276 ─五月、薔薇の木の下で。
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ぼくの名前はフェルゼ。 きみの名前は?
[ 親の目も盗んで紡いだ旋律は尊いもので。 確かに失いたくない程の思い出だった。 ]*
(267) 2018/05/22(Tue) 23時頃
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[ 頬を擽るような感覚>>253 望まれた願いとは正反対に重たい瞼は 蒼白い月を覗かせた。 ]
………音、がする。 ベネットだ。
[ 茫然と呟きながらも体は重い。 本格的に風邪でも引いてしまったのかもしれない。 横目に音を追えば先程見かけたケヴィンらの姿はなく、 ただ、何処か悲しそうな苦しそうな音色>>243に口角を上げた。 ]
(273) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
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いいな。俺にはない、素直な色で。 ベネットにしか作れない世界だ。
[ 俺はその空間が好きで、あの時のように また一緒に音楽ができたらなんて 最早遠い願いを浮かべながらふと、 視線を動かした。 ]
(274) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
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[ そこにいたのは見下ろすよう座り込む悪友の姿。 何故彼が此処にいるのだろう、なんて。 そんな事を考えながらも息を切らす彼に 瞬きする。 何をそんなに必死そうな顔をしているのだろう、と。
尋ねたい事は沢山あったし、 言いたい事も山程あった。 だが気怠い体は腕を持ち上げるのに精一杯で。 指の先が彼の手に触れようと伸びた。 傷の残る指先を辿ろうとした。 ]
(275) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
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何をそんなに脅えているの。
[ ただ、それだけを尋ねた。 見当違いかもしれないがそれを考える余裕もなく。 続け様に告げた。 ]
……大丈夫。 大丈夫だよ、オスカー。 俺が、君を見てるから。 何も怖がる必要なんて、――ない。 [ 泡を吐くようにして溢した。 ぼう、とする意識は最早混濁としていて 自分が何を言っているかも、 定かではなかったけれど。 ]
(276) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
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だい、じょうぶ……だから。 笑って。
[ ぷつり、と。 意識の途切れるその瞬間まで口角を上げて告げた。 ベネットをお願いね。マークとは何があったの。 モリスのこと、ヒューのこと、イアンのこと ケヴィンのこと、ロビンのこと、その他にも 沢山伝えたい事はあったけれど。 ]
( また、謝り損ねちゃった。 でも、なんだかもう眠い。 )
[ 閉じた瞼は開く事はなく。 沈黙の間に流れるのは薔薇の香りだけ。 ]
(277) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
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( その声>>259がせめて聞こえたらよかったのに。 でも俺がいなくなったところで――……何も変わらない。 )
[ 誰かに縋るようなピアノの音だけが鼓膜に響いた。 打ち明けない言葉は誰にも届く事はない。 ]**
(278) 2018/05/22(Tue) 23時半頃
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フェルゼは、ロビンが無事であればいいなぁ、なんて思考は消える。**
2018/05/22(Tue) 23時半頃
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