人狼議事


186 夏なんです【Sheeps' monologue project】

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【見】 聖戦士募集 ハルカ

――10年前――

午前中の夏期補習の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
私は一つ伸びをすると、お弁当を食べようと幼馴染二人のところへと向かった。
この後は久しぶりに部活だ。
三人で所属している天文部は、あまり活発な部ではなく、多分今日の出席も三人だけ。
三人のうちの一人、カズだって私達が行かなければきっとサボる、という選択をするだろう。

「カズ、タカ、ご飯食べよ」

教室の隅につるんでいた二人に声をかけ、手近な席に座る。
席の主に手を振ると、お弁当の包みを開いた。

(@0) 2014/07/22(Tue) 10時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「今日部活だけど、和樹、覚えてたか?」
「ゲ、忘れてたわ」
「まったく、そんなことだろうと思った」

やっぱりね、と軽口を叩きながら、汗をかいたペットボトルから水を飲んだ。
今日も暑く、憎くなるくらいに快晴だ。
一日こんな天気だと、テレビのお天気キャスターが言っていた。

「今日の部活なにやる?」
「うーん…多分他の奴らはこないよなあ。
 そろそろ文化祭のための準備もしないといけないけど」
「めんどくせーなー」

(@1) 2014/07/22(Tue) 11時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

至極面倒くさそうに、カズがコンビニのサンドイッチを齧る。
そう言いながら、決まってしまえば一番楽しむのは彼だ。
また今年も、完成した暁には感動して泣くのだろう。
幼い頃からそうだったように。

「それで、テーマどうする?」
「うーん…ちょっと出てこないなぁ。」
「去年のテーマが――」

去年は初めての文化祭にも関わらず、先輩方は掛け持ち先に集中してしまい、実質三人で展示会を行った。
評判は悪くなかったものの、準備不足が目立ったもので
今年こそはと思っていた。
しかし、なかなか良い案も出ず、昼食の時間が終わっても尚、三人で額を集めている状態だった。

その時だった。

(@2) 2014/07/22(Tue) 11時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

「なあ、今夜、星見に行かねえ?」

ずっと黙っていたカズが突然声を上げたのもあって、私とタカは驚いてそちらを見た。
彼が自らそういうことを言ったことはなかったからだ。
意図が見えず、首を傾げる。

「なんでまた、突然に」
「いや……、ほら、行き詰まってんだろ?
 星でも見てさ、気分転換しねえかなーって」
「へー。和樹もたまにはいい事言うんだな」
「たまにはってなんだ、たまにはって」

(@3) 2014/07/22(Tue) 13時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

二人の会話を聞きながら、今日はなにかあったっけ、と思い出す。
流星群があるとか、そういう日ではない。
じゃあ、単純に星が見たいのだろうか。
ずっとつるんでるから入部しただけで、さほど興味がなさそうに見えたのに。

「で、ハルカも行くよな?」
「おーい、ハルカ?」

私がぼうっとしている間に、もう星を見ることは決定していたようだ。
反対する理由もなく、頷いた。

「今日はいい天気だから、きれいな星が見えそうね」

(@4) 2014/07/22(Tue) 13時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

窓の外を見る。
相変わらず太陽は強く照りつけていて、運動場で活動している生徒たちの肌を焼いていた。
ずいぶんと生ぬるくなったペットボトルの水を飲み込むと、唐突に決まった星見会の話に頭を戻す。

「どこで見るの?屋上借りる?」
「今からじゃ申請通らないし、いつもの丘の上でいいだろ。
 望遠鏡だけ借りようぜ」
「そうね。じゃあ、それの申請だけしてこないと。
 ……いつもの時間に集合で、いい?」
「りょーかい。
 もう帰ろうぜ、部活日誌は隆也に任せた」
「はいはい、やっておくよ」

仕方ないな、という顔でタカが立ち上がる。
日誌を部室に取りに行くタカと別れ、私はカズと職員室に貸出手続きを取りに向かった。

(@5) 2014/07/22(Tue) 13時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

職員室に向かう途中。
ちらり、ちらりと、視線を感じる。
静かな廊下には私達しかいないから、それは確実にカズのもの。
でも、カズのほうを見ると、視線をそらされてしまう。
それを何度か、繰り返した。

結局、なにも会話を交わすことのないまま、貸出手続きを取り、部室に望遠鏡を取りに行った。
タカは既に日誌を書き終えており、提出するのを見届けてから共に帰路についた。
その間、私とタカ、タカとカズ、という会話はあっても、
私とカズの間には会話がなかった。

それがどうしてだか、10年経った今なら分かる。
しかし、その当時の私には知る由もなく、直接聞けるわけもなく、分かれ道で二人に別れを告げた。

(@6) 2014/07/22(Tue) 13時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

夜に集合しても、相変わらずだった。
そっと顔を伺っても、普段通りに見える。
けれど、時々影が過るように見えるのは、どうしてなのだろう。
陽は落ちたのに、じっとりと汗ばむような空気の中、
私達は三人で丘の上に登った。

いつから一緒だったか、もうわからない。
気づいた時には共に過ごしていた、幼馴染。
ここにも、何度も一緒に来た。
街の明かりが遠く、星がよく見えるから。

(@7) 2014/07/22(Tue) 14時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「天体観測日和だなー」

