人狼議事


70 領土を守る果て

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執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/16(Wed) 20時半頃


執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/16(Wed) 22時頃


執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/16(Wed) 23時頃


執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/16(Wed) 23時半頃


【独】 執事見習い ロビン

[少女は国境へと向かう。何も、考えられなかった。捨てられた、とは思わない。きっと、ハワードにも考えがあるのだと。いや、考えも、大体分かるのだけれど。それでも、何故だろう。とても、空虚な思いなのだった。]

…私は。
(私の意思も関係なく、この国を愛せと言ってほしかったのかもしれない。)
[少女は考える。そして、悟った。]

あぁ、そうか。
私は。
この国の民に、なりたかったんだ。
[覚えず、つう、と頬に滴が一筋伝う。小さく口にした言葉がしっくりと胸に沁みこむ。父は、私に何でも与えてくれた。私が得られなかったはずの物を、全て。だから、感謝している。感謝しているし…大好きだった。本当の子供でないのが哀しいくらいに。]

(-54) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

[けれど、同時に悟ってしまった。父は、私が本当に一番望んだものを、与えることができなかった。どんなに何があっても、私はこの国の民にはなれない。父の、本当の子供にも慣れない。それは…父も、私も、無意識下で、なれないと思っているから。だから…]

[国境近くにたどり着く。ここまでくれば、戦う音が当たり前に聞こえてきた。遠く、剣戟の音を聞きながら、銃火の音を聞きながら、不自然に明るい空を見上げる。]

(もし、もしも。私が、自分自身がこの国の民だと思えたなら。父が、私をこの国の民だと思えたなら。何かが、変わったんだろうか。)
[考えても、わからなかった。意味があるのかもわからない。けれど…どうしても、思ってしまう。この国に生まれられたら、よかったのに、と。少女は、自身の生まれた国も、本当の父や母の姿も、欠片も知らないのだった。]

(-55) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

[静かに、国境への道を辿る。戦の音が近づいてくる。あとわずかというところで、陰から国境を観察した。父は、私ならここをそっと通り抜けられると信じたに違いない。]

(できないわけがない。えぇ、きっと。)
[だって、私は、姿を隠すことにかけては、誰よりもぬきんでていたのだから。少女は、闇夜の色のマントを体にきつく巻きつける。]

(-56) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

[少女は、躊躇いなく足を進める。]

(行かなきゃ。私は、私の真実を見つける為に。そう、願う人がいるのだから。私は、あの人の期待に応えたいから。私は…)
[ハワードの願いがなんであったか。それは、きっと一生わからない気がする。なぜか、もう二度と、会えない、そんな気がするから。嫌な考えを振り払うように、頭を振る。]

(いいえ。私は、いつかまた帰る。また、父に、会いに帰る。その時に、きっと、私は答えを見つけていてみせる…)
[すぅ、と息を吸い込んで。国境へ向けて駆け出そうと身構える。一度、一度だけ。振り返った。自分の大事な者たちのいる、その国を…]

(-57) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

ダァン…ッ
[鋭い銃声の一瞬前、感じた殺気に身を翻らせる。肩口に走る痛み。少女は反射的に駆け出す。銃声が少女を追いかける。]

(しまった…!見つかった…!)
[しびれたような、熱を感じる肩を押さえて走る。人気のない街へ駆け込み、だん、と地面を蹴って、屋根に飛び上がろうとした。]

ッ…!
[再び響く銃声に、足に突き刺さる鉛玉。少女はバランスを崩して乗りかけた屋根から転がり落ちた。積んであった木箱を巻き込み、地面に転がる。]

ッぁ…ッ
[撃ち込まれた弾丸は、体内で暴れまわり肉を切り裂く。気が遠くなるような痛みが襲いかかる。]

(-58) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

(身を隠していたのが仇になったか…)
[隠密を疑われて撃たれたのか、と考えかけて、否定する。違う。見つかれば、それが誰であれ、撃っていたはずだ。だから、これは…]

