人狼議事

162 絶望と後悔と懺悔と


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

 『お前のせいね──あや』

[父が旅立ってひと月あまりが経った頃、
戻らぬ父を待って母と庭を眺める童女に、母が言った。

紅の引かれた美しい朱唇から、
零れ落ちる言の葉は毒花のように芳しく、
童女の髪を梳る母の細い指先が柔肌に甘く爪を立てても、
童女は小さく──痛いよかあさま、と溢すのみで、
その行いに、何らの疑心も芽生えることはなかった。

───母が屋敷から姿を消したのは、その数日後。

それから季節を三つ跨いだ春の夜。
母は、父の首を携えて屋敷へと帰る。

その日まで、
童女は二人の親がいっぺんに離れて行ってしまった悲しみに
泣き濡れて過ごす日々を送ることになる。*]

(276) 2014/02/09(Sun) 02時頃

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