【独】 友愛組合 チアキ

…それはいつだっただろう。養父母曰く、自分はその時の、というかこの家に来た時からの記憶がすっぽり抜け落ちてしまったらしい。実感は無かった。ただ、初めて会う彼らが何故こんなに泣いて謝っているのかが不思議でたまらなかった。

程なくて寮へ入った。こういうものは高いと、同級生から聞いたので何度も断ったが、せめてもの罪滅ぼしに、と。その後の生活費もうちで保障させてもらうとまで言われた。

去り際に息子が、とか思い出させてしまっては…との声が聞こえたが、息子なんていたのかという感想しか抱かなかった。]

(-1103) かの 2014/02/02(Sun) 17時半頃