25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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…何の花が開くかと思えば
[まどろみの中に聞こえた聲に小さな欠伸が一つ。 気だるげな声は数拍置いてから]
見えるは"晩餐"の時にて。 ……愉しませてもらおうか。
[低く、哂う]
(*41) 2010/08/04(Wed) 12時半頃
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[目覚めた花は、ふと思い出す]
――…して、晩餐に並ぶは 誰ぞ?
(*42) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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[時折歯にしっかりとした食感を寄せるのは 細かく刻まれた塩漬けの心臓。 悪くはないが、殺したての肉に比べれば鮮度が違う]
主から喰らうか。花から喰らうか。 …イビゼラ、だったか。 お前は誰を喰いたいと望む。
(*43) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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喰らいたい……私が?
[短く吐息を零す。 暫しの間]
種を植えるなら、育ててゆけぬものを 喰らうなら、財有るものを
[声の届く二人とは、間逆かもしれず 謡うように節をつけて囁く]
嗚呼 しかし 幼い肉は柔らかく美味と謂う
悩ましい
(*44) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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…柔い肉の味は霞に聞くがいい。 私は、あまり好まん。喰らわぬわけではないが。
[率先して子供を、とはあまり言い出さぬ口。 霞のほうは、誰を好むのであろうとは思いはすれど]
(*45) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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…――雛鳥は
[からかうような囁き]
さぞ、美味かろうや
(*46) 2010/08/04(Wed) 13時頃
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…雛、ねえ。
[あまり興味はないのか、呟きもうつろ]
旨味はあるが、食感に欠ける。 まあ、初物に食うには好いかも知れんが。
(*47) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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先ずは前菜 幾つか挟んで漸くメイン デザートは最後にとっておくもの
[さて雛鳥は何処に当てはまるか、と哂い]
ただ…――形式に拘らぬ晩餐であれば 好きなものを好きなだけ 皿を手に歩き回れば良い
[付け加える]
此度の晩餐は……どちら?
(*48) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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初物は傷みやすい。 喰らうなら早めが好かろうね。
[くつ、と小さく喉を鳴らすのは愉快さか。 それとも、憶える餓えによる期待か]
皿を持ち歩くも構わんが、食後の甘味ぐらいはゆっくりと味わいたいもの。 …そういうものは、取っておくが良いと思う。 皿を持って歩きまわってばかりでは、忙しなかろう。
(*49) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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喰らうて良いなら、今すぐにでも
[腹の底から込み上げる本能が 急かすように焦らすように蠢いている]
嗚呼……腹が空いた
(*50) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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糧として、喰らうのならば…
[そっと腹を撫でるのは、一夜の夢を見せた法師のことか。]
食べ頃ならば、若い桜の猫が盛りか。 だが、ようやく開く花のお目見えならば、先ずはどなたかに、一夜の夢でも魅せてごらんよ。 いくら美しくとも、徒花は要らぬ。
(*51) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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腹が空いて堪らんならば、一番食いでが有るのは小山のような肉饅頭では無いかえ? [くく、と落とす揶揄。]
ああ、雛鳥は食後の水菓子に…
(*52) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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桜の猫は、其処に見えるが 嗚呼でもこれは……若しかしたら
これから、化けるやも。
[冬色の瞳が春を見る]
……私が、徒花と? 面白い
[薄く、哂った]
噂の花を咲かせてみせよう 一夜でなく、この日の下で
(*53) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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脂身が不味そうで食う気にもならん。 悪食のお前と一緒にされては困る。
[そも、元々の基準が違う立場。 好みの肉に困ったことがなければ 不味い肉を放り出すなど日常茶飯事]
…なるほど。 随分と面白い趣向だ。
[低く、喉が哂う。見せてみろ、とばかり。 丁度視認できる位置から鉄色は咲き始めの花を見下ろす]
(*54) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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肉饅頭は肉饅頭を喰らうているよ。