見つかった、私の負け…
[少女は追ってきた影を見上げて小さく笑う。懐から小瓶を取り出した。栓を抜いて、中の液体をのどに流し込む。少しずつはっきりする視界に、こちらを探しているらしい若い男を捉えた。]

(-59) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

(あぁ、きっと、貴方も…国に、家族がいるのね。)
[静かに、ブーツの内側から細いナイフを引き抜く。]

(だけど、ごめんなさい。殺されるわけには、いかないの。まだ。)
[少女は吐息とともにナイフを放つ。男がこちらに気づき、引き金を引くのと同時であった。]

ッ…!
[ひゅぅ、と息を吸い込む。こと切れる間際に男が放った銃弾は、少女の心臓を掠め、胸を貫いた。傷ついた肺が正しく酸素を吸い込めない。一瞬意識が遠のいた。]

(-60) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

―――でも、まだ、死ねないの。

[少女は遠のきかけた意識を捕まえる。震える手で、懐から包みをもう一つ、取り出す。血塗れた紙包みを破ろうとして、取り落としそうになると、歯で食い破った。中から転がりだす丸薬を、指先でとらえて、口に放り込む。ガリ、とかみ砕けば強い苦みが広がる。しばらくして、体の痛みが薄れた。]

これで、少し…
動ける…かな…
[少女は微かに笑う。真っ白になった指先で、胸元の笛をまさぐる。奇跡的に割れていないそれを、引っ張り出した。]

(-61) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

[少女が服用したのは、強烈な痛みどめ。しかし、それは、強すぎる故に、ひどい幻覚を使用者に見せる。とても危険なため、通常は使えない…唯一、死に逝く者の痛みを和らげるために使うものであった。]

ピュー、るる…

[途切れがちな笛の音が、夜の闇に響き渡る。]

るる…
ぴゅ…るる…

[いつもより、早い時間。風に飛びそうなその音は、王宮に届くのだろうか。]

(-62) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

ぴゅる…るるる…
(心配しないで、父上。)

ぴゅるる…るる…る…
(きっと、向こうに、辿りつくから。)

ぴゅー、る…
(明日は、この国にいないはずだから、音が聞こえなくても心配しないよね。)

ぴゅる、るるー…
(だから、今日だけ、今だけ…)

ぴゅ…る…
(心配しないで、お願い。)

ぴゅ…
(大丈夫だから…)

(-63) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

[カシャン。小さな音とともに、少女の手から笛が滑り落ちて、割れた。闇が少女に迫る。浅い息に胸を喘がせる。ひどく、寒かった。頬に、冷たい滴が伝う。]

(…ごめんなさい。
  ごめんなさい、父上。
   私、貴方の期待に応えられそうもない。
 ごめんなさい。
  …ごめんなさい。
   私、たどり着けなかった。)

[もう、何も見えない。聞こえない。ただ、ただ感じるのは、深い深い闇だけ。]

(-64) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

【独】 執事見習い ロビン

(ごめんなさい。ごめんなさい。
    さようなら。さようなら。)

[無意識に、手首に巻かれた紫の紐に指をかける。もろくなっていたのだろうか。糸は容易く切れ、少女の傍らに落ちた。]

(もし、もしも、もう一度、生まれ変われるならば。)

[冷たくて、温かい、厳しくて優しい闇が少女を覆い尽くす。]

(その時は、家族と一緒に…この国で…)

[少女は人知れず、暗い路地裏で息を引き取った。彼女が見つかったとしても、彼女の身元はきっと分からない。なぜなら彼女は、“本来存在しない少女”であったのだから…。彼女の真の名前は、誰も知らない。]


――***end―――

(-65) 2011/11/17(Thu) 13時半頃

執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/17(Thu) 13時半頃


執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/17(Thu) 23時半頃


執事見習い ロビンは、メモを貼った。

2011/11/17(Thu) 23時半頃


【独】 執事見習い ロビン

/*
Lily of the valley…スズラン。
花言葉は【幸福の訪れ(再来)】。

幸せになれるといいね。

(-92) 2011/11/17(Thu) 23時半頃

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