に近かったが、とにかくナイフの引かれる前に。
鎌を模った呪詛がサミュエルの首を狙い
その首を落とす前に霧散した*]
(-32) 2013/12/07(Sat) 15時半頃
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― 現在・どこか ―
…………
[周囲の彼らの言葉を聞く限り、自分が彼らに殺された事に間違いはないと思うのだが。 やはり死の間際の光景は思い出せない。
サミュエルの奇行を咎めた自分の言葉。そこで記憶が途切れている。
自分の遺体――依然よく見えないが、多分――に向かうサミュエルの呟きに>>45]
誰に理解されるとも思ってない、って言ったじゃん それに――今の俺はもう感覚も思い出せないよ
[ダンピールを構成する要素が抜け落ちた今、その感情は恐らく彼らが感じたように不気味で業の深いものに思えた]
(+5) 2013/12/07(Sat) 15時半頃
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