上を見上げて、カズが呟く。
つられて、私も空を見た。
水平線はまだ赤いが、頭上には真っ暗な世界が広がっていて、
雲ひとつない空には無数の星が瞬いていた。

「デネブ、アルタイル…、あれ、ベガどこだ」

声につられて、私も、と三角を探す。
はくちょう座のデネブ。
わし座のアルタイル。
天の川を挟んで、反対の、

(@8) 2014/07/22(Tue) 15時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「ほら、あそこだよ」

タカが指差す先にあること座のベガ。
あれかー、と頭をかくカズをみながら、ふっと思った。

織姫と、彦星と、鵲と。
自分たちを例えたら、どうなるのだろう。
 

(@9) 2014/07/22(Tue) 16時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

不可侵条約でもあるかのように、三人の関係は恋愛事には発展していない。
かと言って、私の知る限り、三人の誰にも、恋人がいる期間はなかった。

タカもカズも、それなりにモテていたように思う。
ラブレターを渡してくれと頼まれたこともあったし、
それとなく仲介を、と言われたこともある。
幾度と無く告白もされているはずで、でもそのどれもを断っていた。
曰く、興味が無いから、と。

かくいう自分も、興味が無いと断った過去がある。
そんなことよりも、星を見ることのほうが楽しかったし、
なにより三人で過ごしている時間が心地よかった。

でも。
それもいつかは崩れてしまうのだろうか。

(@10) 2014/07/22(Tue) 17時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「―ルカ、ハルカ」

しばらくぼうっとしていたのか、タカに声をかけられる。
顔を上げれば、一瞬カズと目があって、逸らされた。

「なに?」
「いや、ぼーっとしてたから。
 ほら、望遠鏡、使うだろ」

世話焼きのタカは、私の分まで組み立てていてくれたらしい。
望遠鏡が3つ、三脚に並んでいた。
ありがとう、とタカに礼を言うと、真ん中の望遠鏡を覗きこんだ。

(@11) 2014/07/22(Tue) 20時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

肉眼とは、違った表情を魅せる天体。
その輝きに吸い込まれるように、レンズを覗き続ける。
一際明るく輝く一等星。
肉眼では分からない等級の星。
もっともっと近くで、と倍率を上げるうちに目的の星を見失って、レンズから目を離した。

見当たらない星。
小さくため息を付いて、肉眼で眺める。

アルタイル、デネブ、ベガ。
夏の夜空でひときわ目立つ三角形。
あれが私達だとしたら、他人にはどう見えているんだろう。
そして、他の二人は?

(@12) 2014/07/22(Tue) 21時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

ちら、と左隣を見る。
最近視線の合わないカズ。

なにか原因があっただろうか。
直接聞こうにも、タイミングが掴めない。
ふたりきりになるのを避けているかのように。

嫌われたのだろうか。
それなら、どうしてまだ、こうして、共に天体観測などしているのだろう。
タカといたいから?
惰性?
それとも、

(@13) 2014/07/22(Tue) 22時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「っくしゅん」

右隣からくしゃみが聞こえて、思考と視線がそちらを向いた。
真夏と言えど、そろそろ涼しいと感じてきた。
かいた汗で冷えてきたのだろうか。

「そろそろかえろっか?寒くなってきたもんね」
「そうだな、そうしようか。
 ……和樹、気は済んだか?」
「――ああ、うん。
 帰ろう」

(@14) 2014/07/22(Tue) 22時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

彷徨う視線。
追いかければ、逃げていく。
私の視線に気付かないふりをして、カズは望遠鏡を片付け始めた。
開きかけた口を閉じて、私も使ったものを片付けることにした。

何気ない会話を交わしながら、一つ一つケースに仕舞いこんでいく。
ガサガサという音と、タカの「あ」という声に視線を向ければ、
くるりと転がり落ちていくレンズと、それを追いかけていくタカが見えた。

その場に残った、ふたり。
流石のカズも何処かへ行くわけにもいかなかったのか、動こうとはしなかった。
沈黙が、二人の間を支配する。

(@15) 2014/07/22(Tue) 22時半頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「なあ、」

先に口を開いたのは、カズだった。
手を止めて、顔を見る。
久しぶりにかち合った視線には、何かを決意したような強さがあった。

「俺……、さ。
 ――お前のこと、好きだ」

突然のことに、目を丸くした。
深呼吸をひとつ。
混乱した頭で、はいともいいえとも言えないままの私に、彼は困ったような笑顔で続けた。

(@16) 2014/07/22(Tue) 23時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ


「…困るよな、急に言われても。
 ハルカにとっては、俺は…、ただの幼馴染だろ。
 それにお前は……、」

「いや、なんでもない。
 避けてて悪かったな。
 ……そうでもしないと、俺、どうにかなりそうでさ」

「でも、それも今日で終わりな。
 ……忘れてくれ。
 明日からはまた、今までと同じ幼馴染として接してくれ。  これは…、俺の自己満足みたいなものだから」

(@17) 2014/07/22(Tue) 23時頃

【見】 聖戦士募集 ハルカ

それだけいうと、カズは望遠鏡に視線を戻してしまった。
何か
何か言わなくては。

けれど、何を?
幼馴染として好き、って?
恋人として考えたことはない、って?

言葉を探している最中に、ガサ、と音を立てて、タカが戻ってきた。
結局私は何も言えないまま、望遠鏡を片付けて、帰路につくことになったのだった。

(@18) 2014/07/22(Tue) 23時頃

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