219 FESを強いられし非戦場
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――空から――
いらないっ、なんて。
ベネちゃん、がんばったのに。
[風が吹いている。とてつもない力が、風を吹かせている。
繋がったのだ、と確信する。
耳の痛くなるような声が聞こえた気がした。それが絶望の恨み節とは、知らぬまま。
ただ力の激流に、エリアスを離さぬよう耐えていた。]
(10) 2015/03/25(Wed) 01時半頃
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[黒い穴。いや、穴ではない、何か。
それを時空の歪みだというのだと知ったら、そう、と小さく納得しながら、ベネの覚悟を思ったのかもしれないが。
生憎、そんな悠長な時は訪れなかった。]
っ、あ……！
[それらは、刺し殺すというよりも、吹き飛ばすように。あるいは包み込むように、星魔女も時使いも《ペガスス》もを襲った。
空間のあり方からを変えるようなその闇の奔流は、物理的な攻撃よりもよっぽど《星》にとって致命打だった。
喉を刺され、主はそのまま吹き飛び。
見上げられた一瞬目があったような気もしたけれど、衝撃に呑まれて意識は長く保てなかった。
満身創痍"成果"を確認するエリアスにも気づけないまま、屋上の一角にたたきつけられ、白馬は静かに消えた。]
(11) 2015/03/25(Wed) 01時半頃
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[誰かの気配が、近づいても。
身体を隠す、影が落ちても。
時空の衝撃に晒された星魔女の意識は、戻らなかった。
長い睫毛がふるりと揺れたのは、時計の長針がもう、肉薄した頃合いに。]
っ、……
[瞳は、まだ開かれないまま。
唇が酸素を求めて僅かに動く。]
エリちゃん、
[うわ言のように、名前を呼んだ。]
(15) 2015/03/25(Wed) 23時頃
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[少年の手は、止まった。
それが、彼にとって幸か不幸かはわからない。
わからないが、ふるえる睫毛はゆっくりと上下に離れ、黒い瞳は静けさを湛えたまま、こちらを見下ろす少年を捉えた。]
エリちゃん。
[ふ、と笑うように、瞳は細まり。
歌うように、目の前の少年を、はっきりと認識して呼んだ。
重い身体を半分だけ起こして、両の手を拡げ、伸ばし。]
(22) 2015/03/26(Thu) 10時頃
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よかった。
[傷だらけ、血塗れ。それでも彼の生を喜び、縋るように抱き止める**]
(23) 2015/03/26(Thu) 10時頃
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……ねえ、エリちゃん。
怒ってる？ 離せって言われたけど離さなかったし、時計塔、結界、よくわかんないけど、壊しちゃったし、ベネちゃんもあすなちゃんもいなくなっちゃった、し。
[ベネに頼まれてエリアスを捕らえた。
結果、1を得て2を失った。自分たちも傷を負って、黒の獣は華月斎を狙っている。
いつか見た、戦いの結末にも似ていた。]
さっき、針、持ってたでしょ。
わたしを、ころす？
[用務員さんの力は、宇宙に定められた、破壊の力。
宇宙の理では自分をどうすることも出来ないはずで、現にまだこうしてここにいるが、時空を操るエリアスの力なら、果たして。]
(30) 2015/03/27(Fri) 00時半頃
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