[今しがた伝えられたそれを聞かせ]
余程、執心の様子。 他所に懐いた雛鳥など、もう要らぬ
喰らうにしろ、あれは 人数分も無いようだ
[胸を押さえながら呟く。 テラスからの視線に気付き、つと目を伏せた]
此処ならば、置いてある筈 暫し間を。
流石に私は、ナイフ刺さる痛みに耐えて舞う気は無い故に
(*55) 2010/08/04(Wed) 14時頃
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では…愉しませて貰おうか。
[微かに口元を歪めて、嗤う]
(*56) 2010/08/04(Wed) 14時半頃
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噂の主を、その目で見るといい
[艶を抑え、爽やかな春の音色を自在に操る。 小鳥の挨拶も木々の葉が甘く囁くさまも 確かに其処に映し出されていた**]
(*57) 2010/08/04(Wed) 14時半頃
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よーし、食え食え
[寝てるのにひどいもんだった。]
(=49) 2010/08/04(Wed) 16時頃
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…存外、普通だな。
[周りの噂如何ではなく。 随分な口を叩いて見せたように聞こえたので]
てっきり、猫を食らうつもりなのかと思っていたのだが。
(*58) 2010/08/04(Wed) 16時頃
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おや、普通と謂うか
[苦笑を零す]
……朝日の下に相応しい音色を選んだ心算だったが ひとつ、惑わしの歌でも奏でようか
猫を喰らうて欲しいなら
(*59) 2010/08/04(Wed) 16時半頃
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何、直前で喰う喰らう如何の話をしていただろう。 それゆえ。
[確か、あの花は種を植える云々とも言っていた気がするが さてどうするつもりなのかとは思う]
私を惑わしたところで仕方なかろうに。
(*60) 2010/08/04(Wed) 16時半頃
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技巧だけは、かなりのものか。 [窓から漏れ聞こえるを耳にして。
ひと味足らぬは焦がれる思いか。 雛鳥の歌に加わった艶や、あの狂い咲きの笛の音のような。 何かするつもりなら、そっと窓から見守る所存。]
(*61) 2010/08/04(Wed) 16時半頃
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植えたいのなら、誘うて蒔いて構わぬのに。
その為の、祭りであろう?
(*62) 2010/08/04(Wed) 16時半頃
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っふ……
[微かな吐息を洩らす]
否
惑わしは、これへ。 流石に……聞かせる相手が夢の中では届かぬやも
[謡う相手が違うと、微かに視線を向け]
元より貴方がこの血に惑うとは思わぬけれど 戯れくらいは、如何?
[唇が笑みを浮かべる]
(*63) 2010/08/04(Wed) 17時頃
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嗚呼、技巧は 物心付いたときより学んだ数だけ、この身にあるが
舞もうたも武芸も―― どれをとっても、風情が無いと師が。
[それ故少年は才が無いと塞ぎ けれど技巧はあったものだから やがて其れは形を変えながら人々の噂に上る。
いま奏でるその曲には情景を浮かべる色がつく。 それでも 誰を想った一芸には有らず]
眠る桜を誘うなら……急く事もあるまい どの道これは、冬を恋うていたのだから
(*64) 2010/08/04(Wed) 17時頃
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技巧だけは。 流石、花の言うことは違うな。
[く、と低く喉が鳴った。 思うことは他にもあれど]
何だ。 あれだけの大口を叩いておきながら、 夢の中まで惑わせて見せるとは言わなんだか。 まあいい。
[浮かんだ笑みを見たのは、テラスを下がるその少し前のこと。 向けた鉄色は冷ややかな温度のまま]
戯れ? …気が向けば、付き合ってやっても構わんよ。
何時気が向くかは、知らんがね。
[唇歪めて、微かに嗤った]
(*65) 2010/08/04(Wed) 17時頃
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花であれば――…技巧はあって当然のもの 凡才と思う定義は其々に
[視線が一度交わる。 温度はどちらも同じ]
嗚呼
意地の悪い
[歪む口元から視線を下げて、頬を染めた。 拗ねた口調で囁いて やがて春のうたは終わりを告げる]
(*66) 2010/08/04(Wed) 17時頃
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意地が悪い?今更だな。
[見えなくなった姿を気になど止めない。 止めるはずがない。 強い興味を持てぬのであれば 総ては興味の蚊帳の外]
悔しければ、その気にさせて見せれば好かろう。 魅了し、手玉に乗せてこその───悪の華よ。
[低く喉が嘲る様に震えて、嗤った]
(*67) 2010/08/04(Wed) 17時半頃
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それでは同じ言葉を。
「その気になれば」魅了に向かおう
[溜息ひとつ。 姿を追う事はしない]
鍵爪で引き裂くなら 背が良いか 腹が良いか
私がこの手にしたいのは
(*68) 2010/08/04(Wed) 17時半頃
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つまらん事を言う。
[それは幾らか低い声]
引き裂いてまで、何がしたいイビセラ。 腹を裂いて背に傷をつけて。
それで何とする。
[嘲り交じりの言葉は続き、ゆっくりと冷えた音になる]
悪いが、この身はそう簡単にお前にくれてやるほど 安いものではないのだよ。
(*69) 2010/08/04(Wed) 17時半頃
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