人狼議事


52 薔薇恋獄

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視点:


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[あれは今から七年前。
 その頃おれは今の学校からも今の家からもずっと遠い町に住んでいた。
 その時代におれは、同じ学校に通うある子を好きになった。
 放課後、誰も見ていない教室で、手をつないだ。キスもした。

 ところでおれの家は、歴史ある大学に何人も進学しているような家。
 大好きなその子の家は、そうではない家だった。
 ……身分違い、と言う程大げさなものではない。
 百何年も前にあった身分事情と、現代のこれとは話は別だ。
 それでも、おれの両親にも大きな姉にも、上から世間を見下ろすような意識があったのは確かだった。
 幼かったおれは、そんなこと何もかも解らなかったけれど。]

(640) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[ある日、おれはあの子と一緒に少し遠くの山へと登った。
 てっぺんまで行って、高い空を、広い木々を、遠くの海を描きまわった。
 無邪気にはしゃいで、笑い合って、抱き合って……長居をし過ぎた。

 次第に激しく打ち付ける雨。低く唸る稲光。見失った帰り道。
 震えて握られた小さな手。凍えた身体。熱を帯びた額。乱れる息。
 波打って。擦れて。破れて。絵具の溶け出した、スケッチブック。

 それからどのようにして町まで戻ってきたか……助けられたかはよく覚えていない。
 ただ、母がひどく怒鳴り散らしていたのと。
 相手の母親が謝っていたのと。
 大好きだったあの子が泣きじゃくっていたのだけは、覚えている。]

[それ以来、おれがあの子と付き合うことはなくなった。
 そして程なくして、おれもその子も別々の場所へ引っ越していった。
 おれの居場所も、その子の居場所も、その町からなくなった。]

(641) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン


[……そんな恋も、あった]
 

(643) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

―― 2階自室 ――

[ノックの音がした。
 出る気力も、なかった。
 なかった……けれど。]

 …………。

[ぼんやりとした頭で。
 泣き腫らした後のうつろな瞳で。
 手にぼろぼろのものを握ったまま、ゆっくりと扉へと向かい、小さな隙間から声を掛けた。]


 ……どうしたの。

(650) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[部屋の外の桂馬>>647に、かなり無表情に、瞬いた。]

 ……あ。
 うん。
 なら、食べにく。

[行く心算もそれほどなかったのだが、とりあえずそう返答して――]

(655) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[「心配しすぎて」 「イライラしてる」 「やつ」 。]

 ………あ。

[茫然と、哲人に顔を向けた。
 そして、少し……少しずつ、瞳に涙が滲み始めた。
 何か言おうと、唇が僅かに動く。けれど、声にならない。
 近くに居るはずの桂馬も成人も、文も、上手く捉えられない。]

(658) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

【独】 ランタン職人 ヴェスパタイン

/*
これ、もし何かあったとしても……かなり時間的にギリギリっぽい気がするんだ、ぜ!
い、いける、かな(何

(-269) 2011/05/19(Thu) 22時半頃

ヴェスパタインは、哲人>>644の声も、聞こえてはいたの、だけれど――

2011/05/19(Thu) 22時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[哲人>>664と視線が交わることはなかった。
 先ほどの声だって、拒絶、だった。
 まるで何も感じていないかのような顔をしていても……こわくない訳が、なかった。

 でも、それでも彼は今、逃げずにここに居て。
 心配もしていたらしいと言われていた。]

 ……テツ。

[まだ、壊れていないのだろうか。
 皆との関係も、彼との関係も。
 自信は、なかった。なかった。けれど]

(668) 2011/05/19(Thu) 23時頃

【独】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[いっそ壊れているなら、さらに壊せばいい。]

(-271) 2011/05/19(Thu) 23時頃

【独】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[壊れていないならば……もう一度、伝えればいい。]

(-273) 2011/05/19(Thu) 23時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[「ぎゅっと、して」。
 唇だけでそう紡いで、哲人の方に体を預けた。]

(669) 2011/05/19(Thu) 23時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2011/05/19(Thu) 23時頃


ヴェスパタインは、その時>>668に、扉は開かれていたのかもしれない。

2011/05/19(Thu) 23時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[文>>670から、隙間越しに体調を聞かれたその時は。
 どう見ても体調の良くない顔で……ふるりと一度だけ首を横に振っていた。
 大丈夫だ、という偽りを言うだけの力も、なかった。]

(677) 2011/05/19(Thu) 23時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[まだ扉を大きく開いていなかった時、楓馬>>667が近くを訪れた時は、自分自身に直接話しかけられたように捉えられなかったからか、気づいていない様子でいた。
 成人>>671が入れた断りには、ただ小さく頷きを返して。特に引き留めることもなく中へと促していた。]

[哲人>>672から、怒りは、感じなかった。いつもの、彼の色だった。
 その色が、胸に、じん、と響いた。
 その後、彼が話を切り出してきたこと。
 本当に微かな声で囁かれたことばに、小さく瞬いた。]

 …………。

[離せない。付いて回る。どういうことなのかは、ある程度分かる。
 きっと、自由には生きられなくなるかもしれない。
 けれど、それでも、……彼がそれでも受け入れてくれるのなら]

 いいよ。

[それだけ口にして。
 あとの言葉は全て、彼だけに見せたことのある柔らかい微笑に籠めた。]

(688) 2011/05/19(Thu) 23時半頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2011/05/19(Thu) 23時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[後悔しない、と。
 少しだけ眉を下げてみせながらも、哲人に小さく頷いた。
 それから繋がれた指。ひりりとして……けれど、ほっとする感覚もした。
 繋ぎとめられている……それだけで、良かった。

 彼がいて……皆も、居る。
 けれど今、あまり不安は感じていなかった。
 いつも通り……というには、ちょっと熱で上せ過ぎた顔で。
 そっと、桂馬たちに振り向いた。]

 ……食べにいこ。

(703) 2011/05/19(Thu) 23時半頃

ヴェスパタインは、つながれていない手は、まだ握ったままだった。

2011/05/19(Thu) 23時半頃


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2011/05/19(Thu) 23時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[楓馬>>697があの時呼ぼうとしていたことにも気づかなかったまま……。
 再び彼の顔が見えた時には、それは明るい笑顔だったから……なんだか、温かかった。
 哲人と話しているのを見ても、それほど妬けたりも、しなかった。
 そのくらいに、今、満たされていた。]

[……成人や文がラジオの電波を確かめた結果にも、気づいていなかった。
 そのくらいに、今、呑気でもあった。]

(720) 2011/05/20(Fri) 00時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2011/05/20(Fri) 00時頃


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