― イェル=ゥラの遥か上空 ―
[漆黒の巨拳振り上げる黒の巨人《アンノウン》。
天使と悪魔をも遥か眼下に収める程の上空に、死女神は浮かぶ]
秩序隷像《ミラパストラル》。
それは外宇宙《そら》の概念を為す監督者《エピスコポス》の使徒。
秩序に隷属する眷属共の力の塊にして、彼女の意志を忠実に具現する、秩序の操り人形《スレイヴ》。
其の起源。遥かな時空よりあらゆる無秩序と混沌の神々を退けるべく監督者《エピスコポス》の尖兵として降り立ち、その巨人、総ての眼が彼女の眼、総ての耳が彼女の耳。
そして彼女自身の瞬時顕現の役割を果たす、監督者の大通路《アストラル・ゲイト》でもあったな……。
[しかし、中々に押されている。
頭部には切裂いた様な破壊傷が存在するばかりか、その胴体。
意志の封印を為す緋き矢が、動きを阻害している]
(343) 2012/02/04(Sat) 17時半頃